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~teamBDRの酒場~
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teamBDR
性別:
男性
職業:
高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
メンバーの紹介なんDA
[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!

[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。

[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。 

[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!

[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。

[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
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第1話「とあるWの仮面ライダー/奇妙な冒険in学園都市」
 
作者 Joker 

ここは学園都市。その名のとおり人口のほとんどを学生が占める教育都市である。しかしこの街における教育とは一般における国語や数学などではない。
「超能力の開発」である。発達した未来科学はついに人工的に超能力を造ることを可能にしたのだ。
そしてここ学園都市では学生たちを対象に超能力の開発を行っている。
しかし、この街に住むのは学生だけではない。学園都市の拡張とともに街に取り込まれた地域の住民や、施設で働く従業員などどこにでもいるような一般人。
 
そしてこの街を支配しようと暗躍する悪。
 
これは街を守るために戦う者たちの物語である。


ここは学園都市・風都(ふうと)地区。並び立つ数多くの風車と学園都市で一番気持ちの良い風が吹く場所として有名な地区。
今日も4月の心地の良い日差しが公園にいる人たちをやさしく照らしていた。
そんな中を歩く女子中学生が2人。
「ねえ初春、“仮面ライダー”の都市伝説って知ってる?」
彼女の名は佐天 涙子(さてん るいこ)。風都に住み、市立風都東中学校に通う1年生だ。
「佐天さん、またその話ですかぁ?」
あきれているのは初春 飾利(ういはる かざり)。彼女も佐天と同じく、風都東中学校に通う1年生だ。
「仮面ライダーの都市伝説って、この街に潜んでいる悪者を人知れず退治している正義の味方がいるっていうあれですよね。決して素顔は見せず、目撃されてもすぐにバイクで走り去ってしまうことから“仮面ライダー”と名づけられたとか・・・もう仮面ライダーの話は聞きあきましたよ」
佐天の趣味は都市伝説を収集することだ。
学園都市は周りを高さ5メートルの塀で囲まれていて、学園都市を出入りする際には厳重なチェックを受けなければならない。機密保持のためだ。なにしろ学園都市は外界とは比べ物にならないほどの科学技術を持っている。
だから学園都市には数え切れないほどの都市伝説が存在する。未来科学は人面犬やネッシーを馬鹿な噂話から本当にいるかもしれない存在へと高めたのだ。
その中でも佐天は特に仮面ライダーの都市伝説が気になっていた。人知れず街のために悪と戦っている・・・そのフレーズが佐天には妙にかっこよく感じられたのだ。
「ふふふ・・・初春、今回は噂とか憶測とか、そんな不確かな話じゃあないの。実はねぇ・・・」
「あ!」
初春が驚きで声を出した。
余所見をして歩いていたせいで気づかなかった。佐天の前方を身長2メートルにも届きそうな大男とその男よりは少し小さいがやはり大きい男が歩いていて、お互いにしゃべっていたため気づかずに、今まさにぶつかろうとしていた。
「きゃ!」
結局、佐天と初春は男たちにぶつかった。男たちは微動だにしていなかった。さすがに大きいだけのことはある。小柄な初春たちだけが衝撃を受けることになったのだ。
転びそうになる2人。まばたきをすればその間には地面と激突していそうな速度である。
しかし、
 
シュババババァッ
 
「え!?」
佐天も初春も転びはしなかった。いつの間にか元の直立の体勢に戻っていた。初春たちは何もしていない。男たちも微動だにしていなかった。まるで見えない力に動かされたような・・・初春はそう感じた。
「大丈夫か? 君たち」
ぶつかった男が聞いてきた。身長195センチくらいの大男だ。白い学ランのような服に身を包み、これまた白い学帽のような帽子をかぶっている。
「ええ、こちらこそすいません。余所見してて・・・」
佐天たちは頭を下げて謝った。
「いや、それならこちらも同じだ。すまなかったな」
と言って男たちは佐天たちから離れていった。
「承太郎さん」
白い服の男にもう1人の男が話しかける。もう1人の男は身長185センチくらいで学ラン。そしてなにより目立つのは髪型がリーゼントだということだ。
「何だ、仗助」
白い服の男の名は空条 承太郎(くうじょう じょうたろう)。ある目的で学園都市にやってきた28歳の男。
「奴がどこにいるのかもわからないのに・・・こんなノンキに外をほっつき歩いてて大丈夫なんすかね~?」
そう言った彼は東方 仗助(ひがしかた じょうすけ)。学園都市・杜王(もりおう)地区にある私立ぶどうヶ丘高校に通う1年生。
「逆だぜ、仗助。家にいればお前の母親が巻き添えをくう可能性がある。あくまで奴の狙いは俺たちだからな。それよりも奴を一刻も早く見つけ出して倒す必要がある」
「でもどこにいるのか検討もつかないっすよ?」
「さあな。だが奴は必ず俺たちを襲いにくる。今もどこかで俺たちを見張ってるはずだ」
「ハァ~・・・なんだか緊張するっすねえ・・・・・・おかげで飯もろくに食えてねえし」
仗助は腹を抑える。
「そうだな・・・とりあえず何か食いに行くか」
承太郎と仗助は公園を出て行く。彼らの言う奴とはいったい誰のことなのか? それは今はわからない・・・
 
「お! 佐天に初春じゃねえか」
「あ! 翔太郎さん」
承太郎たちが離れていってすぐ、左 翔太郎(ひだり しょうたろう)という彼女らの知り合いの男が来た。彼は風都で鳴海探偵事務所の所長をやっている22歳の男である。もともと鳴海探偵事務所は彼の師である鳴海 荘吉(なるみ そうきち)が所長をやっていたのだが、彼が亡くなったことで弟子だった翔太郎が所長になったのだ。
「翔太郎さん、何でここに?」
「ああ、猫探しの依頼を引き受けてよぉ、その帰りなんだ」
「相変わらず翔太郎さんは猫を探すのは得意ですね」
「おいおい初春、それじゃあ俺が猫探し以外できねえみたいじゃあねえか」
「そんなことより! これからお昼にでも行きませんか?」
佐天は強引に翔太郎の発言をスルーした。
「ああ、じゃあそうするか」
その時、ふと翔太郎は公園の植木のほうでタバコを吸いながら犬を連れ歩いている中年の男に目をつけた。
「おい、あんた」
翔太郎は中年の男に声をかける。
「何だ、お前!?」
「この公園は禁煙だぜ。それに・・・」
翔太郎は中年の男の口からタバコを引っこ抜いて、
「犬の糞は片付けるのがマナーだぜ。自分の街を汚すなんてみっともねーまねすんじゃねえよ」
翔太郎は片手でタバコの火を握りつぶした。
「フン!」
中年の男は不愉快そうに犬のフンに砂をかけ、犬を無理やり引っ張りながら立ち去った。
「かっこいいじゃないですか、翔太郎さん!」
佐天と初春が翔太郎を賞賛する。
「そりゃあ俺は・・・ハードボイルド、男の中の男だからな・・・・・・だが・・・」
「「だが?」」
「あちいィッ!! 調子乗ってタバコの火を素手で握りつぶすんじゃなかったぜッ 痛てえッ!!」
あわてて水飲み場へダッシュし、急いで手を冷やす翔太郎の様を見て佐天と初春はため息をついて、
「やっぱり翔太郎さんはハードボイルドじゃなくて」
「ハーフボイルド、半熟の半人前なんですよねぇ」
 
「まったく! 最近の若者は細かいとこで口うるさくてたまんねーよ!」
先ほど公園で翔太郎に注意された中年の男が今度は公園から離れたところで犬に糞をさせていた。
「フゥ・・・」
中年の男はタバコを1本引き抜く。その時、こっちに向かって1人の男が歩み寄ってきた。
「すみません・・・あんたさっき公園にいましたよねぇ?」
男がなにやら質問してきた。
「ああ? だからなんなんだよ。(まさか公園の管理人じゃあねーよな)」
「その公園に白い学ランみたいな服を着た男と、リーゼントの学生はいませんでしたかねえ?」
「さあ・・・知らねえな。(公園の管理人じゃあねーみてーだな)」
「そうですか・・・それではもう1つ」
「今度は何だよ」
中年の男がうんざりしたその時、
「俺の街を汚してんじゃあねェーーーーーッ!! このウンコ野郎がァッ!!」
突然男の様子が豹変し、中年の男の首筋に噛み付いた。
「うぎゃああああああああッ!!」
悲鳴を上げる中年の男。
「ワンワンワンッ!!」
犬も驚いて吠えまくる。しかし無情にもその犬の首を男は思い切り左足で踏みつけた。そして犬は一瞬で絶命した。
「け、ケルベロスゥ~!!」
どういうネーミングセンスなんだそれは、と突っ込む者も周りにはいない。そこにいるのは自分たちだけで、助けは期待できなかった。
「気に入らないんだよ・・・俺の街でいい気になって調子に乗ってる奴がなァッ!!」
と言いながら男は中年の男の首から口を離した。
「いい気になってる奴は・・・破滅しな」
 
ブシャアアアアアアアアッ
 
中年の男の体中から血が噴き出した。
「あ・・・が・・・」
中年の男は死んだ。
「ヒヒヒ・・・いい気になってる奴が破滅するのは楽しいぜ。ヒヒ」
男の名は片桐 安十郎(かたぎり あんじゅうろう)。通称アンジェロと呼ばれる34歳の最近脱獄した死刑囚である。
「さすがはアンジェロ。見事な能力だ」
「誰だ?」
スーツ姿の若い男がいつの間にかアンジェロのすぐそばに現れていた。
「てめえ見てたのか? 場合によってはてめえも・・・」
「まあまあ、私はあなたを罪に問うつもりはない。むしろこのような街のゴミを始末してくれて清々している」
男は飄々としながらそう言った。
「てめえ・・・何のようだ?」
「依頼したいのですよ。左翔太郎・・・この男を始末していただきたい」
男は写真を差し出しながらにこやかに言った。
「わが組織にとって邪魔になる男だ。報酬は先払いで、これを渡しておきましょう」
男は懐からUSBメモリのようなものを取り出した。
「ヒヒ、なるほどわかったぜ。てめえミュージアムの人間だな? ムショん中で聞いたことがある・・・この街でガイアメモリとかいうアイテムを売りさばいて、街を裏から支配しようって連中がいるってなあ」
アンジェロは男の手からメモリを取り上げた。
「確かこいつがあれば・・・」
「ハイ、あなたは神にでもなれますよ」
「ヒヒ、おもしれえ。こいつはいただくぜ。だが・・・」
アンジェロは男の首に向かって左腕を伸ばす。
「依頼は受けねえぜッ!!」
 
ガシィッ
 
だがアンジェロの左腕は男につかまれてしまった。
「な・・・なんだとぉ!?」
アンジェロはゾッとした。自分が認識できないほど速く、それも人間とは思えない力で左腕をつかまれたのだ。アンジェロは一瞬この男には勝てないと思ったが、本気を出せばどうってことはないと思い直し正気に戻った。
「依頼は・・・引き受けてくれますよね?」
男はアンジェロの左腕をつかんだままにこやかに言う。
「ああ・・・わかった・・・・・・だから放せよ・・・」
「その前に聴きたいことがある。あなたのその能力、“スタンド”はどうやって手に入れたものなんですか?」
「ああ? スタンドぉ?」
「おっと、知りませんでしたか。あなたのその能力の名前ですよ。スタンド使いやレベル4以上の超能力者などの一部の者にしか見えず、使用者の精神力によって動く驚異の力」
「おお、俺の“アクア・ネックレス”のことだったか・・・いいぜ。話してやる・・・・・・」
しばらくして、
「・・・なるほど。そうでしたか」
そして男はアンジェロの左腕を放した。アンジェロはため息を1つついた。
「そういえば、あなたの狙っている空条承太郎と東方仗助はあっちにあるレストランに行きましたよ」
男は指で大通りの方を指し示した。
「おお・・・そうか。助かるぜ。じゃあな」
アンジェロは立ち去った。
「フフフ、スタンド能力。これがあればミュージアムは・・・」
男の名は園崎 霧彦(そのざき きりひこ)。巨大組織ミュージアムの一員。
 
――昼、翔太郎たちは公園からしばらく歩いたところにある大通りのファミリーレストランで昼食をとっていた。
「おい佐天。いい加減ドリンクバーのジュースを混ぜて飲むのはやめろ。気色悪りーだろ」
翔太郎はメロンソーダとカルピスのミックスジュースを飲む佐天を見て注意する。
「いいじゃないですか翔太郎さん。これぞドリンクバーの醍醐味ですよ」
そう言う彼女の前には使用済みのグラスが所狭しと並べられていた。
彼女いわく味が混ざるので同じグラスは使えないそうだ。いやもうすでに混ざりまくっていると思うのだが。
「さて! 次は何を混ぜようかな~っと」
「ウーロン茶とオレンジジュースなんていいんじゃないですか」
「ああそれいいかも。酸味が増して」
佐天の悪ふざけに初春も悪乗りする。どうやらもう翔太郎では止められそうにない。
「こういうときにフィリップさんも一緒にいればもっと楽しいと思うんですけどね~」
そう言われて翔太郎はゾッとした。フィリップとは翔太郎の相棒をやっている17歳の男だ。いつも翔太郎の操作を心強くサポートしてくれる彼だが、好奇心が旺盛で1度何かに熱中し始めたらそれについてのすべてを知るまで他の事には目もくれず止まらないという厄介極まりない欠点を持っている。現に今日も彼は猫についての情報を無我夢中で収集している。おかげで翔太郎は猫探しを1人で行う羽目になったのだ。今ここに彼がいたらグラスがいくらあっても足りない状況になっているだろう。
「じゃあ初春、行こうか」
2人がドリンクバーに行こうと立つ。
「あ、そうだ。ついでに俺のスープバーのおかわりもらってきてくれ」
翔太郎はカップを差し出した。
「ハイハイ、わかりました」
そんな和やかな雰囲気の翔太郎たちのテーブルとは対照的に、向かい側のテーブルは重く神妙な空気が漂っていた。
座っているのは承太郎と仗助だ。
承太郎は自分と仗助のお冷を見て、
「どうやらこの水に奴は入っていない。飲んでも大丈夫だ」
と言って仗助にキンキンに冷えたお冷のグラスを渡した。
「まったく・・・いつまで続くんすかね。こんなの」
仗助はお冷を一気に飲み干した。まるで水に怒りでもぶつけるように。
「翔太郎さん。スープのおかわりもらってきましたよ」
隣のテーブルでは佐天と初春がまた新たなミックスジュースを持って帰ってきていた。
「おお、サンキュー」
翔太郎はおかわりのコンソメスープを受け取るとすぐさまそれを飲もうとした。
「ム!?」
承太郎はふと隣のテーブルへと目をやった。隣のテーブルの男、すなわち翔太郎が飲もうとしているスープに小さな人の頭のようなものが見えたのだ。
『ヒヒ!』
さらにその小さな頭が笑い声を発したようにも感じた。
「まさか!」
承太郎の体に力がみなぎる。
「オラァッ!!」
そして承太郎の右腕から承太郎自身のものとは別の、スタンドの屈強な右腕が出現し、翔太郎が持っていたスープのカップを床に向かって叩き落した。
しかしその右腕は承太郎自身と仗助以外には見えないもの。はたから見れば承太郎自身が叩き落としたようにも見えた。
「何すんだよ、あんた!」
翔太郎は承太郎に食って掛かる。
「すまない・・・仗助」
「ハイっす。承太郎さん」
地面に落ちて粉々に砕け散ったはずのスープのカップ。しかし仗助が承太郎に手渡したそれは傷ひとつついていなかった。
「スープのカップなら返す」
「え!? 何で壊れてないんだ・・・」
「ねえ初春、この人たちってさっきの」
「ええ・・・超能力者だったんでしょうかね」
そんな時、彼らの気づかないところで地面にこぼれたスープの中央が盛り上がって人の上半身のようになっていた。
『ヒヒヒ・・・まさかターゲットが同時に同じところにそろってやがるとはな・・・・・・ちょうどいい。こいつの力、試してやる』
謎の水の上半身はどこからかアクアのガイアメモリを取り出し、ガイアメモリを挿すために背中にいれられた生体コネクタに挿した。
―アクア!―
「な、なんだぁ!?」
突然、翔太郎たちの目の前に怪人、アクア・ドーパントが現れた。
「何でいきなりドーパントが・・・」
ドーパントとはガイアメモリによって人間が変身した怪人。
「佐天! 初春! 逃げろッ!!」
翔太郎は必死に叫ぶ。だが2人は突然の事態に放心状態になっているようで動けない。
『死ねッ!!』
アクア・ドーパントは口から槍のように鋭い水を高速で翔太郎に向けて発射した。
「オラァッ!!」
 
バシャアアアアアン
 
承太郎が翔太郎の前に立ちふさがり、その直後にアクア・ドーパントの放った水がなぜか弾け飛んだ。
『チッ! 承太郎・・・てめえ』
「やれやれ・・・やはりてめーか。アンジェロ」
「いったいなんなんすか。そのグレートに気持ち悪りー姿はよぉー」
アクア・ドーパントの前に承太郎と仗助の前に立ちふさがった。
「何なんだ・・・この2人は!?」
翔太郎はこの2人に異様なオーラを感じた。そのオーラの正体はまったくわからなかった。だがこの2人の様子からこの2人がアクア・ドーパントに対抗できる力を持っているであろうことはわかった。
「おい佐天! 初春! それから他の客も、逃げるぞ!!」
とりあえず翔太郎はこの場を2人に任せて避難を進めることにした。
そのおかげでレストランの中は承太郎と仗助、そしてアクア・ドーパントのみとなった。
「アンジェロ、その力・・・どうやって」
承太郎はアクア・ドーパントに問いかける。
『ヒヒ、ガイアメモリの力で俺は神にも等しくなったのさ』
「神だと? ガイアメモリとは何だ」
承太郎はこの街の人間ではない。学園都市はそのオーバーテクノロジーを外部に漏らさないように、周りを高さ5メートルの壁で囲まれており、外部から街に入るのにも特別な手続きが必要となっている。だからこの街の事情に承太郎は疎いのだ。
『俺にはスタンド、アクア・ネックレスとこのガイアメモリの力がある。スタンドしか能がないてめえらには絶対に負けねえぜ!』
「やれやれ・・・このままでは何を聞いても言葉のドッジボールで返されそうだな・・・」
「承太郎さん、ガイアメモリのうわさなら俺も聞いたことがあるっす。後で説明します」
『ヒヒ、後なんてねえよッ!!』
 
ドッゴォオオオオオンッ
 
「戦ってるな・・・」
レストランの外に避難した翔太郎が爆音を聞いてつぶやく。
「佐天、初春。あの2人を助けに行ってくる」
「え!? 翔太郎さん何言ってるんですか! 危険すぎます!!」
初春はダメだと言う。だが、
「大丈夫だ。必ず戻ってくる」
「そうよ、初春」
佐天も翔太郎に同調する。
そうこうしている内に翔太郎はレストランの中へ飛び込んでいった。
「あ! 翔太郎さん・・・」
初春はどうして、と思う。どうして生身の翔太郎さんがドーパントに立ち向かえるというのだろう。
「大丈夫。翔太郎さんなら・・・」
不安を宿す初春の眼とは対照的に、佐天の眼には自信にあふれた希望が宿っていた。
 
「ぐおおおッ!!」
『ヒヒヒ、やっぱりこの力・・・最高ぉだぜぇ・・・』
アクア・ドーパントの圧倒的パワーに承太郎たちは押されていた。その時、
「そこまでだ! ドーパント!!」
もはや戦場となっているレストラン内に翔太郎は侵入した。
『てめえは・・・翔太郎か?』
「馬鹿な・・・逃げろ!」
承太郎は翔太郎に呼びかける。だが翔太郎の耳にそんな忠告は聞こえない。
「行くぜ・・・フィリップ」
翔太郎は腹にダブルドライバーというバックルのようなものを当てた。直後、ダブルドライバーからベルトが伸び、翔太郎の腰を巻いた。
同じ頃、鳴海探偵事務所で留守番をしている翔太郎の相棒、フィリップにも同じ現象が起きていた。
『翔太郎、ドーパントだね。グッドタイミングだ。ちょうど猫に関するすべてを閲覧し終わった後だよ』
ダブルドライバーを装着した2人の心はすべてを越えて共有される。
「ああ、変身だ」
 
「初春、都市伝説の仮面ライダーの話・・・まだだったよね?」
「え?」
佐天はレストランの方を見ながら語る。
「私ね、知ったんだ。仮面ライダーの正体。だから翔太郎さんは大丈夫」
 
―サイクロン! ジョーカァーッ!―
ダブルドライバーの右側に緑色のサイクロンメモリが、左側に黒色のジョーカーメモリが挿し込まれる。
 
「だって翔太郎さんは・・・」
 
『変身!』W「変身!」
 
「この街を守る仮面ライダーだから!」
 
ゴォオオオオォオオオォォオオオオオォォォオオオッ
レストラン内に激しい風が吹き荒れる。同時に、翔太郎の体にフィリップの意識が宿り、その身を右半分が緑、左半分が黒の鎧が包んだ。
「お前は・・・何者だ?」
驚愕とともに承太郎はこの緑と黒の奇怪な姿の戦士に問う。
「俺は・・・」
『俺たちは・・・だろ』
翔太郎の中のフィリップの意思が注意する。
「ああ、そうだった。俺たちは・・・この街を守る、仮面ライダーダブルだ!!」
『なるほど・・・翔太郎を暗殺しろとは、仮面ライダーを殺せということだったのか・・・あの男。チクショウッ!! 仮面ライダーだと!? 気にいらねえ・・・いい気になりやがって・・・・・・ぶっ殺してやる!!』
アクア・ドーパントは踏み込んでダブルに殴りかかった。
『うしゃばあああッ!!』
『ハァッ!』
だがダブルはそれを風を纏った右足で蹴り返した。
「オラァッ!」
さらにダブルは左の拳をアクア・ドーパントに叩き込む。
『ぎぃやッ!!』
アクア・ドーパントはよろめいて後ずさる。
『てんめえ・・・いい気になるなあああッ!!』
そう叫んでアクア・ドーパントは自分の体を液状に変化させた。
「何!?」
『ヒヒヒ! バイオミック・アクア・レイドォッ!!』
アクア・ドーパントはまるで紐のようにダブルの体に巻きつき、思い切り締め上げた。
「うおおおおおおおおッ!!」
『ヒヒ! 鳴け、わめけ・・・それがてめえのレクイエムになるんだからよぉ』
ダブルの耳元でアクア・ドーパントがささやく。
『翔太郎、ここは・・・』
「ああ・・・わかってるぜ・・・・・・」
ダブルは力を振り絞り、赤いガイアメモリを取り出した。そしてそれをサイクロンのメモリと入れ替える。
―ヒート! ジョーカァーッ!―
「うおおおおおッ!」
ダブルの緑色だった右半身が赤色に変わる。そして体からとてつもない高熱を発した。
『何だとぉ!? うおおおおおッ!!』
 
ジュウウウウウ・・・・・・
 
液化したアクア・ドーパントの体がどんどん蒸発していく。
『これは・・・まずいッ!!』
たまらなくなったアクア・ドーパントは液化を解いて元の姿に戻った。
「もっと熱くいくぜ・・・!」
ダブルが今度は銀色のメモリを取り出し、ジョーカーのメモリと入れ替えた。
―ヒート! メタルゥッ!―
黒色の左半身が銀色に変わり、ダブルは赤と銀のカラーになった。
「ラァッ!!」
メタルのメモリの力で現れた銀色の鉄棒、メタルシャフトをヒートの高熱の力で強化し、ダブルはアクア・ドーパントに叩きつけた。
『プギャァアアアッ!!』
アクア・ドーパントはレストランの壁を突き抜けて外に吹っ飛んでいった。
「やべ! やりすぎたか・・・」
『そんなことより、奴に止めをさすんだ』
「ああ、わかってるよ」
アクア・ドーパントを追って外に出ようとするダブル。だがダブルは気づいていなかった。自分の背後に急速に水蒸気が集まって、アクア・ドーパントの分身が生まれようとしていることを。
「危ねえ! 仮面ライダー!!」
「仗助ッ!」
できかけの分身に気づいて仗助が突っ込んでいく。
「え!?」
仗助の叫びでダブルは振り向く。
「うおおおおおッ クレイジー・ダイヤモンドォッ!!」
その時、ダブルは見た。少年、仗助の背後から屈強な人の姿をした何かが現れて、できかけの分身を弾き飛ばしたのを。
「何だ・・・今の?」
「仮面ライダー! 早く・・・奴を・・・!!」
「・・・ああ!!」
仗助の叫びを受けてダブルはアクア・ドーパントが突き抜けた穴から外へ飛び出した。
『くうッ・・・仗助めぇ・・・余計な真似をおおおッ!!』
「よくもやってくれたな、野郎。姑息な真似使いやがって」
アクア・ドーパントとダブルが外で改めて向かい合う。
『翔太郎、さっさとメモリブレイクでけりをつけよう』
「ああ」
―サイクロン! ジョーカァーッ!―
ダブルはヒートメタルからサイクロンジョーカーにフォームチェンジする。
そしてダブルはジョーカーメモリを抜き取り、ベルトの右側にあるマキシマムスロットに挿し込む。
―ジョーカァーッ! マキシマムドライブ!―
周囲に風が吹き荒れダブルが空中に浮かんでゆく。
『てめえ・・・この野郎ぉッ!!』
『「ジョーカーエクストリームッ!!」』
 
シュゴオオオオオ・・・・・・ドガァアアアアアアアアンッ
 
風に乗ったダブルが体を右と左で真っ二つにして両足で蹴りをアクア・ドーパントに叩き込んだ。
爆炎の中、元の状態に戻ったダブルがアクア・ドーパントがいた方を見る。
「やったか?」
『いや・・・これは・・・』
そこには何もなかった。普通なら砕け散ったガイアメモリと変身者が横たわっているはずである。
『逃げられた・・・・・・』
 
――レストランから少し離れたところの物影。
「危なかったですね。次は頼みますよ」
そう言って霧彦はアンジェロにアクアのガイアメモリを返した。どうやらダブルの必殺技が命中する寸前にアクア・ドーパントからメモリを抜き取ってきたらしい。
「ああ・・・すまねえな・・・」
「いえ、アフターケアは当然のことですよ」
そう言うと霧彦は不気味なほど純粋な笑みを浮かべてみせた。
 
翔太郎はベルトをはずしダブルの変身を解いた。
「翔太郎さ~んッ」
佐天と初春がこちらに向かってくる。
「もうすぐ警察がいっぱい来ますよ。早くずらかりましょう」
「ああ、そうだな」
レストランに開いた穴から承太郎たちも出てくる。
「お前が・・・仮面ライダーか?」
承太郎は翔太郎を見て、そう問いかけた。
「風都の鳴海探偵事務所。そこに来てくれ。お互い話したいことだらけだ」
そう言って翔太郎と佐天、初春はその場から走り去っていった。
「仮面ライダー・・・ダブル・・・・・・奴はいったい・・・」
承太郎は走り去っていく翔太郎を見てつぶやいた。
 
「あのリーゼントの少年から出てきた・・・クレイジー・ダイヤモンドとか言ってたの・・・・・・あれは何だったんだ・・・?」
翔太郎は走りながら、後であの2人に聞くべき事項をまとめていた。
 
「ヒヒヒ・・・ブッ殺してやる・・・仗助も承太郎も・・・仮面ライダーも・・・ヒヒ、ヒヒヒヒヒヒヒヒッ!!」
狂気の快楽に落ち1人笑うアンジェロ。
 
こうして物語は謎とともに運命の歯車を回し始めたのであった。
その先に待つ運命は、まだ誰も知らない・・・・・・
 
 
次回予告
翔太郎「スタンド、ガイアメモリ。2つの武器を用いて襲い来るアンジェロ。それならこっちもスタンドと仮面ライダーのダブルパワーだ!! 行くぜ! 仗助、承太郎さん!!
次回、学園都市の日常・科学サイド『とあるWの仮面ライダー/この街を守るもの』
さあ、これで決まりだぜッ!!」
 
翔太郎「今日の最強ヒーローは『仮面ライダーダブル』
俺と相棒のフィリップの2人で変身する仮面ライダーだ。基本フォームでバランスの取れたサイクロンジョーカー、高熱とメタルシャフトのパワーで押すヒートメタルなどの9つのフォームを自由自在に切り替えて、どんな相手にでも有利に戦うことができる。風都の平和を乱す野郎は俺たちがぶっ倒すぜ!」 
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作者あとがき
by Joker 2012/02/04(Sat)15:31:44 Edit
使用BGM

※BGM1『鬼柳京介』(遊戯王5D'sより)
※BGM2『初春飾利』(とある科学の超電磁砲より)
※BGM3『ミステリーワールド』(仮面ライダーWより)
※BGM4『ルンルン風都』(仮面ライダーWより)
※BGM5『Cyclone Effect』(仮面ライダーWより)
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