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~teamBDRの酒場~
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HN:
teamBDR
性別:
男性
職業:
高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
メンバーの紹介なんDA
[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!

[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。

[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。 

[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!

[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。

[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
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第6話「Kの道を往く/最強vs完全」
 
作者 Joker

「天道、カブトゼクターを返してもらおう」
仮面ライダーザビー、矢車想は仮面ライダーカブト、天道総司と対峙する。
「望むところだ」
臨戦状態の2人。だが、
「戻れ、ザビーゼクター」
矢車は変身を解除した。それを見て天道も変身を解除する。
「お互いを傷つけあう必要はない。何か別の方法で勝負し、けりをつけよう」
「いいだろう。相手になってやる」
天道はゼクトルーパーたちに囲まれながら矢車についていく。たとえどんな勝負になろうと自分は勝つ。常に絶対的な自信を持ち続けること。それが天道の信条だった。
 
天道の戦う理由。それは15年前にあった・・・
エリアX・隕石衝突事件。その時の天道は天道総司ではなく、草加 総司(くさか そうじ)であった。父、母、妹と総司の4人家族だった草加一家。彼らは衝突の瞬間、エリアXでひよりの3歳の誕生日を祝っていた。そして総司は見た。崩れていく建物、燃え盛る街、死んでいった両親。そして現れた怪物、ワームの群れ。運良く生き延びた総司は瓦礫の中から妹を救出すると必死になって逃げた。砂塵に覆われた真っ黒な空が総司の恐怖を増長させる。幼いながらの感性でこうなったのはすべてあの怪物(ワーム)のせいだと総司は理解していた。だから悲しかった。今の自分には怪物たちを倒すことも他人を救うこともできない。だから両親は殺された。助けられる人間も妹しかいない。ただただ無力だった。そして総司は誓った。いつか必ず奴らを倒せる力を手に入れると。すべての人々を照らせる太陽のような存在になると。
事件の後、総司とひよりは父方の妹夫婦の家に引き取られることになった。が、総司はそれを断り母方の祖母である天道 幻海(てんどう げんかい)の家に引き取ってもらうことにした。幻海は有名な武術家で総司は戦いの極意を教えてもらおうとしたのだ。そして総司は幻海に、ひよりは妹夫婦の家に引き取られた。この時、総司は現在の天道総司の名になった。総司は日々幻海の出す厳しい修行に耐え抜き、16歳になる頃には一人前の戦士となっていた。そしてそれからは幻海から与えられた常盤台地区のレプリカ東京タワーのふもとの家に住むようになり、学園都市の裏側を調べ始めた。一見平和な学園都市だがその裏にはとてつもなく大きな悪がうごめいていることを天道は知る。ミュージアム、彼らはこの街のありとあらゆるところに根を伸ばしていた。天道の仇であるワームですらミュージアムの一部にすぎなかったのだ。天道は考えた。どうやってこの巨大な組織に戦いを挑もうか・・・
その時、天道の前に1人の女が現れた。“シュラウド”女はそう名乗った。全身を包帯で巻き、黒いコートに黒い帽子という異様な風貌をしたこの女は天道に『カブトゼクターを手に入れろ』と言った。天道は彼女を訝ったが、カブトゼクターの詳細を聞いてとりあえず従うことにした。シュラウドのサポートもありカブトゼクターは簡単に手に入れられた。だが結局シュラウドの正体についてはまったくわからなかった。ただ1つだけわかっていることは、シュラウドはミュージアムを憎んでいるということだ。彼女の言葉の節々には揺るぎない確かな憎悪があった。だがそんなことはどうでもいい。天道の心は喜びに満ちていた。15年前には無かった未来を今、この手に掴んでいるのだから・・・
 
「さあ、ここが俺の家だ」
勝負は矢車の家で。ということで来たのだが、
「何よ・・・コレ」
御坂は思わず呟く。矢車の家は常盤台地区の湾の中央に建っていた。それは見る者すべてを圧倒する塔で、他のどの建物とも比べ物にならないぐらい高かった。しかも聞くところによると水中にもフロアがあるという。
「どうだ? 俺が大好きなアニメ『勇者王ガオガイガー』に出てくるベイタワー基地をモデルに造らせた我が家は。中には1分の1ラジオコントロール・ガオガイガーや超竜神もある」
「さすが隊長! 俺たちとはスケールが違う」
「ZECT(ゼクト)本部だってこんなに大きくないですよ!」
得意気な矢車を部下たちが憧れと賞賛の目で見る。天道は本部よりも大きい部下の家とはどういうことだと内心突っ込んでいた。そして一行はリビングルームに入る。
「さて、勝負だ。1回だけの勝負では色々と不公平になる可能性がある。3本勝負でいこう。さあ、最初はそっちが選べ」
「なら・・・これで勝負だ」
天道は着物の裾から赤いカブトムシ型の玩具を取り出した。
「なるほど・・・カブトボーグか。それなら俺も大好きだ」
矢車は指をパチンと鳴らす。すると物音を立てて何かがゆっくりと降りてきた。カブトボーグのステージだ。
「久しぶりだな。ボーグバトルは・・・」
そう言って矢車は黄色のボディを黒のラインで彩ったスズメバチのようなカラーリングの愛機、カブトムシ型ボーグのバイオレンス・ヘルズ・マイ・ブラザーを取り出した。
ボーグバトル。詳しいことはよくわからないが、学園都市で流行っている遊びの1つだ。
天道も自身の愛機、アイ・ラブ・ザ・スカイロード・マキシマムを持って構える。
「(そういえば、昔はこうして・・・あいつとしょっちゅうカブトボーグをしていたな)」
天道はふと遠い昔の青いクワガタのボーグ使いの友人を思い出した。
「チャージ3回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」
「チャージ3回、フリーエントリー、ノーオプションバトル!」
お互い確認のために叫ぶ。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッ!!」
そして2人はチャージ用の台にボーグの車輪をこすりつけ始めた。
「チャージイン!」 「チャージイン!」
2人はステージに同時にボーグを投げ込んだ。
「うん!」
「いいチャージインだ!」
矢車の部下たちは矢車のチャージインに賞賛の嵐を送る。が、御坂はボーグバトルのルールがわからず退屈気味だった。
「行けッ! デッドリー・ポイズン・ニードル・スピアー!!」
矢車のバイオレンス・ヘルズ・マイ・ブラザーが天道のアイ・ラブ・ザ・スカイロード・マキシマムを激しく攻め立てる。
「うおおおおおッ!!」
「どうだ天道? 俺の完全調和(パーフェクトハーモニー)は? 調和無きお前にこの攻撃は苦しいだろう!?」
「ああ・・・たしかにな。だが矢車、お前は大事なことを忘れているぞ」
「何!?」
「完璧や完全というのはつまり限界。お前はそこで成長を止めている。だが俺は違う! 常に俺は自分自身の限界を破り続けている。そうだ、俺はこの1分1秒の間も成長し続けている。だからこそ言える。今の俺は昨日の俺より、もっともっともっと強い!」
「それがどうした!!」
「何!?」
「カミング・ラブ・アンド・ピース・オブ・パーフェクトハーモニーッ!!」
アイ・ラブ・ザ・スカイロード・マキシマムがバイオレンス・ヘルズ・マイ・ブラザーの最強必殺技で場外まで吹っ飛ぶ。それと同時に天道も精神的ショックで場外に吹き飛ばされた。
「天道、お前は1つ勘違いをしている。いくらお前が成長し続けていて、俺の成長が止まっていたとしても・・・俺の限界はお前の現在の実力の遥か上をいっている!!」
矢車はキリッとした表情で地面に倒れている天道に言い放った。そんな屈辱的な状態でも天道は無表情を貫いているが、その内心は悔しさに満ちているのかと思うと御坂は少し愉快な気持ちになった。
矢車1勝―天道0勝 あと1勝で矢車の勝ち
「さて、次の勝負だが・・・今度はこれでどうだ?」
矢車はスーツの内ポケットから紙製のカードの束を取り出した。
「デュエルモンスターズか・・・上等だ」
天道も着物の裾から自分のデッキを取り出す。そして矢車はカードの絵柄を実体化させる道具、デュエルディスクを2つ持ってくると、1つを天道に渡しもう1つを自分の左腕に装着した。天道も左腕に装着してデッキをセットする。
「デュエル!」 「デュエル!」
矢車 LP(ライフポイント)4000―天道 LP4000
 
「(あー・・・またわけのわからない勝負が始まりそうだなぁ・・・・・・)」
御坂には矢車と天道がいる世界がわからなかった。自分はカブトボーグもデュエルモンスターズもやったことがないからルールがまったくわからず、どういう駆け引きをしていてどっちが優勢なのかもまったくわからない。とりあえず見ていて面白みが無いので今の内に御坂はトイレに行くことにしてこっそりと部屋を出た。
「でもトイレってどこかしら?」
この家、本当にわけのわからない造りになっている。いったいいくらつぎ込んだらこんな家が建てられたんだろう? ZECTの仕事ってそんなに儲かるのかしら? などと考えながらさ迷い歩いていた時だった。
「うッ!!」
突然後頭部に金属バットで殴られたような痛みが走った。それがいったい何だったのか。考える間もなく御坂は気を失った。
 
数ターン経って、矢車のターン。
「俺はトラップカード『ファイナルフュージョン』を発動。自分の場に『ガイガー』が存在する時、デッキ・手札・場から『ステルスガオー』『ライナーガオー』『ドリルガオー』をそれぞれ1体ずつ墓地に送ることにより、場の『ガイガー』を墓地に送ってエクストラデッキから『ガオガイガー』を融合召喚する」
実体化映像(ソリッドビジョン)の緑色の竜巻の中から鉄(くろがね)の巨神『ガオガイガー(Lv(レベル)10 攻3000/守2000)』が現れた。
「ガオガイガーのモンスター効果、ライフを500払うことで相手モンスター1体を破壊する」
矢車は天道の場の『マシンナーズ・フォース(Lv10 攻4600/守4100)』を選択し、残り1000のライフから500のライフを払った。
「ヘル・アンド・ヘブンッ!!」
ガオガイガーの両拳がマシンナーズ・フォースの胴体を貫く。
「ガオガイガーのダイレクトアタック、ブロウクンマグナムッ!!」
ガオガイガーの右腕が射出され天道を貫く。ガオガイガーの攻撃が天道の残り3000あったライフをきれいに削りさった。
「うわあああああ!!」
「俺の勝ちだ、天道」
床に倒れ伏せる天道を見下して矢車は言い放つ。
「さあ、カブトゼクターを返してもらおうか」
矢車は2勝した。これでもう天道にカブトゼクターを持っている資格は無い。だが、
「待て、矢車・・・」
天道は立ち上がり矢車の目を強くにらむ。
「確かにお前は2勝した・・・だがこれは3本勝負。そしてお前は完全調和(パーフェクトハーモニー)を信条とする者・・・あと1回勝って俺を完膚なきまでに叩きつぶしてこそ、真に完璧と言えるんじゃないのか?」
負け犬の戯言(たわごと)、といえばそれまでだろう。だがその言葉は余裕に満ちていた矢車の心に妙に深く突き刺さった。
「なるほど・・・いいだろう。だが次でお前が勝ったとしてもカブトゼクターは渡してもらう。次の勝負は俺の完璧を証明するためだけの勝負だ。いいな?」
最初からこの3回戦でカブトゼクターを取り戻そうなどという下心は天道には無い。あるのはせめて矢車に一矢報いたいという一種の執着心だけだ。
「対決方法はお前に任せよう」
そう言われ天道は、
「ならば・・・料理対決だ」
「料理対決!」
「よし! これでまた矢車さんの勝ちだ!」
矢車の部下たちが沸き立つ。どうやら矢車は料理が得意なようだ。
「残念だったな。俺が料理下手だということを期待したのかは知らないが、俺は部下たちにしょっちゅう手料理を振舞っている。この勝負ももらうぞ」
「そうか・・・では『麻婆豆腐』対決だ」
その時、御坂がトイレから帰って来た。天道は御坂に、
「御坂、この勝負の審判を頼もうか」
「待て、それではアンフェアだろう。御坂はお前のことを快く思っていないはずだ。お前の友人を呼んでもいいが・・・」
「俺に友人はいない」
天道はキッパリ言うと、
「おばあちゃんが言っていた。真にうまい料理は人の心を動かすと」
「自分の料理は人を選ばないということか。なかなかの自信だな。じゃあ御坂、頼んだぞ」
御坂は黙ってうなずき了承する。そして一行は給湯室に移動した。
「制限時間は20分。材料はこの部屋にあるものを使用すること。じゃあ開始!」
御坂の合図で2人は冷蔵庫に飛び掛った。
「冷蔵庫から先に材料を取り出した者。それが・・・」
天道が先にすべての材料を取り出し調理場に立った。
「勝負を有利に運ぶとは限らないな」
矢車の部下たちは固唾を呑みながら2人の勝負を見守る。天道は目にも留まらぬ速さで材料を調理してゆく。高速すぎてもはや手の動きが見えない。
「フン、無駄なことを。おとなしく隊長にやられればいいのに」
高速で包丁やフライパンを操る天道に対し、矢車はリズミカルかつ華麗に道具を扱っていた。
「さすがだぜ隊長! あの包丁やフライパンが奏でるメロディー、あれこそ隊長の必殺技だぜ」
「あのメロディーを聴いて生きて帰った者はいない・・・天道、終わったな」
そんなこんなで2人の料理は完成した。御坂がまず矢車の麻婆豆腐から食べ始める。
「こ、これは・・・!!」
驚愕の中で御坂が感想を述べ始めた。
「食材の1つ1つがお互いを引き立てあって・・・まるで音楽を・・・」
その時、御坂の中で今まで聞いたこともないようなすばらしい音楽が鳴り響いた。それはまるで泣き止まない赤ん坊をあやす母親の子守唄のような優しいメロディーだった。
「もう私・・・さようなら」
「逝くな、御坂」
天道が御坂の後頭部を棍棒で叩く。すると御坂は痛みで我に返った。
「せめて俺のを食べて審判を下してから死ね」
御坂はしぶしぶ天道の麻婆豆腐を口に運ぶ。矢車さん以上の麻婆豆腐などありえない。どうせ無駄だなと思っていた。
「え・・・!?」
御坂の中で広大なイメージが繰り広げられる。青い青い大空の下、雲の上。そこに御坂はいた。
「豆腐! てめー自分ひとりで突っ走るつもりかよ!!」
振り返るとそこには手足の生えた麻婆豆腐の材料たちが口論をしていた。豆腐を熱く責めているのは唐辛子だ。
「当たり前だ。俺は豆腐だぞ? お前たち薬味どもと違って十分ひとりでやっていける」
「馬鹿野郎! てめーそれじゃあ冷奴にでもなりたいってのかよ!!」
「そうだ。言っとくが俺はお前たちが好きじゃあない。俺は醤油が好みなんだ」
「くッ・・・わかったよ。お前がそう言うなら、俺たちはお前を応援するぜ・・・チクショーーーッ!!」
「「「豆腐さあ~~~ん!!」」」
大勢の餡(あん)の材料たちが一斉に豆腐に抱きついた。そのせいで豆腐はぐちゃぐちゃに砕け散った・・・
「・・・天道の勝ち」
「何だと!?」
矢車が納得行かないと恍惚している御坂に食い下がる。御坂はとても落ち着き払った様子で、
「矢車さん、確かにあなたの料理はすばらしかった。でも・・・料理に音楽は関係ない!!」
御坂の一括で矢車は完全に沈んだ。
「矢車、俺の勝ちだ」
天道はすぐさまその場を去って・・・
「待て、天道」
行きたかったのに矢車に肩を掴まれた。
「それでも総合的には俺の勝ちだ。カブトゼクターを渡せ」
周りは矢車の部下たちが囲んでいる。天道は若干しょんぼりしながら矢車にカブトゼクターを渡した。
「俺は約束を守る男だ・・・じゃあな」
天道は最後の料理対決に勝ったという自信だけを持って帰った。矢車にも自分の完全性を証明できなかった悔しさが残った。なんだか少し後味が悪い。
「矢車さん、カブトゼクターは私の物なんですよね?」
御坂は自分だけが得をしたなという思いで矢車の手からカブトゼクターを取った。
「あ、ああ。これで君は仮面ライダーカブトだ。ZECTへの入隊手続きも済ませなければな」
矢車が御坂ににっこりと微笑みかけたとき、
「うッ!!」
突然部下の1人がうめき声を上げたかと思うと、他の部下たちも次々と気絶して倒れてしまった。
「これは・・・いったい!?」
矢車がうろたえるのを見て御坂はほくそ笑む。
「なかなか面白い物を見せてもらった。あとはお前たちを始末するだけだ」
御坂はその姿を黒っぽい緑色の体色のスカラバイウスワーム・ベントゥスへと変えた。
「またワームだったのか・・・本物の御坂をどこへやった?」
「さあね。今頃どこかでおねんねさ」
「そうか。それを聞いて安心した」
矢車は懐からリモコンを取り出し、そのたくさんあるボタンの内から1つを押した。するとベントゥスの足元の床がパカッと開き、ベントゥスは海へと落ちていった。
「うわあああ!!」
「今の内だ!」
矢車は監視カメラのモニター室へと急ぐ。そして御坂が倉庫の隅っこの方で倒れているのを発見すると矢車はそこへ急行した。
「御坂!」
矢車は御坂の頬をパチンとしばいた。
「矢・・・車さん?」
御坂は目を開いた。良かった。無事なようだ。
「おのれ・・・矢車ァ」
体をビショビショに濡らしたベントゥスが倉庫内に侵入する。海に落とされたことでそうとう怒っている様子だ。
「来いザビーゼクター」
ゼクターは空間を切り裂くことでいつでもどこでも所有者の元に駆けつけることができる。矢車はザビーゼクターを右手に収めると、
「変身」
―Henshin(ヘンシン)―
ライダーブレスにセットして仮面ライダーザビー・マスクドフォームに変身した。
「御坂、君はここでじっとしていろ」
叫び声を上げてベントゥスが迫ってくる。ザビーは右手をザビーゼクターへと伸ばす。
「キャストオフ」
―Cast Off(キャストオフ)―
吹き飛ぶ装甲が迫っていたベントゥスを吹き飛ばした。
―Change Wasp(チェンジワスプ)―
ライダーフォームとなったザビーは起き上がり際のベントゥスに激しいパンチのラッシュをかけた。ベントゥスは反撃の余地も無くザビーのパンチをくらい続ける。
「ギシャアアア!!」
あまりのパンチの激しさにベントゥスはカブトゼクターを落としてしまった。勢いのついたカブトゼクターは遠くへ転がってゆく。
「終わりにしよう」
ザビーが必殺のライダースティングで止めをさそうとした時だった。
「うぐぉ!!」
背中が熱い。高熱の火炎に焼かれたような痛みが矢車を背後から襲う。膝を着いて振り返るとそこにはほくそ笑んでいる御坂。
「まさか・・・!」
御坂は血のようにどす黒く赤い体色をしたスカラバイウスワーム・イグニースに姿を変えた。
「この私に背を向けるとは、完全に油断したな。矢車想」
2体のワームに囲まれたザビー。
「本物の・・・御坂は!?」
「あの女なら海に向かって投げ捨てた。今頃モズクの養殖場で海の藻屑(もくず)となっているだろう」
「貴様・・・!!」
ザビーはベントゥスに視線を向ける。敵は2体だ。1体ずつ確実に潰す。ある程度体力を消耗しているベントゥスの方が倒しやすいはずだと矢車は考え、ベントゥスに向かってダッシュした。
「馬鹿め」
ベントゥスは風を纏った右腕でザビーを狙う。刃のように唸る風をザビーは物ともせず突っ込む。装甲がどんどん切り刻まれていくが、ザビーはなんとかベントゥスの懐に食らいついた。
「ライダースティング・・・!!」
風の刃に加えイグニースの援護射撃の火球までもがザビーを襲うが、痛みをこらえてザビーはザビーゼクターのスイッチを押す。
―Rider Sting(ライダースティング)―
「らあァッ!!」
ライダースティングはベントゥスの腹部に確実にヒットした。ベントゥスは悲鳴を上げて緑色の炎になって爆散する。だが風の刃と火球をくらい続けたザビーの体力はもう限界に近かった。
「ヌウウウン・・・ハアッ!!」
イグニースは両腕で転がすようにして巨大な火球を作り上げザビーに向かって蹴飛ばした。
「うおおおおおッ!!」
大爆発が起こって倉庫の壁が爆ぜる。そして吹き飛ばされたザビーは真下の海に消えていった。
「これで邪魔者はいなくなった。あとはカブトゼクターを手に入れれば・・・」
イグニースはカブトゼクターへと歩み寄る。だがそれを先に拾った者がいた。
「お前は・・・天道」
天道はまだ帰っていなかった。天道は自分の料理を食べてあっさりと心変わりをした御坂に疑問を抱いていた。本物の御坂なら自分に勝ちを渡すはずが無い。仮にそうするとしても負けさせたいという意地とうまかったという本音の間で苦しんだはず。だからずっと様子を見ていたのだ。
「やはりこれは俺を運命の主と認めているらしい」
天道はカブトゼクターをまじまじと見つめたあと、今度はイグニースをにらみつけて、
「変身!」
―Henshin(ヘンシン)―
天道は仮面ライダーカブト・マスクドフォームに変身した。そしてイグニースに向かってゆっくりと歩を進めていく。
「ギャン!!」
イグニースは火球でカブトを狙い撃つが、カブトはカブトクナイガン・アックスモードでそれらをことごとく横に弾いてゆく。そしてカブトは爆炎の道の中で左手をカブトゼクターに伸ばした。
「キャストオフ」
―Cast Off Change Beetle(キャストオフ・チェンジビートル)―
吹き飛んだ装甲が炎を揺らし、カブト・ライダーフォームが姿を現した。カブトはカブトクナイガンをクナイモードへと変えイグニースに切りかかった。イグニースは傷つくがひるまずに灼熱の腕でカブトを狙う。だが釘を打つように直線的な動きのそれをカブトはいとも簡単に見切り、さらにみぞおちに1発拳を叩きこんだ。
「キィイイイイイ!!」
イグニースは怒り狂ってカブトと少し距離を取ると、頭上で巨大な太陽のような火球を転がし始めた。直径1メートルほどのなった火球をイグニースはカブトめがけて思い切り投げつけた。
「クロックアップ」
―Clock Up(クロックアップ)―
カブトは右腰のスイッチを叩き高速移動(クロックアップ)で火球を避けた。イグニースも負けじとクロックアップをしてカブトのスピードに追いつく。太陽のような火球が気づかないぐらいゆっくりとした速度で地面に向かって落ちている中、2人は激しい攻防を繰り広げていた。真っ赤に燃える腕をカブトに向かって振り回し続けるイグニース。だがそのことごとくはカブトクナイガンで捌かれ、あるいは見切られて避けられる。その間にもカブトは確実に1撃1撃を決めていく。
「キシャア!!」
―1(ワン)―
カブトは避けながらカブトゼクター上部のスイッチを押す。
「キィッ!!」
―2(ツー)―
カブトクナイガンで至近距離で撃たれた火球を弾く。そしてスイッチを押す。
「キルァ!!」
―3(スリー)―
攻撃態勢に入ったイグニースを殴ってひるませた。そして最後のスイッチを押す。
「ライダーキック」
―Rider Kick(ライダーキック)―
カブトはイグニースに背を向ける。これをチャンスと受け取ったイグニースはカブトに向かってダッシュした。
「ハァッ!!」
青白くスパークするエネルギーを纏った右足でカブトはイグニースにカウンターキックを決めた。イグニースは太陽のような火球に向かって吹き飛ばされる。
「ギュエエエエエエエエエエエエエエエッ!!」
―Clock Over(クロックオーバー)―
太陽のような火球が地面と激突し、その中に叩きこまれたイグニースは大爆発した。爆炎が立ち上がる中、カブトは天を指差すポーズを決めた。
 
常盤台地区のとあるモズク養殖場
「おい、なんやアレ?」
養殖場の従業員たちがモズクの上に人のようなものが浮かんでいるのを発見する。
「大変や・・・早よ助けたらな!!」
従業員たちは協力してモズクの上に浮かんでいた少女を引き上げた。
「おい、大丈夫かいな?」
「とりあえず呼吸はしとるみたいやな。おい、誰か救急車呼んだれ」
「うぅ・・・天道・・・・・・」
御坂は口の中に詰まったモズクを食いちぎりながら天道のイメージにうなされていた。
 
「ひより、今日は俺がご馳走してやる」
天道はひよりの喫茶店の厨房を借りて料理を作っていた。
「兄さん、料理してくれるのは嬉しいけどこれで借金を免除してくれっていうのは受け付けないからな」
「ああわかっている。俺もそんなにけちな男じゃない」
妙に機嫌の良い嬉しそうな兄を見てひよりは不安を覚えた。何か不気味な予感がすると。
「さあ、できたぞ」
 
「クソッ・・・天道・・・・・・!!」
ビショビショかつボロボロの体を無理やり動かしてなんとか倉庫に戻ってきた矢車。だがそこで待っていたものは無残な焼け跡とどこにも無いカブトゼクターだった。
「いつか・・・いつか必ず、今日の汚名を挽回してやるぞ・・・天道!!」
言ってから気が付いた。汚名を挽回は間違いで、正しいのは汚名を返上だと。
 
次回予告
鬼柳「よぉ、翔太郎!」
翔太郎「鬼柳! 遊星にクロウ! ジャックまで・・・いったいどうしたんだよ?」
鬼柳「久しぶりに俺たちみんなで満足したいとは思わねえかよ?」
翔太郎「ああ、ぜひともだぜ! 久しぶりのチーム・サティスファクション復活だな!
次回、学園都市の日常・科学サイド『Sで満足/この街の伝説』
これで決まりだ!」
 
天道「今日の最強ヒーローは『仮面ライダーカブト・ライダーフォーム』
マスクドフォームからキャストオフした高速移動形態だ。防御力は著しく下がるが、かわりに高速移動(クロックアップ)と必殺技ライダーキックが使えるようになる。さらにカブトクナイガンをクナイモードにすることで相手の飛び道具を弾き、どんな硬い皮膚でも切り裂くことができる。天を司る俺にふさわしいライダーだ」 
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使用BGM
by Joker 2012/02/05(Sun)20:58:18 Edit
※BGM1『鬼柳京介』(遊戯王5D'sより)
※BGM2『鬼柳京介(ハーモニカver.)』(遊戯王5D'sより)
※BGM3『次回予告』(勇者王ガオガイガーより)
※BGM4『流星バトル』(人造甲虫カブトボーグV×Vより)
※BGM5『ファイナルフュージョン』(勇者王ガオガイガーより)
※BGM6『FULL FORCE』(仮面ライダーカブトより)
※BGM7『マジSOS』(遊戯王5D'sより)
※BGM8『ライダーキック!!』(仮面ライダーカブトより)
※BGM9『本編ED』(チャージマン研!より)
作者追記
by Joker 2010/12/16(Thu)18:21:11 Edit
突然だがEDっていらなくね? と思い、EDを削って(これまでの話からも)次回予告のBGMを入れました。今日の最強ヒーローのBGMなんかは元ネタのまんまです。
おふざけ万歳。
by Sgt.LUKE 2010/12/13(Mon)20:42:32 Edit
電波なハナシだったなァおい。今回もおつかれさまです。
うん、なんというか・・・・・
by ガチャピン 2010/12/12(Sun)23:44:24 Edit
はじけたね・・・・・うん・・・・・
はじけるとはこういうことだってうまく表現できてるね
最後にお疲れ様でした
作者あとがき
by Joker 2010/12/12(Sun)16:01:36 Edit
なんかふざけすぎてそうとうカオスな話になってしまった。だが私は反省しない。
あと学園都市では未来科学で気候と合わないものでも何でも作れるし、モブキャラはナズェカみんな関西弁です。本当は東京なんだけどね。
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