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メンバー自己紹介
HN:
teamBDR
性別:
男性
職業:
高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
メンバーの紹介なんDA
[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!
[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。
[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。
[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!
[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。
[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
メンバーの紹介なんDA
[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!
[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。
[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。
[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!
[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。
[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
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第17話「Gよ騙されるな/新たなる始まり」
作者 Joker
作者 Joker
学園都市のとある高層ビルの集会場。そこでミュージアムの重役数百名を集めた決起集会が開かれていた。ステージの上にミュージアム首領、園崎琉兵衛が立つ。
「諸君、今日君たちに集まってもらったのは、今一度私の口からミュージアムの理想を語るためだ。一部の部外者は我々の目的をガイアメモリ販売による利益だと罵っているがそれは違う。我々の目的はガイアメモリによって人類をより高い次元に進化させることにある。今この世界は醜い。常に争いと悲しみが絶えない。能力の差で虐げられている者たち、いわゆる社会的弱者は世界中のどこにでもいる。何故このようなことが起こるのか? それは力の差があるからだ。力の差が強者と弱者を生み、虐げる者と虐げられる者を作り出す。我々ミュージアムはその溝を埋めなければならない。それを可能にするのがガイアメモリなのだ。ミュージアムはまずこの学園都市という小さな世界から変えていく」
琉兵衛は演説を続ける。だがそんな琉兵衛の首をステージの影から狙っている者がいた。
カブト・ライダーフォームに変身した天道総司だ。彼は誰にも気付かれないようにクロックアップで会場に侵入し、警備員を気絶させステージのカーテンの裏に隠れた。そして今、カブトクナイガン・ガンモードの照準を琉兵衛の頭に合わせている。
天道は考えた。争いを生むのは園崎琉兵衛だ。生かしておくわけにはいかない。
カブトは呼吸を整え、ゆっくりと引き金を引こうとする。その時、
「それから最近、ミュージアムに敵対する者が増えつつある。始末は自由にしてくれてかまわないが、我々の目指すものは『個人の完璧な力』だ。集団で1人を襲うような情けない真似はしないように。それから・・・」
琉兵衛はカブトの目をにらみつけて、
「闇討ちなど、相手が戦えない状態で一方的に痛めつけるような卑怯な手段は控えるように」
気付かれた。だがカブトはひるまずに引き金を引こうとする。だが指が硬直していて引くことができない。
「何故だ!? 俺は奴を殺すためにここに来たはずだ。怯えるはずなど・・・」
「それは・・・君と私の間の力の溝が深すぎるからだよ」
カブトはハッとして前を向く。いつの間にか目の前に琉兵衛が立っている。
「馬鹿な・・・この一瞬で」
そう思った時、カブトは腹を貫かれたような痛みに襲われた。自分の腹から血が噴水のように噴き出している。
「な・・・う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
ただ恐怖。痛みも、殺されるかもしれないという考えも、まったく無かった。カブトは琉兵衛に得体の知れない絶大な恐怖しか感じなかった。
「ム! 侵入者か!?」
カブトの叫びで会場にいた者たちが気づいた。そしてカブトはハッと我に返る。腹に触るが傷などどこにもない。血も噴いていない。さらに琉兵衛は演説台の場所からまったく動いていない。すべては自身の恐怖が見せた幻想だったのだ。
「いたぞ! 捕まえろ!」
カブトを捕らえようとミュージアムの者たちが駆け寄ってくる。
「くッ・・・! クロックアップ」
―Clock Up(クロックアップ)―
琉兵衛の暗殺に失敗した。カブトは屈辱的な気持ちでその場を去った。
「逃げたぞ! 追え!!」
「いや、追わなくて結構」
琉兵衛がざわつくメンバーを静め、
「ミュージアム四天王、前へ」
そういうと重役たちの中から2名がステージに上がって琉兵衛の前に立った。1人は冴子、もう1人は利根川 幸雄(とねがわ ゆきお)という中年の男性だ。
「やはり井坂君と黒岩君は来ていないか・・・まあいい。これから君たち四天王にはミュージアムに敵対する者たちの排除に努めてもらう」
その言葉を聞き、利根川は一歩前に出て、
「必ずや奴らを追い詰めてみせます」
利根川は一礼してから背を向けてステージを去っていく。冴子も同じように一礼してステージを去る。琉兵衛は不敵な笑みを浮かべながら思う。シュラウド、我が妻文音よ・・・戦おうと。
「レベルアッパー使用者は全員回復、能力レベルも破壊衝動も元に戻り、レベルアッパーの回収も済み、街の復興も順調。まあ一段落ついたという感じですわね」
黒子と仗助、億泰の3人は机を囲んで注文した茶を待ちながら話をしていた。
「でも大変なのはこれからっすよ。シュラウドが表立って行動を始めた以上、ミュージアムも黙っていないだろうっすからねえ・・・」
心配する仗助に億泰は、
「まあ大丈夫だろう。俺たちが力を合わせればミュージアムに負けることはねーだろうぜ」
そう言って場を和まそうとしたが仗助も黒子も視線が下を向いている。億泰はなんとかこの空気を打破しようと適当な話題を振ることにした。
「そういえばよお、俺の家っていったいいくらしたと思うよ?」
「あ? お前の家って・・・お前が必死に働いて買ったっていうあのボロボロの3階建ての家だろ?」
仗助は億泰の家をボロボロと言ったがそれは見た目の話で、内装はかなりきれいだ。リビングのシャンデリアや高級そうな家具など昔どんな金持ちが住んでいたんだろうと思わされる。ところどころに億泰の兄、京兆が遺した意味不明の改造もあるが、それは億泰が買った後のことだ。とにかく億泰の家は安くはなかったはずだ。仗助は少し考えて、
「500万円くらいか?」
「いや、違うんだなこれが」
「じゃあ100万円」
今度は黒子が答えた。だが億泰は首を横に振り、
「実はあの家なあ、10万円で買えたんだよ」
「はあ!?」
仗助も黒子もわけがわからなかった。たとえ中古でボロボロでもそんな値段で買える一軒家があってたまるか。
「どういうことなんですの?」
「実はよぉ、俺にもよくわかんねえんだ。でも住み始めてからなんとなく理由がわかりだしたぜ。あれはいわくつき物件だったんだ」
いわくつき物件・・・つまりあの家で昔何か凄惨な事件が起こったりしたということだろうか?
「別に昔あの家で事件があったわけじゃないみてえなんだけどよお、不思議なことが起こるんだよなあ」
不思議なこと? と仗助と黒子は聞き返す。億泰は話を続け、
「夜中にテレビ見てるとたまーに聞こえてくるんだよ。地面の底から電動ドライバーとか工具の音がよお。それから冷蔵庫を見たら買ったはずの食材がなくなっていることがたびたびあるんだ。極めつけは電気料金だ。あきらかに俺意外の誰かがこの家で生活しているとしか思えないほどの電気料金が加算され、しかもその分の電気料金が毎月リビングの机の上に置かれているんだ!!」
いわくつき物件と聞いたときから何か恐ろしい話が来るのではと覚悟はしていた。だが億泰の話を聞いているとこう言う他に感想がない。
「それ絶対に誰かがお前の家に勝手に同居しているだろう」
「いや、俺も探したんだぜ。でもそんな奴全然みつかんねえんだよ・・・」
「ふ~ん・・・不思議な話ですわね」
億泰の家の謎は残ったが、3人はいつもの調子に戻っていた。その時、
「コーヒー3つとジャンボバナナパフェだ。ゆっくり味わってくれ」
そう言って翔太郎がトレイに載ったそれらを仗助たちの机に置く。
ここは鳴海探偵事務所の下の階を改装して造った喫茶店『W(ダブル)』。翔太郎たちはついに探偵の仕事だけでは食っていけなくなり、翔太郎が趣味の物置に使っていた1階を利用して喫茶店をオープンしたのだ。
「昼は喫茶店、夜はバーをやるんだ」
「へー・・・なかなかおしゃれですわね」
黒子は広い店内を見渡す。カウンターの奥には厨房が見え、店の奥には翔太郎が趣味で置いているビリヤード台やダーツの的などがある。デュエルやカブトボーグができそうな広さのステージまで完備されている。
「翔太郎さん! このパフェめちゃくちゃ美味いぜ!!」
仗助と億泰はものすごい勢いでジャンボバナナパフェに食らいついている。
「このコーヒー・・・とてもおいしいですわ」
黒子もコーヒーを絶賛する。翔太郎は頭を掻きながら、
「サティスファクション時代でこういうのは慣れてんだ。まあありがとよ」
「繁盛することを祈っていますわ」
「ああ・・・だけどなあ、足りないんだよな・・・従業員が」
翔太郎とフィリップ、たった2人では店を切り盛りしていくのは不可能だ。
「また求人をやっておかないとな」
そう言っている内に新しい客が入ってくる。翔太郎はいらっしゃませと言って注文を取りにいく。
その時、黒子のケータイが鳴った。黒子は電話に出る。
「もしもし?」
『もしもし、黒子ちゃん?』
「その声は・・・虎太郎(こたろう)!?」
誰だろう? と思い仗助と億泰はジャンボバナナパフェを食べながら黒子の方を見る。
『ああ、久しぶりだね。黒子ちゃんが学園都市に移り住んでもう6年かな。相変わらずジャッジメントの仕事は忙しいの?』
「ええ、虎太郎の方は?」
『こっちは3年前に出した本が大当たりでさ。学園都市(そっち)じゃ出てないから知らないだろうけどね。ところで今日は黒子ちゃんに頼みがあってさ』
「何ですの?」
『実はつい最近、僕の知り合いが学園都市に行ったんだけどさ、学園都市の事情にあんまり詳しくないから困ってるそうなんだ。だから黒子ちゃんが助けてあげてよ』
「別にいいですけれども・・・いったいどんな人ですの?」
虎太郎はう~ん・・・と少し考えて、
『橘 朔也(たちばな さくや)。28歳男性。写真は後で送るし、橘さんにもこっちから連絡するから後で言う集合場所に行って。あ・・・それから黒子ちゃんはジャッジメントだし知っておいたほうが良いかもしれないなあ・・・・・・』
「何を?」
『実は彼・・・橘さんは世界の平和を守る仮面ライダーなんだ』
「なんですって・・・!?」
天道は沈んだ気持ちで夕飯の買出しに出かけていた。虚ろな視線で適当に食材を手に取りかごの中に放り込んでいく。
「何故だ・・・何故あの時俺は恐怖した・・・・・・」
天道はあれからずっと自問自答を繰り返していた。だがどう考えても自分の答えは浮かばない。浮かぶのは琉兵衛が言った『力の溝』だけだ。
「もっと強くならなければならない・・・もっと・・・」
天道はレジに並び、会計を済ませ袋に食材を詰めスーパーを出ようとした。その時、背後から走ってきた男に天道は軽くぶつかられた。男は謝りもせずにそのまま走り去っていく。
「なんなんだ・・・今の奴は・・・」
無礼な奴。機嫌が悪い天道はさらにイラッとした。早く家に帰ろうと早歩きで歩いていると、
「待ちなさぁ~~~い!!」
と言うおばちゃんの声が聞こえてきた。だが天道は無関係なものとして早歩きを続ける。だがしばらくして天道は何者かに背後から強烈なタックルをくらわされた。
「うっ・・・!」
天道は前のめりに地面に倒れた。スーパーの袋から買ったものが散乱する。
「捕まえましたよ、店長!」
天道にタックルをくらわした若者が叫ぶ。そして店長と呼ばれたおばちゃんが近寄ってきて、
「あなた! 何やってるの!? 万引きよぉ!!」
と天道に向かって怒鳴った。だが万引きなど天道にはまったく覚えがない。
「言い掛かりはよせ。俺はそんなことはしない」
「じゃあこれはなんなんだ?」
若者は天道のベルトとズボンの間に挟んである小さなビンを2本取り上げる。オロメミンCという炭酸飲料だ。
「馬鹿な・・・俺はやっていない」
「言い訳はやめろ。すでに警察は呼んである」
パトカーの音がこちらに近づいてくる。天道はわけがわからなかった。
常盤台地区・イタリア街
「何かな? 話というのは」
御坂は噴水広場に矢車を呼び出していた。
「矢車さん・・・ドレイクゼクターを私にください」
御坂は知っていた。自分の能力でZECT(ゼクト)のパソコンにハッキングをかけてZECTが一番最初に作り出したマスクドライダーシステム・ドレイクの存在をつきとめたのだ。
「私どうしても強くなりたいんです! お願いします!!」
バード・ドーパントや木山との戦いを通じて御坂は力不足を痛感していた。このままでは自分はただの弱い人間になってしまう。御坂は矢車に懇願するが、
「すまない・・・それはできない」
「どうして!?」
「以前、ドレイクゼクターを奪ったワームがいた。そいつは俺との戦いに負けたが、死に際にドレイクゼクターを道連れに爆発した。だからドレイクゼクターはもう存在しないんだ」
「そんなぁ・・・・・・」
御坂は落胆する。矢車は何と声をかけるべきか考えていた。その時、
「ム! 誰かがこちらに向かって歩いてくる!?」
「え?」
矢車の超能力、視界盗用(サイレントジャック)レベル4は半径30メートル内の他人の視覚と聴覚を共有できるという能力だ。それで矢車はこちらに向かって歩いてくる誰かの視界を感知した。やがて矢車の目の前にその視界の持ち主が現れた。
「矢車想だな? 殺人の容疑で逮捕する」
「なん・・・だと!?」
視界の持ち主の正体は警察だった。
「まさか・・・同僚にわっぱかける日が来るとは、思ってなかったぜ」
照井の腕に手錠がかけられる。
「待て! これは誤解だ!!」
照井はガイアメモリ所持罪の罪に問われ、そして逮捕されたのだった。
「痛てッ! コラ! もっと丁寧に扱えよ!!」
「黙れ! ここでおとなしくしてろよ」
また1人牢屋に入れられた。先に牢屋に入れられていた照井は話しかける。
「おい・・・その声は左か?」
「あ? ・・・まさか照井、お前もか!?」
翔太郎もまたガイアメモリ所持罪で捕まっていた。
「ああ、それに天道と矢車というやつも捕まっている」
4人とも別々の牢屋に閉じ込められている。翔太郎は声を張り上げて会話をする。
「皆ライダーじゃねえか・・・どういうことだ!?」
天道は鉄格子に近づき、
「俺は万引きの容疑で捕まった。だが俺はそんなことはしていない。おそらく俺にぶつかったあいつが俺をはめたんだ・・・」
矢車は、
「俺は殺人の容疑だ。だが話を聞くと俺が殺害したというやつというのはワームに擬態され殺されたやつだった。俺はそのワームは倒したが、誰かが擬態元の人間を殺したと言い掛かりを突きつけてきたんだ」
照井は、
「俺はガイアメモリ所持罪だ」
「お前もガイアメモリ所持罪か?」
翔太郎は聞き返した。
「ああ、俺たちが変身に使うガイアメモリが罪に問われたんだ。おそらく誰かが警察に密告したんだろうが・・・この状況、何者かが俺たちを封じ込めようとして警察に逮捕させたとしか思えん」
他の3人も照井の考えが正解だと思う。
「そしてその何者かというのは確実にミュージアムの者だろう。こんなことで得をするのは奴らしかいない」
「おい待て、ミュージアムというのは何だ?」
矢車が聞いてくる。その質問に天道が答える。
「この街を裏から操っている連中だ。ガイアメモリの販売をやっている。それからワームを束ねているのは奴らだ」
「なんだと!? それは本当か?」
だとしたら矢車は許せない。自分はミュージアムの罠にはめられてしまったのだ。照井はさらに言う。
「おそらくミュージアムは俺たちをここに閉じ込めている間に何かをするつもりなんだろう。何かが何なのかはわからないが・・・」
そういえば、と翔太郎は思い出した。1人だけまだ捕まっていない仮面ライダーがいる。仮面ライダーイクサ、白井黒子だ。
橘という男に会うため黒子たち3人は集合場所に指定された風都タワーに向かっていた。
「なあ黒子、さっきの虎太郎ってのは誰なんすか?」
仗助が聞く。
「私の義兄(あに)ですわ。彼の両親が亡くなった時に親戚だったうちに引き取られたんですの。6年前に私の両親も亡くなって、それから私は学園都市に移り住み、虎太郎はそのまま学園都市の外で暮らしているんですの」
学園都市で1人暮らしをする学生には援助金が出される。黒子はそれを目当てに学園都市に移住したのだ。
そうこうしている間に風都タワーに着いた。黒子は虎太郎から送られてきたメールに添付されていた画像を開く。橘朔也の顔を確認し、辺りを見回す。
いた。黒い半袖のシャツの男に黒子たちは近づく。
「あなたですね、橘さん」
男は振り向き、
「ああ、君たちが・・・俺の名は橘、よろしく」
橘は右手を差し出す。黒子も右手を出して握手を交わした。
橘は学園都市の外からバイクを持ってこようとしていた。だが自分と一緒にゲートをくぐることはできなかったので輸送してもらうことにしたのだが、運ばれた場所がどこにあるのかわからなかったのだ。
「第23集積所にあるとは聞いているんだがな・・・」
「名前がわかっているなら早いですわ。早速向かいましょう」
黒子たちは第23集積場に向かって歩く。
「橘さんは仮面ライダーなんですよね?」
歩きながら仗助は聞いた。
「ああ、BOARD(ボード)という組織が作ったマスクドライダーシステム・ギャレンに変身する」
「どうして仮面ライダーになったんですか?」
この3人はジャッジメントだ。この先色々世話になるだろうと考え橘は話を始めた。
「そうだな・・・その前にまずBOARDについて話そうか。BOARDというのは『ヒトが地球を制した背景には、進化論では説明できない理由が存在する』という仮定に立って、その理由を究明するための機関だった。研究の末にBOARDは1万年前に行われたという『バトルファイト』の存在に辿り着いた。バトルファイトとは53体の不死の生命体『アンデッド』が自らの種の繁栄をかけて行われた戦いだ。最後に勝ち残った1体のアンデッドの種の繁栄が約束されたという。1万年前の戦いではヒトの始祖であるヒューマンアンデッドが優勝し、今日の人間の繁栄に繋がっている」
橘が話したことは一見胡散臭い話に思えるが、ここは学園都市。どんなに胡散臭い話でも科学的に証明されていればそれは真実だ。たとえば人面犬が今この瞬間に自分の目の前を通り過ぎていってもそれが遺伝子操作の実験の結果だと言えば驚く者は誰もいなくなる。学園都市というのはそういうところなのだ。
橘は研究の末にと言ったし、仮面ライダーも絡んでいるとなれば信憑性はかなり高い。
「しかしわかりませんわ。どうしてそのバトルファイトやアンデッドの研究に仮面ライダーが必要になったのか」
「ある時、BOARDの研究員の1人がアンデッドの封印を解いてしまったんだ」
「封印?」
橘は懐からトランプのようなカードを1枚取り出した。ダイヤのエース、クワガタの絵が描かれている。
「アンデッドは不死の生命体だ。殺すことはできない。だからバトルファイトにおいて倒されたアンデッドはカードに封印されていた。だが天王路(てんのうじ)という男が万能の力を手に入れるために現代でバトルファイトを再開させようと研究員の1人を利用してアンデッドの封印を解かせた。その結果、解放されたアンデッドたちは現代で暴れ回った。そしてアンデッドを再び封印するため学園都市の科学者、園崎文音のマスクドライダーシステムの技術を応用した新たなるライダーシステム、ギャレンとブレイドが作られた」
園崎文音、その名は黒子たちも翔太郎から聞いている。ミュージアム首領の妻であり、フィリップの母親である女の名だ。
「俺たちは戦いの果てに天王路の野望を阻止し、アンデッド封印の使命を完了させた。だが問題は残っていた。天王路に利用された研究員が創り出した『トライアルシリーズ』と呼ばれる生命体の行方がわからなくなった。トライアルは全部で26体、トライアルAからトライアルZまでが存在する。その内の5体、BとDからGまでは倒したがそれ以外の21体は生き残った。俺は仲間と共にその所在を探り続け、そしてついに残りのトライアルシリーズがすべてこの学園都市に搬入され、ある組織に渡ったという事実を突き止めた」
黒子たちはまさかと思う。ある組織というのはもしや・・・
「組織の名はミュージアム。俺はすべてのトライアルを破壊するためにここに来た」
やはりミュージアムだった。いったいミュージアムの根はどこまで伸びているというのか。
「私たちジャッジメントの使命はこの街で超常犯罪を起こす者を取り締まること。ミュージアムはガイアメモリ販売などで超常犯罪の増加に加担している組織。つまり私たちにとって共通の敵ですの。これから一緒に戦っていきましょう、橘さん」
黒子がそう言うと橘は力強くああ、と言って返した。
4人は第23集積場に向かって歩き続ける。しばらくすると前方からフラフラと挙動不審に歩く男が見えた。もうすぐ夏だというのにぶ厚いジャンバーを着込み、マスクやサングラス、帽子で徹底的に顔を隠している。とんでもなく怪しい。
「花粉症・・・ですかね?」
仗助が言った。この時期に花粉症とは珍しい。いや、仮に花粉症だとしてもあの格好は度が過ぎている。
やがて男は4人のすぐ先まで迫ってきた。両手をジャンバーのポケットに突っ込んでフラフラとこちらに向かってくる。4人は男を避けるように道の端に寄る。そして男とすれ違おうとした時、
「あ!」
男は足をもつれさせて黒子にぶつかって倒れた。
「もう・・・何なんですの・・・!?」
その時、黒子は違和感を感じた。この男とぶつかる前、自分は右手に何も持っていなかった。だが今は何かを持っている感触がある。黒子は握った自分の右手を見る。ナイフだ。しかも血で濡れた。
「ど・・・どうなってるんすか!? 黒子・・・・・・」
仗助たち他の3人もこの異状に気がついた。橘は倒れたまま動かないでいる男を仰向けにして見る。男の腹は血の赤で染まっていた。
「ひ・・・人殺しッ!! ヒイィィィィィィィィィッ!!」
ヘッドホンをつけアニメ雑誌を持った学生がこちらを見て叫び、走り去って行った。よく見ると携帯電話をヘッドホンと耳の間に挟み、通話しながら走っている。
「まずいぜ・・・! あの学生たぶん警察に通報してやがる・・・勘違いされちまった!!」
億泰は脂汗が止まらない。黒子はナイフなど持ち歩いてはいない。誰のせいかはわからないがこちらが加害者でないことはたしかだ。だがこの状況、警察が来ればかなりまずい。確実に黒子はしょっ引かれてしまうだろう。
「とにかく救急車を呼びましょう・・・この男が手遅れにならないうちに」
黒子は冷静になるように努める。今しなくてはならないことは自分の身を守ることでも、この場から逃げることでもない。血を流して倒れているこの男の命を救うことだ。
「何言ってんすか!? この男は黒子をはめようとしたのかもしれないんすよ? ミュージアムの手先かもしれない! 救急車なんて呼んだら逃げ場は完全になくなっちまうっすよ!」
「それでも、ただの事故かもしれないですわ。警察だってきちんと説明すればわかってくれるはず・・・」
黒子は携帯電話を手に取る。そして静かに119を打とうとした時、
「いや、その必要はないな」
先程からずっと倒れた男のそばで何かを確かめていた橘が立ち上がって番号を打とうとする黒子の左手を制した。そして橘は黒子と他の2人に男から少し離れるように言った。
「橘さん・・・いったい?」
疑問に思う3人を自分の後ろに下げ、橘は倒れている男をにらみ、
「そろそろ起きろ。お前の正体はわかっている」
橘が確かめていたのは男の左手の甲だった。男は左手にだけ手袋をしていた。不審に思った橘が手袋を外すと、男の左手の甲には『A』というトライアルシリーズの特徴である痣のような英文字の紋章が刻まれていたのだ。
やがて男は橘の言葉を聞いて静かに立ち上がった。そして厚いコートを脱ぎ捨て、サングラスやマスク、帽子を投げ捨てた。男の骨のように白い髪とほおずきのように赤い瞳が露になる。
「てめえ・・・ナニモンだァ?」
男、改めトライアルAは血走った目で橘をにらみつける。
「俺はお前を倒す」
橘はダイヤのA『スタッグビートルアンデッド』が封印されたラウズカードをギャレンバックルにセットする。
「ナンだァ!? 作戦の邪魔しやがってよォ・・・もういい、殺す」
トライアルAは鋭く尖った犬歯を見せ、ニヤリと笑う。そしてトライアルAは本来の怪人の姿に変わった。黒と白の囚人服のようなカラーリングの体に人間体の時の白髪を腰まで伸ばした長髪、真っ黒いドクロのような顔をしている。
「今までに見たことのないタイプの怪人っすね・・・」
「まさか・・・これが橘さんが言っていた・・・?」
「ああ、そうだ。こいつがトライアルだ」
橘はギャレンバックルを腰に装着する。
「変身!」
橘はギャレンバックルのレバーを引く。
―Turn Up(ターンアップ)―
すると橘の前方にクワガタの紋章が描かれた板状の光が現れた。橘は走ってそれを通り抜ける。そして橘は赤と銀のクワガタを模したライダー、仮面ライダーギャレンへの変身を完了した。
ギャレンは銃型の武器、ギャレンラウザーをホルスターから抜きトライアルAに向けて3回引き金を引いた。
「けッ!」
だが銃弾は3発ともトライアルAに当たる直前で何故か来た道をそのまま戻ってきてギャレンを直撃した。
「ぐあああッ!!」
「オレの体には学園都市最強の超能力者、一方通行(アクセラレーター)の遺伝子が埋め込まれている。それによって俺は奴と同じ方向(ベクトル)操作の能力が扱えるンだよ」
トライアルAは得意気に説明した。つまりギャレンが放った銃弾がギャレンに向かって戻っていったのはトライアルAが銃弾の運動の方向を操ったためということだ。そしてこの能力がトライアルAにある限り、あらゆる攻撃がトライアルAに当たることはない。
「このような能力は元はなかったはずだ・・・ミュージアムに改造されたか!?」
トライアルAは何も言わないが橘の推測は間違っていないはずだ。トライアルAを改造することで得をするのはトライアルシリーズを所有しているミュージアム以外にないからだ。
「橘さん! 俺たちも協力するっす!」
仗助たちもトライアルAと戦おうとする。だが、
「よせッ! 君たちの力ではこいつは倒せない!!」
「どういうことですの!?」
「トライアルは不死身だ。何度倒しても時間が経てば復活してしまう。すべての細胞を一瞬で消滅させなければならない」
「橘さんならできるのかよ!?」
ギャレンは縦にうなずく。
「俺の最強技なら可能だ。だが奴が方向を操る能力を持っている以上、それを当てることはできない」
トライアルAは自分の足の運動の方向を操り高速移動でギャレンに接近する。
「うらァッ!!」
そしてギャレンに向けて拳を繰り出す。能力でギャレンの方向にかかる力を強化してある拳だ。
だがギャレンはその拳を当たる直前で見切ってかわした。
「てめェ・・・避けてんじゃねェッ!!」
トライアルAは何度もギャレンにパンチを繰り出す。だがギャレンはそれらすべてを当たる直前で避ける。
「畜生がァッ!!」
トライアルAはいらついた右足で地面を思い切り踏みつける。アスファルトの地面は粉々に砕け、砕けた破片は能力でギャレンに向かって飛んでいく。
ギャレンは後ろに飛び退きながら破片をギャレンラウザーですべて撃ち落とした。
「何故だッ! 何故当たらねえンだッ!!」
「お前の攻撃は一直線だ。ぎりぎりまで引き付ければ簡単に見切れる!」
お互いに攻撃を当てることができない。だがギャレンの方が体力に依存した戦法である以上、長期戦になれば不利だ。
「突破口を開かなければ・・・負けますわ」
黒子はなんとかできないものかと考える。その時、黒子はトライアルAに握らされた右手のナイフを見て思いついた。
「橘さん! 最強技を出す準備を!」
黒子はギャレンに向かって叫ぶ。
「あァ!? てめえそんなもン当たると思ってンのかァ? 調子乗ったこと言ってっとてめえから」
その時、トライアルAの視界が真っ暗になった。
「ムッ・・・ころ・・・!?」
酷い立ちくらみに襲われ立つこともできなくなり地面に倒れ伏せる。
「あなたの頭蓋骨の内部に直接ナイフをテレポートで送りましたわ。超能力を制御するのは脳。脳を破壊すればあなたは能力を発動できない。そして私のテレポートに運動の向きというものは存在しませんの」
「よし!」
ギャレンは左腕に装着されたラウズアブゾーバーにダイヤスートのカテゴリーQ(クイーン)『アブソーブサーペント』のカードをセットする。
―アブソーブクイーン―
そしてギャレンはダイヤスートのカテゴリーK(キング)『エボリョーションギラファ』のカードをスラッシュして読み込ませる。
―エボリューションキング―
ギャレンの体が黄金の光に包まれ、アーマーが重厚な金の鎧に変化する。ギャレン・キングフォームだ。キングフォームの力でギャレンラウザーがライフルのように変化する。
―バレット・ラピッド・ファイア・スコープ・ジェミニ―
ギャレンはダイヤスートの2・4・6・8・9の5枚のカードを右手のギャレンラウザーにラウズ(読み込み)させる。必殺技を発動するためにカードに封印されたアンデッドの力を解放するのだ。
―バーニングアウト―
「ふんッ!」
ギャレンは真上に高くジャンプする。
「うゥ・・・あァァッ!!」
トライアルAはよろよろと立ち上がろうとするが手も足も思い通りに動いてくれない。
ジャンプの最高点に近づくにつれてギャレンは自身の分身を2人、4人、8人・・・と倍づつ増やしていく。そして最高点に達した時、ギャレンの分身は100体を超えていた。ギャレンたちは一斉にギャレンラウザーを構える。そして全員同時に引き金を引いた。
「ギガアァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!」
高速で放たれた無数の炎の弾丸はすべてトライアルAを正確に撃ちぬいた。蜂の巣となったトライアルAは爆発し、灰となって消滅した。ギャレンの分身は全員消えて、本物のギャレンだけが残り地面に着地する。
「すごい・・・」
黒子たち3人は尊敬の眼差しでギャレンを見ていた。
同じ頃、学園都市のとある辺境の山奥
「この力は・・・橘さん!?」
男はギャレンのキングフォームの力の波動を強く感じていた。
「橘さん・・・何故ここにいるんだ・・・」
男の名は剣崎 一真(けんざき かずま)。またの名を、仮面ライダーブレイド。
次回予告
億泰「橘さんはすげーぜ! 強いし頼りになる」
仗助「ああ、俺たちも強くなりたいっすよ」
橘「よし、なら特訓だ。まずはバッティングセンターに行くぞ」
黒子「それにしても・・・トライアルAの目的はいったい何だったんでしょう?」
翔太郎「誰でもいいから・・・早く俺たちをここから出してくれ~~~!!」
橘「次回、学園都市の日常・科学サイド『Gよ騙されるな/悪のライダーたち』
これで決まりだ!」
翔太郎「今日の最強ヒーローは『仮面ライダーギャレン・キングフォーム』
ギャレンがダイヤの最強アンデッド、ギラファアンデッドの力と融合した姿だ。全身を包む鎧は強固なものとなってどんな攻撃もよせつけねえ。必殺技はライフル型のギャレンラウザーをジェミニのカードの力で作り出した分身たちと共に撃つバーニングアウトだ」
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