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teamBDR
性別:
男性
職業:
高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
メンバーの紹介なんDA
[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!
[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。
[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。
[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!
[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。
[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
メンバーの紹介なんDA
[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!
[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。
[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。
[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!
[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。
[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
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第22話「Iが裁く/マミの首がすっ飛んだ!」
作者 Joker
作者 Joker
矢車は茫然自失とした様子で街をさ迷い歩いていた。
『今日で君はZECTをクビになった。今までご苦労。退職金は欲しいだけやるからZECTについては他言無用で頼む。まあ口外した場合は死を覚悟してくれ』
数日前、矢車は三島にそう言われた。度重なる任務失敗、そしてザビーゼクターを奪われたことによりついに矢車は無職となってしまった。
今年で矢車は27歳。ただでさえ就職難のこのご時世だ。再就職は難しい。
だがそれ以上に矢車は信条としていた完全調和(パーフェクトハーモニー)を実行できる理想の職を失ったことに絶望していた。
矢車はもう何日も家に帰らずに街を放浪していた。
矢車は虚ろな目でフラフラと横断歩道を渡ろうとする。信号は赤だが矢車は気付いていない。
「危ない!」
突然矢車は誰かに腕をつかまれ後ろに引き戻された。
その直後、矢車の目の前を猛スピードで走る大型トラックがかすめていった。矢車はハッとして自分の腕をつかんでいる人を見る。金髪のカールしたツインテールの中学生くらいの少女がそこにいた。
「大丈夫そうですね。よかったぁ・・・」
少女はニッコリと笑顔で矢車に微笑んだ。
「ありがとう。君は命の恩人だ・・・名前は?」
「巴(ともえ) マミです」
矢車は茫然自失とした状態からいつもの真面目で誠実な矢車に戻った。この少女に何かお礼をしなければと矢車は思う。
「何かお礼をさせてくれないか。食事でも何でもいい」
そう言われてマミは少し考え、
「じゃあ私の家でお茶でも飲んでいってください」
「え? でもそれじゃあお礼にならないんじゃ・・・」
困惑する矢車にマミは笑顔で言う。
「ちょうど話し相手が欲しかったんです。ケーキもありますから、ね?」
それが望みであるのならば喜んで、と矢車はマミの願いを承諾した。
仗助と億泰は唖然とした。
ジャッジメント本部ビルは跡形もなく塵となっていて、大量の死体が山のように積み重なっていた。上の階から落下してきた人が多かったらしく、それに押しつぶされた人もいて、原形を留めていないぐちゃぐちゃの死体がほとんどだった。
「おい・・・仗助、あれ」
億泰は少し離れた所に花が落ちているのを発見した。仗助はそれを拾ってみる。
「これは・・・まさか初春の!?」
仗助は思い出す。この花は初春がいつもつけていた髪飾りだ。
「ああ、俺もそう思ったんだ」
億泰はそう言って悲しい顔をした。
「初春ちゃんは・・・会議に出てたんだ。もしかしたらあのぐちゃぐちゃの死体の中に・・・」
それ以上億泰は何も言わなかった。仗助もその先の言葉を考えたくなかった。
そんな時だった。
「君たちか。東方仗助、虹村億泰」
1人の若い男がこちらに近寄ってきた。
「誰っすか? あんたは」
仗助は聞く。
「俺は名護啓介。アンチスキルのイクサ開発プロジェクトの主任だ」
「てことは・・・あんたがイクサを作ったのか?」
億泰の質問に名護はそうだと答え、
「君たちに話があるんだが、聞いてもらえるか?」
仗助と億泰は名護の顔を見る。2人に話を聞く気があることを確認すると名護は話し始めた。
「先日、白井黒子が何者かによって殺害された。おそらく草加雅人という人物だろうという話は君たちの証言からだったな。そして・・・見ての通りジャッジメントは現在壊滅状態だ。今日開かれていた会議に参加していた全ての大隊長の死亡が確認されている。他に会議に参加していたメンバーもほぼ全滅だ。つまり、組織の脳であった彼らを失ったジャッジメントという組織は死んだと言っていい」
「じゃあ俺たち・・・これからどう動けばいいんだよ」
億泰がうつむいてそう呟くと名護は、
「安心しなさい。君たちにはこれから俺が作る部隊に入ってもらう」
「新しい部隊?」
「そうだ。君たちには新部隊《鷹》を名乗ってもらう。今回の事件を受けてアンチスキルがジャッジメントを再編するだろうが、君たちを俺の部隊に入れることは白井黒子の死の直後にすでに決定してあった」
「はぁ・・・そうっすか」
仗助と億泰は困惑していた。色々な事がいっぺんに起こり過ぎてまったく事態を把握できていない。そんな2人に構わず名護は話を続ける。
「とにかく、そういうことだから君たちにはこれからすぐに俺の指示で動いてもらう。まず最初にする事は・・・」
天道と翔太郎、照井の3人はひよりに擬態していたワーム、シシーラワームの話を聞いていた。
「僕とひよりの出会いは13年前にまでさかのぼる」
シシーラワームは穏健派のワームで、当時は過激派のワームの魔の手から逃れようと必死だった。そんな時、とある病院の庭にいた1人の少女に擬態した。その少女がひよりだった。
ひよりはこちらの存在に気付いた。最初は自分とまったく同じ姿を持つシシーラワームに驚いている風だったが、じきに自分の遊び相手になってくれと言い出した。
人間社会で過激派のワームから逃れる孤独な生活をおくっていたシシーラワームはそれ以来誰にも見つからないように、毎日ひよりに会うようになった。
ひよりはエリアXに落ちた隕石がもたらした宇宙からのウイルス病に感染していた。治る見込みはほぼなく、彼女には死を待つことしか許されなかった。
それでもひよりはあきらめず、投薬や手術などありとあらゆる方法で病気と戦おうとしていた。
「彼女はたくましかったよ。どんなに絶望的なことを言われても決して希望を捨てようとはしなかった」
だがひよりの容態は日に日に悪化していき、ついには人工呼吸器なしでは呼吸できないまでになった。
自分の命がもうすぐ尽きることを悟ったひよりはシシーラワームにある頼みごとをした。それは自分の代わりに草加ひよりとして生きて欲しいという事だった。自分の死を知れば兄や周りの人々が悲しむに違いない。ひよりはそれを望まなかった。
シシーラワームはひよりを自身の最高の友と認めてその願いを受け入れることにした。
ある夜、シシーラワームは誰にも気付かれないようにひよりの酸素マスクを外し、彼女と共に外に出た。そしてひよりの希望で家族旅行で行ったという風都地区のとある海岸へと向かった。
そこにはきれいな花がいくつも咲いていた。
だがついた頃にはひよりはすでに息を引き取っていた。
シシーラワームは浜辺からひよりの死体を海へと流した。そしてひよりの姿になると病院へと戻り、それから13年間ずっとひよりを演じ続けてきたのだ。
「ワームの姿になったのはひよりと別れたあの日以来だ。本当はもう二度とあの姿にはなりたくなかったけど・・・」
ひよりの姿をしたシシーラワームは悲しそうな顔でうつむいた。
「ずっと騙していたのか・・・俺や雅人を」
天道は怒り口調でそう聞いた。
「ゴメン・・・でもこれが僕とひよりの約束だから」
「この事を他に知っている奴はいるのか?」
天道はさらに語気を強めてそう言った。
「天道幻海には一目見ただけで気付かれた。あと木山春生さんも知ってたけどもう死んじゃっていないし・・・あともう1人知ってる人がいるけど、その人が誰かは言えない」
「何故だ? 何か問題でもあるのか」
「うん、言ったらきっとその人は苦しむから・・・」
ひよりのワームは後ろめたそうに天道の視線から目をそむけた。天道は溜息をつき、翔太郎と照井の方を向いて、
「この事は誰にも話すな。特に草加雅人にはな。あいつはひよりのために戦っている。そのひよりが死んでいたと知れては何をするかわからない。もしばらせば俺がお前たちを始末する」
天道はものすごい剣幕で2人にそう言った。翔太郎も照井も黙ってうなずくしかなかった。天道はひよりのワームの方へ向き直り、
「とりあえず今はお前の件は保留にしておいてやる。しばらくして考えがまとまってからお前の処分を決定する。いいな?」
天道は冷淡にそう言い放った。ひよりのワームは悲しげな顔でうなずいた。
「帰るぞ」
天道はそう言ってずかずかと大きな足音を立ててバイクに戻っていく。
「おい、草加雅人の捜索はどうするんだ?」
照井がそう聞くと、
「・・・今は何もしたくない。何も信じられない」
天道はそう言ってバイクで走り去っていった。
「え~と・・・ひより・・・さん?」
翔太郎は呆然と立ちつくしている彼女に話かけた。
「あんたはさっき人質に利用された。まだあんたを狙ってる奴がいるかもしれねえ。俺が家まで送り届けますよ」
ひよりは翔太郎の申し出を受けることにした。
「待て左。お前に1つだけ聞きたい事がある」
照井がひよりと共にその場を去ろうとする翔太郎を退き止めた。
「何だよ照井。聞きたい事って」
「仮面ライダーギャレン、橘朔也の居場所だ」
照井は翔太郎の目を真っ直ぐに見つめてそう言った。
常盤台地区のとあるマンションの一室
矢車はマミからお茶とケーキをご馳走になっていた。
「そうか。1人暮らしか」
「ええ、2年前に両親とドライブをしていたら交通事故に巻き込まれて・・・私だけ生き残ったんです」
マミはうつむく。
「そうか、すまない。つらい事を思い出させて」
「いえ、大丈夫です」
マミは矢車に笑ってみせた。が、矢車は複雑な心境になった。
「そういえば、矢車さんは何か思い詰めていることでもあるんですか?」
矢車はマミの顔を見る。
「いや、話したくない事ならいいんですけど・・・よかったら相談に乗りたくて」
矢車はまだ誰にも仕事をクビになった事を言っていなかった。情けなさもあって部下たちに別れの挨拶もしていない。相談できる相手は誰もいなかったのだ。
「俺の話を聞いてくれるのか?」
矢車がそういうとマミは黙ってうなずいた。矢車は話すことにした。
「実は先日仕事をクビになってな・・・悪い奴らから人を守る仕事だったんだ」
「好きだったんですね。その仕事」
「ああ、俺の生きがいだった。俺にはもう、誰も守る事はできないんだ」
「そんなことはないですよ」
マミは穏やかな声と表情で矢車を慰めるように話す。
「矢車さんは力があったからその仕事をやっていたんですか? それとも、誰かを守りたいと思っていたからその仕事をやっていたんですか?」
「それは・・・守りたいと思ったからだ」
マミはニッコリ微笑んで、
「なら大丈夫。その思いさえあれば何度でもやり直せますよ。矢車さんはまだ生きてるから・・・」
最後の一言を言うときだけマミは視線を落とした。
「やり直せる・・・か」
矢車は考える。確かにマミの言う通りだ。ザビーに変身してワームを倒すことだけが完全調和への道ではないはずだ。左翔太郎や天道総司と協力する道だってあるはずだ。
「ありがとう。君のおかげで俺はまた前に進む事ができそうだ。こうなったらじっとしていられない」
矢車は立ち上がる。
「ケーキとお茶おいしかったよ。また会おう」
「ええ、じゃあまた」
マミは矢車を笑顔で送り出した。
矢車が帰ってからしばらくして、マミのケータイに電話が入った。
『私です。あなたに折り入って頼みたい事があるのですが・・・』
「はい・・・わかりました。草加雅人ですね」
『彼に関するデータを送ります。あなたは上の上のお方だ。期待していますよ』
そう言って電話は切られた。
マミはケータイを持つ自分の手を見る。白い砂が手の平から一筋の流れとなって落ちていった。
「私の命も・・・もう長くはないみたいね」
マミは覚悟を決めた。
常盤台地区のとある廃車置場
そこに名護、仗助、億泰の3人がやってきた。
「来たか」
そう言って物陰から草加が現れた。
「草加雅人・・・こいつが!」
仗助と億泰は身構える。いくら気持ちを押さえる努力をしたとはいえ、実際に黒子を殺した相手を目の前にするとやはり冷静ではいられない。
そんな2人を目にして草加は、
「そこの2人。あまり殺気を出さないでくれないかな。不愉快だ」
「なんだと・・・誰のせいでこんな事になったと思ってるんすか!!」
草加に突っかかろうとする仗助と億泰。そんな2人の前に左腕が伸ばされた。名護の腕だ。
「2人とも落ち着きなさい。我々は争いに来たのではない」
そう言って名護は1人で草加に近づき、
「ここに来てくれたということは、自分の罪を認め、罰を受ける気になったということですね」
「ああ。これからは一緒に戦ってやる」
草加はさわやかな笑みを浮かべてそう言った。仗助と億泰は胡散臭い笑いだと思った。名護は草加に微笑み返し、
「それではイクサシステムを返してもらいましょうか」
草加は素直に名護にイクサナックルを返した。
「さて、これで君も《鷹》の一員だ。早速だが雅人君には橘朔也と剣崎一真の所に行ってもらう。なんとしてでも彼らを私のところへ連れてきなさい」
名護は笑顔で草加の肩を叩く。
「なんとしてでもって・・・どういうことっすか?」
仗助と億泰は怪訝な顔で名護に聞いた。
「橘朔也と剣崎一真。彼らが持つライダーシステムのデータが必要だ。彼にはその交渉に行ってもらう」
「そんな・・・そいつにやらしたらどんなことになるかぐらいわかるだろうがッ!」
億泰は草加を指差して叫んだ。億泰は橘が黒子の二の舞になることを想像したのだ。
「黙れッ!! 貴様らに何がわかる! 俺に逆らうな! 俺は常に正しい! 俺が間違うことはない!」
名護は急に怒り顔になって叫びだした。
「いいか。正義を成すためには力が必要だ。どんな悪をも消し去る事のできる、最強の力が。俺は究極のライダーシステムを作る事で俺の目指す正義、すなわち絶対正義を完成させる! そして生まれるのだ。この青空のように一点の曇りもない美しい理想郷が・・・」
名護は大空を仰いで恍惚の表情を浮かべる。仗助と億泰はとんでもない奴にかかわってしまったと思った。草加はニヤリと微笑んで、
「なるほど。君とはいい関係を築けそうだ」
そう言って名護と握手を交わした。
「これから交渉に行ってくるが・・・もし交渉が決裂したらどうすればいいのかな?」
草加がそう聞くと名護は、
「そうなったら仕方がない。ライダーシステムだけでも持ち帰ってきてくれ。これから俺たちが成す正義の前では些細な犠牲だ」
「犠牲か」
「ああ、犠牲だ」
草加と名護は肩を叩いて笑いあった。
「ふざけんなよ・・・そんなことさせるか!」
億泰は自身のスタンド、ザ・ハンドを出す。だが無能力者の草加と名護にはその姿は見えていない。
「やめろ億泰! 相手は丸腰の人間だぜ」
仗助は億泰をなだめようとするが、億泰は完全に頭に血がのぼっていて仗助の言葉にまったく耳を貸さない。億泰は草加と名護をにらみつけて、
「てめえが草加を仲間にするって言った時から怪しいと思ってたんだ! 正義のためって言うからとりあえず従ってやったけどよお、ちょっとでも信用しようとした俺が馬鹿だったぜ!!」
億泰はザ・ハンドで殴りかかろうとした、その時だった。
「あなたね。草加雅人は」
どこからか女の声が響いてきた。その場にいた4人とも声のした方へ振り向く。
1人の金髪の女子中学生、巴マミがこちらに向かって歩いてきていた。
「か・・・かわいい」
そう呟いて思わず見とれている億泰を仗助は小突く。億泰はいたそうに頭を抱えた。
「誰かな、君は?」
草加は少女に聞いた。
「私はあなたの持つカイザギアを取り返しに来た者」
「なに・・・そうか、スマートブレインの回し者か。なら・・・」
草加はカイザギアを取り出す。
「君には死んでもらうしかないなあ!」
草加はカイザフォンに9・1・3のコードを打ち込む。
―Standing by(スタンディング バイ)―
「変身」
草加はカイザフォンをベルトに装着する。
―Complete(コンプリート)―
草加は仮面ライダーカイザへと変身した。カイザは首を鳴らしてマミに接近する。
「あ、危ねえ!」
億泰は叫ぶ。この距離では助けることはできない。
カイザはマミにパンチを繰り出す。そのパンチをマミは片手で受け止めた。
「できるだけ穏便に済ませたかったけど・・・無理な話だったわね」
マミの顔に紋様が浮かぶ。そしてマミはその姿を灰色の怪人、ラクーンドッグオルフェノクへと変えた。
「え・・・どういうことだよ・・・」
仗助と億泰は呆然としている。少女の正体は怪人だった。どちらに味方すればいいのかわからず仗助も億泰も動けずにいる。
「雅人君。俺も加勢するぞ」
名護はイクサナックルを右手で持って左の手の平に押し当てる。
―レ・ディ・ー―
「変身」
名護はイクサナックルをベルトに装着する。
―フィ・ス・ト・オ・ン―
名護は仮面ライダーイクサ・セーブモードに変身した。
「あの灰色の体・・・オルフェノクか。ならイクサの真の力を見せてやる」
イクサの周囲が高温の熱で歪んで見える。そしてイクサの顔の十字架が四方に開く。イクサから強烈な風圧が発生し、十字架の下に隠された赤い複眼があらわになる。イクサはバーストモードにチェンジした。
「オルフェノク! その命、神に返しなさい」
イクサは剣型の武器、イクサカリバーを持ってカイザと殴りあっているラクーンドッグオルフェノクへと接近する。
「ふん!」
イクサはラクーンドッグオルフェノクへイクサカリバーを振り下ろした。ラクーンドッグオルフェノクは左肩でその一撃を受けた。
「うっ・・・くっ!」
ラクーンドッグオルフェノクは2人のライダーから少し距離を取ってマスケット銃型の武器を取り出した。ラクーンドッグオルフェノクはそれでカイザとイクサを狙撃する。
カイザとイクサは銃撃を避けながら廃車の陰に隠れる。そしてカイザはカイザブレイガンをガンモードに、イクサはイクサカリバーをガンモードに変形させる。
カイザとイクサはラクーンドッグオルフェノクに向かって弾丸を撃ち込む。ラクーンドッグオルフェノクも廃車の陰に隠れて銃撃を行う。壮絶な銃撃戦が始まった。
誰に味方すればいいかわからない仗助と億泰は銃撃をかわしながら少し離れた被害がおよばなそうな場所に逃れた。
ラクーンドッグオルフェノクは腕から白いリボンのような紐を伸ばして近くにあった廃車に巻きつけた。そして廃車をハンマーのようにして振り回し始めた。
カイザもイクサも必死で廃車のハンマーを避ける。グシャングシャンと周りの廃車がどんどん潰されていく。
「このままではらちがあかない・・・イクサがバーストモードでいられる時間も残りわずかか。なら!」
イクサはベルトにカリバーフエッスルを差し込んで読み込ませる。
―イ・ク・サ・カ・リ・バ・ー・ラ・イ・ズ・アッ・プ―
イクサは再びイクサカリバーを剣型のカリバーモードへ変形させる。そして光を纏ったイクサカリバーで迫りくる廃車のハンマーを一刀両断した。イクサ・バーストモードの必殺技、イクサ・ジャッジメントである。
さらにイクサは途切れたリボンをつかみ、それを引き寄せた。
「きゃあ!」
リボンはラクーンドッグオルフェノクの腕からはえていた。名護はベルトに今度はナックルフエッスルを読み込ませる。
―イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ―
イクサはイクサナックルを右手に持って必殺のブロウクン・ファングでラクーンドッグオルフェノクを殴りつけた。瞬間電圧5億ボルトのエネルギーを受けてラクーンドッグオルフェノクは叫ぶこともできずに吹っ飛ぶ。
「やったか!?」
イクサはバーストモードの制限時間3分を過ぎて強制的に変身解除させられる。
ラクーンドッグオルフェノクはよろよろと立ち上がって逃げていった。
「雅人君。俺はバーストモードの影響でしばらく変身できない。追いかけてくれ」
名護にそう言われたカイザはラクーンドッグオルフェノクを追って走っていった。
仗助と億泰は名護に走り寄って質問する。
「名護さん。いったい何だったんすか? あの怪人は。今まで見てきた怪人たちとは何か違う気がするんすけど」
「あれはオルフェノクだ」
「オルフェノク?」
「詳しいことは俺もよく知らないが、奴らも許してはいけない・・・この街の汚れだ」
名護はゴミを見るような冷たい目でそう言った。
矢車は鳴海探偵事務所を目指して歩いていた。
そしてとある噴水の近くを通りがかった時、柱の後ろで誰かが倒れているのが見えた。
大変だと思って矢車はその人に近づく。
「おい、大丈夫か?」
その人の顔を見て矢車は驚いた。さっき自分を助けてくれた巴マミだったのだ。
マミはオルフェノクの変身を解いてカイザから逃れるためにひたすら走ってここにたどりついたのだ。
「おい! どうした! しっかりしろ!」
矢車は意識がハッキリしないマミに叫んで呼びかける。
「う・・・矢車さん? ダメよ。こんなところにいたら・・・早く逃げて」
マミはなんとか立ち上がって矢車にそう言った。
「誰かに狙われているのか? 君が何故狙われるのかはわからないが、君は俺の命の恩人だ。今度は俺が君を助ける番だ」
「それは・・・だめ」
マミは暗く落ち込んだ顔をする。
「何故だ! 俺は君のおかげで人を守りたいという想いを再認識する事ができた。俺は君を守りたいんだ!」
矢車は熱い口調でそう言った。マミは少し考えてから、
「矢車さん・・・見てて。私の・・・変身」
マミの顔に紋様が浮かぶ。マミは矢車の目の前でラクーンドッグオルフェノクに変身した。
矢車はその姿を見て唖然とする。
「巴マミ・・・君は・・・」
「私は2年前の交通事故で両親と一緒に死ぬはずだった。けど、私は死ななかった。そして私はこの姿を得た。私はもう人間じゃないのよ」
「で、でも君は、俺の命の恩人で・・・俺には、君が悪いことをするような奴には見えない」
矢車は混乱しながらもなんとか思いを言葉にして話す。
「ええ、でも私が入っている組織がやっていることはきっと矢車さんにとって悪と言えるものだわ。それに私、疲れたのよ。自分がいつ消えてなくなってしまうかもわからない。そんな悩みを相談する相手もいない。私にはもう、希望は残されていないのよ・・・」
呆然と立ち尽くす矢車を背にしてラクーンドッグオルフェノクは、
「私はこれから私のことを悪だという人と戦って、それでたぶん殺されるわ。でも矢車さん、私のことを助けないで。私はこの街にとってきっと悪だから」
ラクーンドッグオルフェノクは走り去っていく。
「ま・・・待ってくれ! マミ!」
矢車は叫ぶ。ラクーンドッグオルフェノクは一瞬だけマミの姿に戻って振り向いた。
「矢車さん・・・あなたは生きて。生きて・・・自分のやりたいことをやって」
そう言ったマミの顔は屈託のない眩しいくらいの笑顔だった。ラクーンドッグオルフェノクは走り去っていった。
「そんな・・・俺は、俺はどうすればいいんだ・・・」
矢車は悩む。マミは自身のことを悪だと言ったが実際のところどうなのかはわからない。むしろ矢車にとっては命の恩人だ。
マミのことを助けたい。だがその時、矢車の脳裏に完全調和の文字がよぎった。ここでマミを助けることで街の調和が乱れたら・・・それは矢車の望まないことだった。
「すまない・・・マミ。俺は・・・お前を助けられない・・・!!」
矢車は自分の想いと完全調和の精神を比べて、完全調和の精神を優先した。
「フン、やっと殺される気になったか」
ラクーンドッグオルフェノクは再びカイザの前に姿を現した。ラクーンドッグオルフェノクは右手にマスケット銃を持ってゆっくりカイザに向かって歩いていく。
カイザはガンモードにしたカイザブレイガンを右手に持って構える。
2人とも銃を相手に向けて真っ直ぐに対峙している。まるでガンマンの荒野の決闘のような図だ。
2人の間を沈黙が包む。
その沈黙を破ってカイザが先に発砲した。
ラクーンドッグオルフェノクはカイザが放った弾丸を撃ち落とす。
だがカイザはその隙にベルトからカイザフォンを外すと変形させてフォンブラスターにした。そしてそのフォンブラスターで2発目となる弾丸をラクーンドッグオルフェノクに撃ち込んだ。
「うっ!!」
2発目の弾丸には反応できず、ラクーンドッグオルフェノクは直撃を受けた。
カイザはカイザブレイガンをブレードモードにして、カイザフォンをベルトに戻した。そしてカイザフォンの《ENTER》キーを押す。
―Exceed Charge(エクシードチャージ)―
低い電子音声がそう言った後、ベルトから金色の光がカイザの腕を伝ってカイザブレイガンへと流れていった。
カイザはラクーンドッグオルフェノクに向かって金色の光弾を放つ。それを受けたラクーンドッグオルフェノクは身動きが取れなくなった。
「でえやあッ!!」
カイザはX字型の光を纏ってラクーンドッグオルフェノクに突進して斬り裂いた。必殺の斬撃、カイザスラッシュである。
ラクーンドッグオルフェノクは無言でその場に倒れた。カイザは倒れているラクーンドッグオルフェノクに歩み寄り、
「まさかとは思うが、死んでなかったら困るからな」
カイザはカイザブレイガンでラクーンドッグオルフェノクの首をはねた。その直後にラクーンドッグオルフェノクの体が白い砂となって崩れ落ちた。
カイザは満足げにその場を立ち去った。
「いいんだ・・・これで。マミだって助けてくれるなと言っていたんだ・・・」
矢車はうわごとのようにそう呟く。
だがそうやっていると余計にマミの事が気になってきた。
「マミ・・・どうなってしまったんだ・・・?」
そう思ってしまった時、矢車は無意識の内にマミが走っていった方に向かって歩いていた。
そこで矢車が見たのはマミの生首だった。
「マ・・・ミ・・・?」
矢車が触れるとマミの顔は白い砂になって崩れてしまった。
「う・・・うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
その時、矢車が必死に押さえていた感情が爆発した。
「クソッ・・・なにが・・・なにが完全調和だ・・・! 命の恩人すら守れなくて・・・何のための完全調和だッ!!」
矢車は今になって自分の本心に気がついた。自分はマミを助けたかったのだと。だが完全調和によって街の平和を保とうとしていた矢車にとってマミを助けることは悪だった。
「俺は・・・ただ人々を守りたかったんだ・・・そのための完全調和の精神だったんだ・・・なのに、こんな地獄が待っていたとは・・・ククク・・・ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハッ!!」
矢車は狂ったように笑い始めた。
風都地区のとある小さな病院
「冴子さん、お体に触りますよ」
1人の中年の医者がドーパントに変身した冴子の体を診ていた。
ここは病院にカモフラージュしたミュージアムの研究施設だった。
「いやあ・・・あなたの体はすばらしいとしか言いようがない。しかし冴子さん。いい加減そのガイアドライバーを使うのはやめた方がいい。それはドーパントとしての進化を止めてしまう愚かで小賢しいだけの道具です」
「ご忠告ありがとう、井坂先生。でも直挿しにすると精神が侵されてくるでしょう?」
冴子は変身を解いて井坂と呼んだ医者の男に言った。
「大丈夫ですよ冴子さん。メモリに侵されない強い精神さえあれば・・・もっとも直挿しにたいして抵抗を持っている時点で強い精神とは言えませんか」
井坂が意地悪っぽくそう言うと冴子は井坂にすり寄るように、
「私も井坂先生に見合うくらいの強い女になるわ。あなたほどの強くて素敵な男性には出会った事がないもの」
井坂は冴子がそう言ったのを聞いて鼻で笑う。
「それは嘘でしょう。同じ四天王の中でも私より利根川さんの方が遥かに強い。それに君のお父さんだって今の私ではまったく及ばない強さです。まあ個人的には強くなるかいがあっていいですが」
井坂は上着を羽織って帽子を被る。
「どこに行くんですの?」
冴子に聞かれて井坂は背を向けたまま答えた。
「ちょっと強さを求めに」
「俺は・・・どうすればいいんだ・・・」
天道は鳴海探偵事務所に戻ってからもずっと悩んでいた。
ひよりは倒すべきワームの1人だった。今まで通り接するなど無理だ。やはり殺すべきなのか。
だがあのワームはひよりとの約束のために生きていると言っていた。それを殺したらひよりの想いはどうなるのか。
「俺は・・・俺は・・・」
天道は頭を抱えて机に突っ伏した。
矢車は地下道へと続く階段を下っていた。
「俺は歩いていく・・・この真っ暗闇の地獄を・・・」
矢車の姿は地下道の暗い闇の中に消えていった。
次回予告
天道「お前・・・誰だ?」
C.C.「私か? ・・・まあC.C.(シーツー)とでも呼んでくれ」
天道「何で俺がお前と遊園地に行かなければならない」
C.C.「お前・・・童貞だろ」
天道「何故わかる。まったく、お前はろくでもない女だ。
次回、学園都市の日常・科学サイド『永遠のC/君は最強ドーパントを見たくないかい?』
これで決まりだ」
名護「今日の最強ヒーローは『仮面ライダーイクサ・バーストモード』
白井黒子が持っていた時点で使えたのだが、彼女には使う機会がなかったようだ。イクサカリバーが使えるなど、ありとあらゆる点でセーブモードの性能を上回っているが、3分しか使えない上に1度なれば次の変身まで1時間空けなければならない。俺はイクサをベースに究極のライダーシステムを作り上げる。そして俺の絶対正義を完成させてみせる!」
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