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teamBDR
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男性
職業:
高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
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[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!

[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。

[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。 

[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!

[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。

[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
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第15話「次なるL/殺人サウンド 恐怖のメロディー」
 
作者 Joker

佐天がエクストリーム化しようとした事件から1週間が経った。じめじめとした天気はいまだ続いており、梅雨が明ける様子はまだない。
「・・・ついに完成したわ」
シュラウドの秘密の地下室。学園都市最先端の技術を駆使して作ったパソコンを使ってシュラウドはあるプログラムを今完成させた。
「これを今から学園都市中にばら撒く・・・そして」
シュラウドは椅子から立ち上がり、人差し指でエンターキーを押した。
「ミュージアムとの全面戦争の狼煙(のろし)とする」
 
風都タワー前駅から歩いて5分の学生マンション、その201号室が佐天の住む部屋だ。
「佐天さん・・・いつになったら目を覚ましてくれるんですか?」
初春はベッドの上で死んだように眠っている佐天に話しかけた。
9日前のあのバード・ドーパントの事件からずっと佐天は眠ったままだ。フィリップいわく、エクストリーム化には相当なエネルギーが消費されたそうで、その疲労がいまだに残っているのだという。命に別状はないがいつ目を覚ますのかはわからない。
初春は1人暮らしの佐天を看病するために、毎日この部屋に通っているのだった。だがこの9日間、佐天には何の変化も見られなかった。
「佐天さん・・・そんなに能力者が憎かったんですか?」
佐天の部屋には棚の上に剣道の大会で獲得した数々の楯やメダルが飾ってあったり、床に竹刀が転がっていたり、一際大事そうに漆黒の木刀が壁にかけてあった。天井には擦ったような痕がいくつもある。おそらく素振りをしていて傷つけたのだろう。
初春が佐天の苦悩を感じていた時、初春のケータイが大きな音を鳴らしながら強く震えた。初春は電話に出る。
「もしもし?」
「初春!? 大変なの! 早く風都支部に戻って!!」
相手はジャッジメント風都支部の大隊長、つまり初春の上司だった。何かとても慌てた様子だが・・・
「どうかしたんですか?」
「学園都市中で能力者たちが暴れ回っているの! とんでもない数よ! ジャッジメント全員でも足りないかもしれない・・・とにかく来て!!」
普段は冷静な大隊長がここまであせるなんて異常事態だ。これは急がなければならない。初春は電話を切ると一目散に佐天の部屋を飛び出した。
 
「ヒャッハーーーーーッ!!」
モヒカンヘアーの筋肉質な男たちが杜王地区の商店街をバイクで走り回る。
「ヒャッハーッ!」
その中の男が1人、八百屋に向かって手を向ける。八百屋の店主は怯えながら走って逃げていく。
直後、男の手から強烈な衝撃波が放たれ、八百屋は大爆発して粉塵となって消えた。無残に砕けた野菜や果物、店のレジが地面に転がっている。バイクに乗った男たちはバイクを停めてレジに群がる。
「ハッハッハッ! 金だ、金だぁ!! こいつはいいぜーッ!! この力がありゃあ俺たちは無敵だァーーーッ!!」
男たちはレジの中の札束を空に向かって舞い上げ、高笑いをした。
他の場所でも爆発が次々と起こっている。この男たち以外にもたくさんの暴徒と化した能力者たちがいるのだ。
男たちは再びバイクに乗り、その場を立ち去ろうとする。そこへ、
「待ちなさい!」
「何だぁ? てめえら!」
「ジャッジメントですの!!」
黒子、仗助、億泰の3人がバイクの男たちの前に立ち塞がった。3人ともすでに別の場所でも何度も戦闘を行っており、体の所々が泥やすすで汚れている。
「いったいどうなってんだよ・・・なんだってこんなに高レベル能力者が暴れてやがるんだよ」
億泰は愚痴を含んだ語調で息を荒げながら言った。さっきから戦っている暴徒と化した能力者たちは皆、レベル4以上の能力を持っていた。しかしレベル4以上の能力者は学園都市全体で見ても100人とあとちょっとくらいだ。どう考えても新たにレベル4以上に目覚めた者たちが暴れ回っているとしか考えられない。だがこれだけ多くの人間が同時にレベル4以上に目覚めることなどありえない。
「わからねえ・・・学園都市全体でこんなことになってるなんて・・・・・・最大級の異常事態っすよ」
仗助はすでに思考停止状態に陥っていた。目の前の能力者たちに対応することで精一杯なのだ。
「ヒャッハーーーーーッ!! 轢き殺すぜぇッ!!」
バイクの男たちは一斉にバイクでこちらに向かって突進してくる。
「とにかくやりますわよ!!」
黒子は太ももに潜ませている鉄矢を取り出して指と指の間に挟み持つ。仗助と億泰もそれぞれクレイジー・ダイヤモンドとザ・ハンドを出現させる。
 
初春は街で暴れている能力者たちをかわしながらなんとかジャッジメント風都支部に辿り着いた。そして街で戦闘を行っているジャッジメントメンバーから送られてくる情報を整理、解析していた。
「おかしい・・・やっぱり」
ジャッジメントメンバーが戦闘を行った相手はいずれもレベル4以上の超能力者だった。だがそのすべてが9日前の能力検査ではレベル4未満だったのだ。たった1週間ちょっとでここまでレベルが飛躍的に上がるはずがない。必ず何か裏があるはずだ。
「大隊長、今街に出ている全ジャッジメントメンバーに通達してください。戦った相手に何か不審な点がなかったか、確認を徹底して欲しいと」
 
「はあ・・・はあ・・・やっとこれで全員っすか」
仗助たちはバイクの男たちを全員倒すことに成功した。男たちは全員気絶して倒れている。
仗助と億泰はもう自分たちが今日何人倒したかわからなくなるほど戦っていた。ハードな戦闘がずっと続いた疲れがピーク近くまで溜まっている。思わず仗助と億泰はその場に尻餅をついて座りこんだ。
「何やってるんですの、2人とも。まだまだこの暴動は収まってないんですのよ。早く次の場所へ向かわないと」
黒子は2本の足でしっかりと立って、ハッキリとした口調で2人を催促する。さすがはジャッジメント内でエースと称えられ、マスクドライダーシステム・イクサを受け取っただけのことはある。
仗助と億泰が膝に手の平を当て立ち上がろうとした時、
「フハハハハハ! さすがはジャッジメント、昨日今日高レベル能力者になったばかりの奴には負けないか」
地面に落ちているさまざまな破片を踏みつけながらこちらに向かってくる者がいた。襟が長く立っている白いロングコートを纏った、ほっそりとした高身長の男だ。顔は高校生のようだが、仗助や億泰よりは年上という印象を受ける。そしてなによりも特徴的な黄緑色のショートヘアーをしていた。
「何者ですの?」
「ボクの名は社 長道(やしろ ながみち)。ボクも最近高レベル能力に目覚めたたちでね、君たちをこれから倒そうと思うんだ」
黒子はそれを聞いて身構える。こいつも敵だ。
社は余裕の笑みを浮かべながら、バイクの男たちのバイクを一台選んで右手で触れた。
「ボクの能力はとてつもなく強力でね、元々はレベル2だったのがある方法で先日レベル5まで一気に上がったのさ」
「ある方法とは?」
「そうだな・・・君たちがボクに勝ったら教えてあげてもいいだろう。ま、君たちのレベルじゃ無理だと思うけど・・・・・・」
社の触れたバイクがモザイクがかかったように、一点ずつどんどん姿を変えていく。
「ボクの能力は『物質変換(ジェネシックファントム)』。物質をあらゆる他の物質に変換して造りかえる能力さ。・・・さあ、出でよ! 青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)!!」
バイクは社の能力により体長3メートルほどの青い瞳を持つ美しい龍へと変身した。
「ふはははーーースゴイぞーカッコいいぞー!! これがボクが最もリスペクトするデュエリスト、海馬 瀬人(かいば せと)のエースモンスターだ!」
海馬瀬人とはかつて3体のブルーアイズ・ホワイト・ドラゴンを操り、デュエルモンスターズ界でトップクラスの実力を誇ったデュエリストだ。彼の力強いプレイングはいまだにデュエリストたちの間で語り継がれ、新たなファンを生み出し続けている。
「わははは! いけっブルーアイズ、滅びのバーストストリーム!!」
「ギャアアアアアアアアアアアオッ!!」
ブルーアイズは口を開きバイクに入れてあったガソリンを元としたエネルギーを集中・蓄積する。そしてその破壊エネルギーがマックスまで溜まった瞬間、ブルーアイズはそれを破壊光線として黒子たちに向けて放った。
これはまずいと思った黒子はテレポートでへたりこんでいる仗助と億泰の元へと移動する。そして仗助と億泰に触れて光線の射程から外れた場所にさらにテレポートした。
光線は黒子たちに当たることなく直進し、地面に当たって大爆発を起こした。光線を避けた黒子たちだがすさまじい爆風が粉々に砕けたアスファルトと共に襲ってきて痛い。
「フゥン・・・やはりこの程度は避けられるか。だが・・・」
社は両手でそれぞれ1台ずつバイクに触れる。そして更なるブルーアイズを造り出した。
「どうだ! 海馬瀬人と同じブルーアイズ3体だ! わははははは!! これでボクの勝ちは確定し、ジャッジメントを3人も倒したという名誉が手に入る!! ハハハハハ!!」
社は上機嫌に高笑いをした。早くも勝利の余韻に浸っているのだ。
「クソ・・・あんなに笑いやがって・・・ぶっ飛ばしてやりてーがもう体力がねーぜ」
「その通りっすよ・・・おまけにさっきからあいつの髪の毛がキャベツと同じ色としか思えねーし、すっげーとがって立ってるあの襟も気になって仕方ねー・・・・・・ホンと最低な野郎だぜ」
億泰も仗助ももう限界に近い。黒子は自分1人で戦うしかないと考え、決意を固めた。
「こうなったら、これで戦うしかありませんわね」
黒子は懐から箱とメリケンサックを合わせたような装置、イクサナックルを取り出した。
「・・・! 黒子それは!!」
「イクサに変身すんのかよ!? やべーぜそいつは!」
マスクドライダーシステム・イクサ。変身すれば絶大な力を得られ、ブルーアイズなど簡単に倒せるだろう。だがイクサはまだ調整途中のシステムだ。絶大なパワーの反動のダメージを解消する機能がまだ完成していないのだ。変身すれば体に重いダメージが残る。おそらく黒子でも立っていられなくなるだろう。
仗助と億泰はできるなら黒子に変身させたくない。だが自分たちにはブルーアイズに立ち向かうだけの体力は残っていない。仕方がないがここは黒子に任せるしかない。
「黒子、お前が変身を解除したら肩貸して歩けるように休んでおくぜ」
「俺もだ、俺も黒子ちゃんに肩を貸せるように体力を回復しておくぜ」
「ええ、頼みますわ」
黒子は右手に持ったイクサナックルを左の手の平に押し当てる。
―レ・ディ・ー ―
イクサナックルが黒子を認識して電子音声を鳴らす。
「変身!」
黒子は腰に巻かれたイクサベルトにイクサナックルを上からはめこんだ。
―フィ・ス・ト・オ・ン―
黒子の体を白い鎧が包み、十字架の形をした光が黒子の体を前から通り抜け、黒子は仮面ライダーイクサに変身した。
「フゥン・・・仮面ライダーか。噂には聞いたことがある。だがボクのブルーアイズにはかなわないな」
社はイクサに向けて右の人差し指と中指を伸ばす。3体のブルーアイズはその指が示す方向に顔を向ける。
「滅びのバーストストリーム!!」
ブルーアイズたちは一斉にイクサに向かって破壊光線を撃つ。だがイクサはテレポートによって瞬時にブルーアイズたちの懐に移動する。光線はすべて地面に直撃した。
「たあッ!」
イクサのキックが3体の内右のブルーアイズの腹にめり込む。
「ギャアアアアア・・・・・・」
ブルーアイズは悲鳴を上げながらズシンと音を立てて前に倒れた。
「なに! ボクのブルーアイズが一撃で機能を停止しただと!?」
イクサは間髪入れずにテレポートし、今度は左のブルーアイズの背後に回った。
「まずい! ブルーアイズ、首を狙われている!!」
社の叫び虚しく、ブルーアイズが振り向く前にイクサはブルーアイズの首にかかと落としをくらわせた。ブルーアイズの首は90度折れ曲がり、今度は悲鳴を上げることもなく倒れて機能を停止した。
「そ・・・そんな馬鹿な・・・・・・ボクのブルーアイズが!!」
社は大きくショックを受け放心状態になりかけた。だが徐々にブルーアイズをやられたことに対する憎悪が強まってきた。放心状態になっている暇などない。
「おのれぇ・・・!! 貴様のやったことは万死に値する! 生かしては帰さんぞ!!」
社は右手の人差し指と中指を真っ直ぐ並べて伸ばす。
「やれ! 滅びのバーストストリーム!!」
最後の1体となったブルーアイズは社が示した方向に破壊光線を放つ。しかしそれはイクサに向けて放ったものではなかった。光線は少し離れたところで休んでいる仗助と億泰に向けて放たれたのだ。
社は考えた。直接イクサを狙ってもテレポートで避けられるだけでほぼ確実に当たることはない。だが仲間を狙われたら、イクサはバーストストリームから仲間を守るために動くだろう。そこを狙って更なるバーストストリームを撃てば確実にイクサを仕留めることができる。
「ハハハ! 粉砕! 玉砕! 大喝采!」
社は勝利を確信し、憧れの海馬瀬人の格言を叫んで上機嫌になった。
だが次の瞬間、社は自分の目を疑った。イクサは棒立ちしていてまったく動こうとしていないのだ。
「なんだと!? まさか仲間を見捨てるのか!?」
「何勘違いしているんですの? あの2人はこの程度のことで私がかばわなければならないほど弱くはありませんわ」
刻一刻と光線がこちらに向かって伸びてきている。億泰はザ・ハンドを出現させ自分たちの前に立たせる。
「いくぜ・・・オレのザ・ハンドの真の力を見せてやる」
億泰のザ・ハンドは右手で空を引っ掻く。すると引っ掻いた部分に一筋の線が刻まれた。その線が刻まれた部分から空間が左右に開き、円形の異空間への入り口が開いた。異空間の入り口は光線をすべて吸い込み、そして閉じた。
「ば・・・馬鹿な! バーストストリームが!?」
「全部返してやるぜ!!」
ザ・ハンドは今度は左手で空を引っ掻く。そしてさっきと同じように今度は異空間の出口が開いた。異空間の出口から先程吸い込まれたバーストストリームが発射される。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
ブルーアイズは自分が放ったバーストストリームの直撃をくらう。そして体の表面で小爆発が起こり、最後のブルーアイズもあえなく倒れた。
「ボ・・・・・・ボクの『青眼の白龍(ブルーアイズ・ホワイト・ドラゴン)』がぁぁぁぁぁ・・・ぜ・・・・・・ぜん・・・め・・・めつめつめつ・・・」
社はあまりのショックに眼を白黒させている。
「億泰、特訓の成果はあったようですわね」
億泰は首を縦に振る。
億泰は前に承太郎から、『1つのスタンドに能力は1つ。だがスタンド使いが精神的に成長することで新たに能力が目覚めることがある』と聞いていた。承太郎のスタープラチナも元々は特に何の能力もないスタンドだったが、強敵との戦いを経て『時を止める能力』を新たに得たのだという。
億泰は黒子がイクサを手に入れた時、自分自身ももっと強くなって他の2人をサポートしなければならないと考えた。億泰は兄の死や佐天のエクストリーム化を通してミュージアムと戦うという意思を極限まで高め、その想いで血が滲むようなトレーニングに励んだ。そしてザ・ハンドの新たな能力、『異空間への扉を出現させる能力』を得たのだ。
「キ・・・キイイイイイイイイイイイイイイイ!! 許さん・・・絶対に許さん!! いくぞ! ブルーアイズ3体融合!!」
社の声でブルーアイズたちは操り人形のようにぎこちない動きで立ち上がる。そして3体は再びモザイクのように姿を変えていく。そして3体は重なり合い、やがて3つの首を持つより巨大なブルーアイズとなった。
「青眼の究極竜(ブルーアイズ・アルティメットドラゴン)!! わはははははどうだぁぁぁ!!」
社はブルーアイズの背中に乗る。そしてブルーアイズは空に向かって飛び立った。
「すべて粉々に粉砕してくれるわ!! いくぞ、アルティメット・バースト!!」
ブルーアイズは3本の首をそれぞれ別の方向に向ける。どうやら町全体を焼き尽くすつもりらしい。
「そろそろ決めさせてもらいますわ」
イクサはベルトに必殺技発動のキー、ナックルフエッスルを挿し込んで読み込ませる。
―イ・ク・サ・ナッ・ク・ル・ラ・イ・ズ・アッ・プ―
ベルトからイクサナックルを取り外し右手に持つ。そして上空のブルーアイズの腹の直前にテレポートさせた。
「たあッ!」
イクサはジャンプ、そしてテレポートでブルーアイズの腹の前に現れる。
「セエエエエエイッ!!」
イクサはオーバーヘッドキックのような動きでイクサナックルを右足でブルーアイズの腹に叩きこんだ。イクサナックルから放たれる瞬間電圧5億ボルトものエネルギーがブルーアイズの体に流れ込む。
「シャ・・・シャギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
「バ・・・バカなああああああああああああああああああ!!」
イクサの必殺技、ブロウクン・ファングによってブルーアイズは粉々に砕け散った。
気絶して落下していく社をイクサはキャッチして地面に降り立つ。黒子は社を地面に下ろして変身を解除した。
「やったな、黒子!」
仗助たちが黒子に駆け寄ろうとした時、黒子はフラッと足から力が抜けたように倒れようとした。
「危ねえ!」
仗助は間一髪、黒子を両腕で支えた。
「大丈夫かよ、黒子ちゃん・・・」
億泰はしゃがんで黒子の顔色を窺う。息を荒げて苦しそうだ。
「全員消耗が激しいですわ・・・とりあえず杜王支部に戻りましょう」
黒子がそう言ったので仗助は黒子を、億泰は社を背負って支部に戻ることにした。だが、
「ヒャッハーーーッ!! みろぉ、ジャッジメントだぜぇ! しかも手負いだあ!!」
更なる能力者たちが仗助たちの前に現れて立ち塞がった。
「クソ・・・まずい・・・・・・」
こちらはもう戦える状態ではない。絶体絶命のピンチ。そして能力者たちは仗助たちに襲い掛かろうと走り出した。その時、
「エコーズッ!!」
突如赤い光の波動が発せられ能力者たちを吹き飛ばした。
「康一! 来てくれたのか!?」
仗助は後ろを振り向く。そこには仗助たち同様汚れて泥だらけの康一がいた。
「仗助君から連絡を貰って家を出たんだけど、時間がかかっちゃった。ゴメン」
「なに言ってんすか、ベストタイミングっすよ!」
仗助は心強い味方を得て笑顔になる。
「よし、康一。ここから杜王支部までの護衛、頼んだっすよ!」
 
「ヒャッハーーーーーッ!!」
常盤台地区の駅前メインストリートでも暴徒と化した能力者たちが暴れ回っていた。
「ぜえええええええええええいッ!!」
一筋の雷撃が能力者たちを鎮める。御坂だ。彼女も戦っていた。
「何なのよこいつら! 次から次へと湧いてきて・・・きりがないわ!!」
御坂は襲い来る能力者たちを手から発する電撃で攻撃する。だが敵も自身の能力で御坂に対抗してくるためなかなか決定打を与えられない。
「キィエエエエエエエエエエッ!!」
「しまった!」
前の敵に集中していて後ろから迫る敵に気がつかなかった。これで流行られてしまう・・・そう思った時、
「オギャンッ!?」
御坂を背後から襲おうとした敵の頭部に赤いカブトムシがぶつかって敵を気絶させた。
「赤いカブトムシ・・・まさか!」
御坂は振り向く。やはり、そこにいたのは天道だった。浴衣を着こなし、左手に豆腐を入れたボウルを持って歩いている。
「誰かと思ったら・・・御坂か。久しぶりだな」
「アンタ、こんな時に何で豆腐なんか持って歩いてんのよ? 学園都市中で能力者が暴れてるんでしょ?」
「こいつらごときに俺の道を妨げることはできない。それだけだ」
御坂と天道が何気ない会話をしている間に敵は2人を円形に囲っていた。
「ヒャッハーッ! 袋叩きだぜぇ」
「ちょっとアンタ、ピンチよ! 早くカブトに変身しなさいよ」
御坂は天道に強く命令するような口調で言ったが、
「何で俺がお前に命令されなきゃならない。第一、俺は生身の人間相手には変身して戦ったりはしない」
天道はキッパリとそう言って返した。
「じゃあどうすんのよ?」
「俺は他に用があるんだ。お前が道を開けろ」
「アンタねえ! 人に命令するなって言っておいて自分は命令するわけ!?」
「お前と俺では格が違う。当たり前だろう」
そうこうしている間に敵は2人に襲いかかろうとしていた。
「ゲヘヘヘ、俺の能力で2人とも粗引き肉団子にしてやるぜぇ!!」
その時だった。
「オラアッ!!」
「ボベっぱ!!」
突如2人を囲んでいた敵の内数人が吹っ飛んで消えたのだ。
「外が騒がしいと思ったら・・・こいつはどういうことだ?」
敵を吹っ飛ばしたのは承太郎だった。承太郎が滞在しているホテルはこの周辺にあったのだ。
 
「黒子、コーヒーだ」
「ありがとう、仗助」
康一の護衛のおかげで黒子たちは無事に杜王支部に辿り着くことができた。黒子は椅子に腰掛けパソコンのディスプレイに顔を向ける。
『白井さん、皆さんの協力のおかげで敵の能力の秘密がわかりました』
ディスプレイに初春の顔が映る。黒子のパソコンに映像付きの通信を入れてきているのだ。
「いったい何なんですの? いきなりこれほどまでの高レベル能力者が出現し、暴れた理由とは!?」
黒子、そして後ろにいる仗助、億泰、康一もディスプレイを凝視する。
『ええ、ではまずこれを聞いてください』
そう初春が言った直後、こちらのパソコンに初春からのメールが送られてきた。メールには『幻想御手(レベルアッパー)』というタイトルの音楽ファイルが添付されている。黒子はこれは何かと初春に聞く。
『今回暴れ回っている能力者たちは皆、音楽を再生できる機器を持っていました。それらすべてにこの曲が入っていたんです』
「そういえばさっき倒した社の所持品の中にも音楽プレイヤーがあったぜ」
億泰は社の所持品を入れてある鉄製のトレイを出す。そして社の音楽プレイヤーを触ってタイトルリストを見る。すると社の音楽プレイヤーにも『幻想御手(レベルアッパー)』の存在を確認できた。
黒子はメールに添付されている『幻想御手(レベルアッパー)』を再生してみる。
「なんなんですの・・・この気持ち悪い音・・・・・・」
「本当だぜ。誰だよ、こんな趣味のわりー曲作りやがったのわ!」
こんなものは音楽ではない、音響兵器だ。と黒子と億泰は思ったが、
「え~! そうかな? 僕はいい曲だと思うけど・・・」
「マジかよ、康一!? 気でも違えたんすか?」
仗助は真剣に康一の心配をした。それだけこの曲は酷い。
まあそんなことはともかく、黒子は初春にこの曲の説明を求めた。
『この曲には人の脳を操作する能力があるんです。私が送ったものは一部のメロディーを外してあるので大丈夫ですが、本物は聞いた者の能力レベルを大幅に上げた上で凶暴化させる作用があります』
「なるほど。低レベル能力者がいきなり高レベル能力に目覚めたのも、暴徒となって街のいたるところで暴れているのも、すべてこの曲のせい・・・でも誰が何故このようなものを?」
『今のところわかっているのはこの曲に秘められた能力だけです。それ以外一切のことはわかりません』
 
「クソォ!! 何なんだ、こいつら!?」
鳴海探偵事務所の前でも暴徒と化した能力者たちは暴れていた。翔太郎は1人ずつパンチで殴り倒している。
「チクショー! 倒しても倒してもきりがねえ!!」
「翔太郎! 僕も手伝うよ」
あまりの異常事態にフィリップも外に飛び出す。フィリップは懐から自作のガイアメモリ型制御キー、ギジメモリを取り出す。
―スタッグ―
フィリップはスタッグのギジメモリを携帯電話型のツール、スタッグフォンに挿し込んだ。するとスタッグフォンは変形してクワガタムシ型の小型メカとなった。
スタッグフォンは空を飛び回り能力者たちを次々と角で攻撃していく。
「助かるぜ、フィリップ!」
「礼は後だ! この事件の首謀者がわかったんだ」
「なんだと!? 本当か?」
フィリップはうなずく・・・
 
翔太郎が外で能力者たちと戦っている間、フィリップは敵の正体について地球(ほし)の本棚で探っていた。
「最初に翔太郎が倒した能力者、『網刃 邪疑(あみば じゃぎ)』。その能力はレベル4の『筋肉操作(マッスルコントロール)』だった。だが調べてみたところ、彼は3日前まではレベル1の低能力者だったようだ。それが『急成長した方法』とは?」
フィリップは3つのキーワードで検索をかける。そして・・・
 
「わかったんだ! こいつらは2日前にメールで送られてきた『幻想御手(レベルアッパー)』というプログラムで自分の能力を急成長させたんだ! それを作った奴の居場所もわかった。翔太郎、急ごう!」
あたりの能力者たちは大体方がついた。フィリップはハードボイルダーを手で押して持ってくる。そして翔太郎が前に、フィリップが後ろに乗ってエンジンをかけた。
「まさか・・・あの人が首謀者だったなんて・・・・・・!!」
 
「そうか、君たちもこいつらと戦っていたのか」
承太郎は天道と御坂を囲っていた能力者たちを片付け2人から話を聞いていた。
「助けてくれたのはありがとう。ところであんた、スタンド使いよね? さっきちょっと見えたけど」
御坂はレベル5の超能力者だ。スタンドの姿が目視できる。
「俺は空条承太郎。街の外の人間だが、わけがあってこの街のホテルに滞在している」
「わけって?」
「わからない・・・何故これだけの能力者がいきなり暴れだしたのか。この騒動には必ず裏がある」
「まあいい、道は開けた。俺は行かせてもらうぞ」
天道は真っ直ぐこの場を去っていこうとする。
「待ちなさいよ!」
そんな天道を御坂は呼び止め、
「アンタ・・・もしかしてこの騒動の首謀者について、何か知ってるんじゃないの?」
「何故そう思う?」
「勘よ。なんとなくだけど、アンタは何考えてんのかわけわかんない奴だけど、こんな時に豆腐を買うためだけに外に出てくるわけがない。アンタには絶対何か裏がある」
天道は立ち止まった。そして振り向かずに、
「その通りだ。俺はこれからこの騒動の首謀者に会いにいく」
「なんだと!?」
その言葉に反応したのは承太郎だった。
「知っているのか? 首謀者の正体を」
「心当たりがある。おそらくだが、それで間違いない」
「君は・・・ミュージアムを知っているか?」
承太郎は神妙な顔つきになり天道の後頭部をにらむように見つめる。
「やはりあんたもミュージアムと敵対するものだったか。腕に自信があるだけの男ならあんたみたいな雰囲気は出せない」
天道は振り向いて承太郎の顔を見る。
「首謀者はミュージアムではない。俺は今から首謀者にこの騒動の真意を確かめにいく」
「その必要はないわ」
その時、天道たちに向かってとてつもない勢いの突風が吹き荒れた。地面で倒れている能力者たちは後方へと吹き飛ばされ、天道たちは必死に地面に踏みとどまる。
やがて突風は吹き止み、天道は前方を見る。
「やはりお前か・・・そちらから現れてくれるとはな・・・・・・シュラウド」
全身を包帯で巻いた黒いコートの女、シュラウド。彼女が天道がこの騒動の首謀者とにらんだ人物であった。そして彼女は自ら天道の前に現れたのだ。
「あなたは今回の騒動が私によって起こされたものだと思っている・・・その通りよ」
「何故このようなことをする?」
天道はシュラウドのサングラスをにらむ。
「そうね・・・その問いに答えることは簡単だわ・・・・・・でも」
シュラウドは帽子とサングラスを外し、顔に巻いた包帯を取った。
「私と戦って、あなたたちが勝ったら教えてあげるわ」
茶色のウェーブがかった長い髪が風になびく。生気を感じられない目の下には濃いくまができている。30代前半くらいの年齢だろうか。初めて見るシュラウドの素顔の印象はそんな感じだった。
「いいだろう。相手になってやる」
曇り空の切れ間から太陽が顔を覗かせる。今、学園都市の未来を左右する戦いが始まろうとしていた。
 
次回予告
天道「強い・・・これがシュラウドの力か・・・!」
御坂「なんなのよ、コイツ・・・何でこんなにたくさんの超能力が使えるのよ!?」
シュラウド「これもすべては来人(らいと)のため・・・」
フィリップ「シュラウド、まさかあなたは!?」
翔太郎「俺たちは2人で1人の仮面ライダーだ。地獄の底までついていくぜ、相棒。
次回、学園都市の日常・科学サイド『次なるL/第一章・完 俺たちの戦いはこれからだ!!』
これで決まりだ!!」
 
翔太郎「今日の最強ヒーローは『仮面ライダーイクサ』
ジャッジメントが誇るマスクドライダーシステムだ。イクサナックルを持っていれば誰でも変身できるが、今は黒子が装着者になっている。まだ未調整のライダーシステムで、変身すれば大ダメージを受けちまう。必殺技はイクサナックルから破壊エネルギーを放つブロウクン・ファングだ」

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使用BGM
by Joker 2012/02/07(Tue)22:38:49 Edit
※BGM1『裏』(遊戯王5D'sより)
※BGM2『ボルガ博士死のバラード』(チャージマン研!より)
※BGM3『フォーゼ変身』(仮面ライダーフォーゼより)
※BGM4『うごめく影』(遊☆戯☆王デュエルモンスターズより)
※BGM5『イクサ変身』(仮面ライダーキバより)
※BGM6『明日香のテーマ』(遊☆戯☆王デュエルモンスターズGXより)
※BGM7『サソード』(仮面ライダーカブトより)
※BGM8『殺人レコード恐怖のメロディ』(チャージマン研!より)
※BGM9『心理戦』(遊戯王5D'sより)
作者あとがき
by Joker 2011/06/24(Fri)00:04:13 Edit
スイマセン。
我がパソコンの外付けハードディスクが壊れるという緊急事態、および修復不可能だったショックで投稿が遅れました。なんてこったい・・・
まあもう立ち直ったからいいけど。

とりあえず6月中に遅れを取り戻すためにもう1回投稿したいと思います。
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