忍者ブログ
Twitter
カウンター
コンテンツ
~teamBDRの酒場~
掲示板です。

~teamBDRの会議室~
チャットです。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ブログ内検索
メンバー自己紹介
HN:
teamBDR
性別:
男性
職業:
高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
メンバーの紹介なんDA
[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!

[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。

[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。 

[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!

[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。

[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
バーコード
ブログ村
アクセス解析
引越ししました→http://teambdreveryday.blog.fc2.com/
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

第31話「勇ましきB/怪人総進撃」

作者 Joker


風都地区・とあるカトリック教会
佐天は十字架の前に花を供えた。白井黒子の墓だ。
「まさか白井さんが死ぬなんて・・・思ってもみませんでした。でも安心して眠ってください。私も白井さんの愛したこの街を守るために戦います」
佐天は黙祷をささげる。その後ろで初春、仗助、億泰、翔太郎、フィリップ、天道も黙祷をささげた。
5人は鳴海探偵事務所への帰路につく。その途中で翔太郎たちは佐天がいない間に起きた事を話した。
仮面ライダーギャレン・橘、仮面ライダーブレイド・剣崎、仮面ライダーカイザ・草加雅人、ジャッジメントの崩壊、仮面ライダーイクサ・名護啓介、ミュージアム四天王ウェザー・ドーパントの井坂深紅郎、同じくミュージアム四天王アギトの力を持つ利根川幸雄、カブト・ハイパーフォーム、翔太郎が一度死んでアギトの力に覚醒しつつある事、オルフェノクの力とアギトの力の事、スマートブレイン、ファングメモリ、未知数の力を持つミュージアム四天王・黒岩省吾と彼の秘書で康一を殺したスタンド・キラークイーンの使い手・吉良吉影、そして初春のオルフェノク化と仮面ライダーサソードとなった佐天・・・・・・
佐天に伝えようと始めた事だったが、慌しい中で皆で集まって話す機会が無かった事もあり、会話は自然に報告会議へと変化した。思い返してみると佐天が学園都市を出たのが約1ヶ月前、仗助たちが橘と初めて会ったのが2週間ほど前、ジャッジメントが崩壊したのが1週間ちょっと前だ。そしてダブルが初めてファングジョーカーに変身したのが一昨日の事で、佐天が帰ってきたのが昨日の事だ。すさまじく密度の高い2週間だった、佐天以外の全員がそう思った。
「そういえば、吉良吉影の過去を見てわかった事がある」
天道の発言に全員が注目する。
「白井を瀕死に追いやったのは確かに雅人だ。だが白井に止めを刺したのは吉良吉影だ」
「なんだって・・・!?」
今までずっと黒子を殺したのは草加だという話だった。予想外の新事実に全員目を見開いて驚く。
「吉良吉影・・・そもそもこいつは綺麗な女の手を収集するのが趣味という猟奇殺人犯だった。スタンド、キラークイーンは生まれつき使えたらしく、その能力を買われてミュージアムにスカウトされたようだ」
「つまり黒子は草加に襲われて弱ってたところを吉良吉影の野郎にその手を目当てに襲われて殺されたって事かよ?」
仗助がそう言うと天道はうなずいた。
「ふざけやがって・・・吉良吉影も、黒子を殺した犯人ではなかったとはいえ草加雅人も、放っておいたら危険すぎるぜ・・・・・・絶対に俺たちの力で倒してやる」
億泰と共に意気込んでいる仗助を見て天道は雅人の事を考えていた。雅人の戦う理由がひよりである事を知っているのは自分だけだろう。雅人の性格から考えてむやみに他人に喋っていないのは想像がつく。だが自分がこれを仗助たちに話してもさほど意味はない。それでも仗助たちにとって草加が自分勝手な戦いをしている事に変わりは無いからだ。そして草加自身も自分を理解して協力してくれる仲間を求めてはいない。天道は草加の戦う理由は皆に教えない事にした。
「そういえば、佐天さんはこの1ヶ月間何をしていたんですか?」
初春は佐天に聞いた。
「この街を出た後、心・技・体を鍛えるために自分の足で日本一周してたのよ。日本中歩きまわっていろんな剣術を盗んできたけど・・・いや~大変だったなぁ。特に全身包帯でぐるぐる巻きのミイラみたいな人が刀を燃やして斬りかかってきた時は怖かったなー」
佐天は笑いながら言っているが、もし本当だったらなんて危ない事をしてきたんだと翔太郎は思った。もしかしたら今の佐天には誰も勝てないんじゃないかとすら思えた。
そんな感じで皆でわいわい喋りながら歩いていると、突然黒服の男たちが現れて道を塞いだ。
「お前ら・・・スマートブレインか!!」
翔太郎はスーツのロゴを見て言った。
「そうだ。社長がお前たちに話があるそうだ。全員ついてきてもらおう」
「そう言ってよぉ、俺たち全員まとめて潰そうとしてんじゃねえのか?」
億泰は噛み付くように言った。
「そうではない。社長はお前たちと共にミュージアムと戦いたいと言っている」
「なんだと!?」
全くの予想外。昨日も一昨日も戦った連中が、今日は一緒に戦おうと言っている。いったいどのような心境の変化があったというのか? 罠の可能性もある。だが本当に協力する気があるというのなら一度話を聞いてみるのもいい。
「わかった。連れて行け」
皆を代表して天道がそう言った。


スマートブレイン本社ビル・社長室
翔太郎たちは全員無事に何事も無くそこまでたどりついた。スタープラチナが壊したガラスは元通りに直され、その前に村上は立っている。
「ようこそ皆さん」
村上は真剣な表情で言った。
「いったいどういう事なんだ? 昨日まで俺たちを殺そうとしてたのに、今度は一緒にミュージアムと戦おうってのは?」
翔太郎は単刀直入に聞く。
「訝しく思う気持ちはわかります。ですが少し事情が変わったのです。そう、あれは昨日の夜・・・」


「ミュージアム四天王・・・利根川幸雄!?」
ミュージアム、その存在は村上も知っていた。街を裏から支配している秘密結社、と。
「いったい何の用ですか?」
村上が問うと利根川は、
「うちのボスから命令が下った。スマートブレインは果たして敵なのか・・・味方なのか・・・はっきりさせてこいとな・・・!」
「つまり、ミュージアムの傘下に入れ・・・という事ですか?」
「我々は強制するつもりは無い・・・だが! 敵だというのならばミュージアムは全力をもって貴様らを潰す・・・!!」
利根川の表情は真剣そのものだ。温情などというものは一切感じられない。冷徹・・・まさに非情・・・!
村上の額を冷や汗が流れる。それを見て利根川はクククと笑い、
「なに、今のは君たちが敵になった場合の話・・・これからは味方になった場合の話だ・・・・・・我々ミュージアムはオルフェノクを完全な状態にする技術をすでに完成させている」
「なんだと!?」
驚愕・・・! 村上、あまりの驚きに言葉が出ない・・・!!
「オルフェノクの研究はウイルスがばら撒かれたあの事件以降はどこの研究機関でも行われていない・・・が! この街を支配しているミュージアムはこの街で行われている全ての研究データを持っている。そしてミュージアムの技術をもって完成させたのだ・・・オルフェノクを完全な状態にする抗体を・・・!! ・・・もっとも、オルフェノクの細胞崩壊のデメリットを消せただけで人工的なアギトの力の開発は叶わなかったがな・・・」
「・・・それが味方になった場合のメリットですか・・・・・・」
村上、考える・・・ミュージアムに協力するか・・・しないか・・・! 悲願であったオルフェノクの生存か・・・悪事への加担か・・・・・・オルフェノクの未来が村上の返事1つで全て決まる・・・まさに究極の二択・・・!! そして・・・!!
「悪いですが、我々スマートブレインはあなた方とは違う。この街は我々が生きて帰る場所だ。そこをあなた方のような悪人がのさばる所にしたくはない」
英断・・・! 村上、究極の決断・・・!!
「フン・・・そうか。私は同じ質問は2度もしない・・・今、貴様らが敵である事を確認した・・・!! 覚悟をしておけ・・・!!」
利根川、憤慨・・・! ズカズカと社長室を去っていく・・・!!

「・・・というわけなんです。我々としてはあなたたちと協力してミュージアムを倒し、オルフェノクを完全にする抗体を手に入れたい」
「要するに、利害が一致するようになったから俺たちを利用しようという事か」
天道は不愉快そうに言った。このような手の平返しは全く信用できない。だが、
「俺は協力するぜ」
天道の不信をよそに翔太郎は言った。
「その代わり、抗体を手に入れたら初春や杏子にも使わせてやってくれ」
「左・・・お前・・・」
「天道、いいじゃねえか。手の平返しでも何でも・・・抗体を手に入れればもうスマートブレインはアギトの力を狩る必要もねえし、初春や杏子を救う事もできる。誰も損しねえだろ?」
確かにそうだがいまいち腑に落ちない・・・だが考えれば考えるほど翔太郎の言う通りな気もしてきた。結局天道は、
「わかった。協力しよう・・・何か問題が起こったら俺が何とかしよう」
天道は村上をにらみながら言った。
「俺たちも異存は無いっすよ。それで仲間の命が救えるなら、多少の危険は覚悟できるっすから」
仗助は億泰と佐天の分も代表して言った。それを聞いた初春は、
「友達が私のために命を懸けてくれるというのなら、私も命を懸けて友達を守るために戦いたいです」
フィリップは、
「僕は翔太郎と同意見だ。もし問題が起これば僕も天道総司と同じ事をする」
これでこの場にいる全員がスマートブレインに協力する事が決定した。
村上はニッコリ笑みを浮かべて、
「良かった。これで心置きなくミュージアムと戦える・・・」
村上はそう言った直後、急に真剣な表情になって初春を見る。
「初春さん、もし私がいなくなったらこの会社を頼みます」
「え!?」
初春は声に出して驚いた。他の皆も一様に驚いている。初春に会社を任せる・・・つまり初春を次期社長に選んだという事だ。
「どうして私に?」
「あなたのジャッジメントでの活躍は知っている。コンピュータの扱いであなたに敵う者はいないと・・・私はミュージアムとの戦いで死力を尽くして戦おうと思っている。あなたのような上の上の方が後に控えてくれていると思うと本当の全力を出せる」
誰も返す言葉が無かった。村上は本気でオルフェノクの未来を切り開こうとしている。己の命を懸けた覚悟にとやかく言う事は誰にもできない。何かできるとしたらそれは村上の覚悟に応える事、ミュージアムと本気で戦う事だけだ。皆そう思った。
「わかりました。いざというときは私が社長を受け継ぎます」
初春がそう答えた直後、1人の社員がノックも無しに社長室に入ってきた。皆何事かと振り向く。社員はかなり慌てた様子で、
「大変です社長! 街のいたるところでオルフェノクがミュージアムの者に襲われています!!」
「何だと!?」


常盤台地区・イギリス街
スマートブレイン社員の琢磨逸郎はオープンカフェで紅茶を飲みながら読書をしていた。
「いい天気だ・・・今日のような日はおいしい紅茶を飲みながら読書をするに限る・・・」
「キャーーーッ!!」
「うわあああッ!!」
突然、無数の悲鳴とその場から逃げる足音が耳に飛び込んできた。
「いったい何ですか・・・」
不愉快そうに琢磨は手にした本から目を逸らして辺りを見る。
「オルフェノク・・・ボソグ・・・」
1体の怪人が琢磨に向かって歩いてきていた。怪人は白い体に金色の装飾具つけた見た目をしていて凄まじく強そうだ。琢磨が知る事ではないが、怪人の名はトライアルNといった。
「まったく、やれやれですね」
琢磨の顔に紋様が浮かぶ。琢磨はセンチピードオルフェノクに変身した。
だがその直後、センチピードオルフェノクの体が自然発火して炎に包まれた。トライアルNの力だ。
「なッ! う、うわああああああああああッ!! 助けてえええええええええええええッ!!」
センチピードオルフェノクの断末魔の悲鳴が街にこだました。

「報告によるとどうやら襲っているのはトライアルシリーズと呼ばれる15体の怪人だそうです」
「トライアルシリーズだと!?」
社員の言葉に仗助は反応する。
「あれは橘さんのギャレンのキングフォームの攻撃力でやっと倒せるようなやつだぜ・・・それが15体・・・15体!? 橘さんは今までに倒したトライアルは11体だって言ってた・・・トライアルは全部で26体・・・残り全部じゃねえか!!」
「トライアルたちは2、3体のチームでオルフェノクを狙って暴れているようです」
「そうですか・・・ではいくつかのチームに別れて行動した方がよさそうですね」
社長はまずこの場にいるメンバーから編成しようと考える。
「仗助君、この中でトライアルシリーズに対抗できるだけの攻撃力を持っているのは誰ですか?」
「そうっすね・・・俺のわかる範囲だと、天道さんのカブト・ハイパーフォーム、翔太郎さんとフィリップのダブルのファングメモリを使用した形態、後は億泰のザ・ハンドくらいっすかね」
「よし、じゃあ君たちを2チームに分ける。1つ目は左さん、フィリップ君、仗助君、億泰君のチーム。もう1つは天道さん、佐天さん、初春さんのチームです」
「社長はどうするんすか?」
「私はこの後ここにいる社員たちのチーム編成もしなければならない。その後私も戦場に出ます」
「社長・・・まさか!?」
社員が村上を心配そうな目つきで見ている。村上は口元だけ笑ってみせる。
「そのまさかってのは・・・カイザのベルトの事かなァ?」
全員扉の方を向く。そこには全身ボロボロで今にも倒れそうな草加雅人がいた。草加雅人は荒い息で必死に言葉を紡ぐ。
「返してもらおうか・・・俺の・・・カイザドライバー・・・・・・」
「草加雅人・・・お前・・・」
あまりに凄絶な彼の様子を見て、彼を敵視していた仗助も言葉を無くした。
「そこまでボロボロになって・・・いったい何と戦うというんです?」
村上は聞いた。
「俺は戦う・・・いや、戦わなくちゃいけないんだよ・・・!!」
「私たちオルフェノクとですか?」
「フン・・・お前らは後回しだ・・・まずは外で暴れているやつから皆殺しにする・・・・・・」
その言葉を聞いて村上は部屋の隅の金庫に向かって歩いていく。そして金庫を開け中からカイザドライバーが入ったトランクを取り出した。村上はそれを草加に投げ渡す。
「あなたのような底辺以下の人の顔はもう見たくない。さっさと消えてください」
「ハハハ・・・これでまた戦える・・・」
草加は不気味に笑う。天道はその表情にもうどうしようもない破滅の未来を見た気がした。そして草加はトランクを持って社長室を去った。
村上は金庫の中からもう1つトランクを出す。そしてそれを初春の前に差し出した。
「これは?」
「デルタドライバー・・・あなたなら使いこなせるはずです。今のあなたからは上の上以上の輝きを感じる。その輝きでオルフェノクの未来を照らしてください」
「・・・はい、任せてください」
初春は迷う事無くそのトランクを受け取った。
「それから皆さん、これを配っておきます」
村上は全員に1つずつスマートブレイン社製のスマートフォンを手渡された。
「普段社員連絡用として使っているものです。敵の位置や私からの連絡はこれを使って送ります」
「ああ、わかった。じゃあ行ってくるぜ」
翔太郎はそう言って帽子を被り直した。そして全員トライアルシリーズを倒すために社長室から飛び出していった。
村上は金庫の奥に隠された最後のトランクを見つめる。村上は真っ直ぐに腕を伸ばしてトランクをつかんだ。


「・・・はい、じゃあまた後で!」
仗助は電話を切った。
「誰と電話してたんだ?」
翔太郎は聞いた。
「橘さんっす。トライアルシリーズならあの人に頼むのが一番っすから」
「そうか、そいつは心強いぜ」
「いたぜ! あいつらだ!!」
スマートブレイン本社ビルを出て10分、億泰は怪人を指して叫ぶ。怪人は3体。1人のオルフェノクを相手に暴れている。オルフェノクの方はもうフラフラだ。
「オルフェノク・・・殺ス・・・」
左手に《P》と彫られた手甲がつけらたトライアルPが右手に持ったライフルの銃口をオルフェノクに向ける。あきらめかけたその時、
「オラアッ!!」
翔太郎がタックルでトライアルPを突き飛ばし、銃弾は空の彼方へと消えていった。
「逃げろッ!」
翔太郎が叫ぶとオルフェノクはふらつきながらも無事に逃げていった。
「貴様タチ・・・敵・・・」
3体のトライアルは翔太郎たちの前に並び立つ。翔太郎は3体それぞれの手の甲を見る。右からR、P、Tと彫られている。つまり右からトライアルR、トライアルP、トライアルTという事だ。
「翔太郎、下がってくれ」
ファングメモリを持ったフィリップが前に出る。
「翔太郎、メタルで行こう」
「ああ」
翔太郎はダブルドライバーを装着してメタルメモリを右手に持つ。
「変身!」w「変身!」
―ファング! メタル!―
2人は白と銀のファングジョーカーよりもさらにパワーに特化したダブル・ファングメタルに変身した。
「クレイジー・ダイヤモンドッ!!」
「ザ・ハンドッ!!」
仗助と億泰もスタンドを出して戦闘体勢に入る。
「ロッキンポ殺し・・・」
「ポリスマンファック・・・」
「爪爪爪・・・」
トライアルたちは呟く。するとトライアルたちの影から本体とそっくりな姿をしたスタンドが現れた。
『嘘だろ!? あいつらもスタンド使いだと!?』
翔太郎が驚いていると仗助が、
「ミュージアムはスタンドの矢を持ってるっす・・・たぶんトライアルシリーズを強化するために使ったんでしょう・・・トライアルシリーズの生命力なら矢を刺されても死なねえだろうからな・・・」
仗助は冷や汗をかく。スタンド使いの利点はスタンドと本体で2人分の行動ができる事だ。片方が防御に回っても片方が攻撃を行うことができる。もしくはスタンドと本体の同時攻撃で大ダメージを与える事もできる。
「あいつらがスタンドを使えるって事はこっちにスタンド使いが2人いる事を考えても不利だぜ・・・スタンド使いを2人分として数えたら5対6だからな・・・おまけにこっちのスタンド使いは向こうと違って本体の戦闘力はただの人間並みだぜ・・・」
億泰は自信無さ気だ。だが翔太郎は自信たっぷりに、
『おいおい億泰、忘れてるぜ。俺たちが2人で1人の仮面ライダーだって事をな』
フィリップも翔太郎に感化されたのか、
「そうだとも。だからこの状況は6対6だ。僕たちの力なら勝てる」
「翔太郎さん・・・フィリップさん・・・よっしゃあッ!! ぶっ倒す!!」
2人の励ましを受けて億泰は自信がついたようだ。
だが仗助はいまいち不安だった。自分は今両腕が骨折していて使えない。こうなったらアレを試すしかない・・・仗助は決意した。
「うおおおおおおッ!!」
メタルシャフトを持ったダブルがトライアルRに向かって突っ込む。ダブルが突き出したメタルシャフトをトライアルRのスタンド、ロッキンポ殺しが両腕で受け止める。その隙にトライアルRがダブルに攻撃を仕掛ける。が、その攻撃はメタルシャフトのもう片方の端、つまりロッキンポ殺しを攻撃したのと逆の方で受け止められた。
ダブルは右手に持ったメタルシャフトで2体の動きを押さえながら左手でファングメモリの角を1回倒す。
―シャフトファング!―
メタルシャフトの片端、ロッキンポ殺しを押さえている方から白い刃が生える。
「らあああああああッ!!」
ダブルは刃でロッキンポ殺しを薙ぎ払った。ロッキンポ殺しの胸に一文字が刻まれる。トライアルRは苦しそうに胸を押さえる。スタンドにダメージがいけば本体も苦しむのはトライアルたちでも同じようだ。
「フィリップ! こいつらのスタンドは何の能力も持ってねえみたいだぜ!」
トライアルTとそのスタンド、爪爪爪を相手している億泰が叫ぶ。トライアルたちは複雑な精神を持たない操り人形だ。だからスタンドも単純に戦闘能力だけのものなのだろう。ならば様子見で相手の能力を見極める必要はない。
「翔太郎、一気に決めるよ」
『おう!』
ダブルはファングメモリの角を2回倒す。
―テールファング!―
シャフトファングと逆の端から今度は鎖付きの白い刃が生える。
「うおおおッ!!」
ダブルがメタルシャフトを振るうと鎖が伸びてテールファングはトライアルRとロッキンポ殺しをがんじがらめに縛り上げた。鎖は硬く、2体がどれだけ暴れてもびくともしない。
ダブルはファングメモリの角を3回倒す。
―ファング! マキシマムドライブ!!―
シャフトファングの周りを恐竜の顔の形をしたオーラが纏う。ダブルは左手で鎖を操って縛り上げた2体を空中に打ち上げた。2体が落下する先にはメタルシャフトを構えたダブルがいる。
『「ファングティアバイト!!』」
落ちてきたトライアルRとロッキンポ殺しを恐竜の顔のオーラが噛み裂いた。そして粉々になったトライアルRは空中で爆発して消滅した。
億泰はトライアルTと爪爪爪の長い鉤爪(かぎづめ)による攻撃を避け続けていた。橘の特訓で鍛えた動体視力が役に立っている。敵の攻撃の軌道が億泰にはハッキリと見えていた。
「今だぜッ!! 削り取れザ・ハンド!!」
相手の鉤爪を縫うように避けてザ・ハンドは爪爪爪の両腕の肘と肩の間を削り取った。削り取った断面同士はくっつき、爪爪爪とトライアルTは肘から先が肩から生えている姿になった。その姿はまるで両腕を横に真っ直ぐ伸ばした案山子(かかし)のようである。
「これで自慢の爪も使えねえッ! ザ・ハンド!! 全部削っちまえ!!」
ザ・ハンドはトライアルTに向かって無茶苦茶に右腕を動かす。トライアルTは何もできずにただ削られる。そして最後には何も無くなってしまった。

好調にトライアルを倒したダブルと億泰。だが一方、仗助は苦戦していた。
仗助はただひたすらにトライアルPが放つライフルの弾を避けているだけだ。クレイジー・ダイヤモンドも出しているだけで何もしていない。
『何やってんだ仗助! 今から加勢・・・』
「待ってくれ翔太郎さん・・・これは・・・!!」
ダブルが仗助に加勢しようとするのを億泰は止めた。
億泰は仗助の表情を見て思った。あまりにも苦しそうなのだ。相手の攻撃は2人分とはいえ速さが大した事ないので動体視力さえあれば簡単に避けられる。仗助も億泰と一緒に橘の特訓を受けていたので問題は無いはずだ。両腕を骨折しているのも避ける事に関してはハンデにならない。
なら何故あんなにも苦しそうな表情をしているのか・・・?
その時、億泰は見た。一瞬、ほんの一瞬だがクレイジー・ダイヤモンドの姿が水面に映る影のように揺らめいたのだ。
『億泰・・・今の見たか?』
翔太郎が問いかけてきた。どうやら彼も見たようだ。その後にフィリップも、
「僕も見たよ・・・どうやら仗助君は新しい力を手に入れようとしているようだね」
「どらあああッ!!」
仗助は痺れを切らしたように接近して右足で蹴りを放った。だがトライアルPは左腕の盾でそれを受け止めた。仗助の足が若干痺れる。あまりにも硬い盾だ。仗助は再び後ろに下がって距離を取る。
「くそッ・・・やっぱアレしかねえのか・・・・・・」

昨日の夜、仗助は承太郎と会って話していた。
「承太郎さん、スタンドの形って変えられないんすか?」
「・・・どういうことだ?」
スタンドの形を変える・・・今まで承太郎が想像した事も無い事だった。
「俺考えてたんすよ。どうやったら今より強くなれるか・・・それで今までに戦った敵の事とか思い出してたんすけど・・・覚えてますか? アンジェロが使ってたスタンド、アクア・ネックレスの事」
「ああ、左たちと初めて会った時の敵・・・お前のおじいさんはあいつに・・・」
「ええ、なるべくならあいつの顔も思い出したくなかったんすけどね・・・」
仗助の表情に静かな怒りが満ちていく。
「すまない・・・掘り返すような事を言って」
「承太郎さんが謝る事じゃあないっすよ・・・それでアクア・ネックレスを思い出した時思ったんすよ・・・アクア・ネックレスは水と一体化して自由自在に姿を変えるスタンドだった。そしてスタンドの正体とは本体の精神エネルギーが形となったもの・・・・・・つまり俺が言いたいのは、アクア・ネックレスは自身の能力で水と一体化する事で姿形を変えるイメージがしやすかっただけで、それくらいの事はどんなスタンドでもできるんじゃあないかってことっす」
承太郎は今まで自身が関わってきたスタンドの事を思い出す。昔、承太郎の祖父が敵のスタンドに攻撃された時に仲間たちが自分たちのスタンドを脳の血管に侵入できるほどに小さくした事があった。承太郎自身もスタープラチナの指を一時的に伸ばして敵を刺し貫く技を持っている。
「・・・なるほど。確かにそうだ」
承太郎はスタンドの姿形を変化させる事は可能であるという仗助の意見を正しいと認めた。
だが問題はここからだ。
「それで、成功したのか? クレイジー・ダイヤモンドの姿を変化させるのは・・・」
仗助はうつむいて、
「いえ・・・何度も試してみたんすけど無理でした」
「そうか・・・だが元々無茶な事だろう。スタンドの姿は本体が無意識の内に思い浮かべているものだ。それを無理矢理変えようというのなら・・・元から自分のスタンドはこういう形だったと思い込むレベルまでいかないといけないんじゃあないか?」

仗助はトライアルPの攻撃を避けながら何度もクレイジー・ダイヤモンドの姿を変えようと試みる。
だがクレイジー・ダイヤモンドの姿はまったく変化しない。
「チクショウ・・・どうすりゃ・・・どうすりゃいいんだッ・・・!!」
クレイジー・ダイヤモンドは何も応えてくれなかった。


御坂は常盤台地区のとある地下駐車場でザビーに変身してトライアルO、Q、Yの3体と戦っていた。
―Clock Up(クロックアップ)―
ザビーは高速移動を始めトライアルたちを追い詰める。
御坂のザビーは超能力で生み出した電気を鎧のように纏っている。それにより御坂の神経伝達速度は大幅に強化され、刹那の距離でも反応できる程の反射スピードを得ている。御坂のクロックアップの速さは通常の10倍以上だ。
エルボー、ヘッドバット、ラリアット、パワーボム・・・電気を纏った体でザビーは次々とトライアルに攻撃を仕掛けていく。
「ライダースティング!」
―Rider Sting(ライダースティング)―
ザビーの左腕にタキオン粒子が集中する。さらにザビーは左腕から大量の電気を放出する。タキオン粒子と電撃が合わさって蒼い輝きを放つ。さらにチッチッチッ・・・という千もの鳥の地鳴きのような音が発せられる。
「はああああああああああああああああああああッ!!」
ザビーは何者をも貫く雷の刃と化した左腕でトライアルに突きを放った。ザビーの左腕がトライアルの体を突き抜ける。ザビーは左腕を引き抜いてトライアルたちとの距離を取った。
―Clock Over(クロックオーバー)―
3体のトライアルは皆倒れている。
「フン・・・まあざっとこんなもん・・・」
しかし、トライアルたちは立ち上がった。しかもザビーから受けた傷を全て修復しながら。
「嘘・・・何で・・・!?」
そう呟いた瞬間、ザビーは膝から地面に崩れ落ちた。電気による肉体活性は必殺の奥義。相手を必ず仕留めなければならない技だった。もう御坂に後は無い。
「負けるかァ・・・あんたたち化け物なんかに・・・負けて溜まるかァッ!!」
御坂は力を振り絞って再び立ち上がる。空は雷雲に覆われていた。

「でぃやあああああああああああああああッ!!」
草加が変身したカイザはトライアルLに必殺のカイザスラッシュを放つ。一度は青い炎を上げて倒れるトライアルLだが、ダメージが少ないせいで再び復活して立ち上がってきた。
「チューチュー・ラブリー・ムニムニ・ムラムラ・プリンプリン・ボロンヌルル・レロレロ・・・」
トライアルLはカイザの背後に自身のスタンドを出現させ、カイザを羽交い締めにさせた。
「くそッ・・・放せッ!!」
カイザは必死に抵抗するが、体に溜まったダメージのせいで力が出ない。トライアルLはカイザに接近し、手にした棍でカイザを執拗に何度も突き、叩いた。
「ぐおッ・・・かはッ・・・!」
草加の眼から光が消えていく。そしてひよりも。
その時、草加は腹に激痛を感じた。トライアルLの放った棍が深々とカイザの腹にめり込んでいた。
チューチュー・ラブリー・ムニムニ・ムラムラ・プリンプリン・ボロンヌルル・レロレロが手を放すとカイザは前のめりに倒れ意識を失った。トライアルLは別の場所へと向かった。

同じ頃、別の場所で天道たちもトライアルS、トライアルJの2体と遭遇していた。
天道はすでに変身してトライアルSと戦っている。
「初春、行くよ!」
「はい、佐天さん・・・私もこの街を守る仮面ライダーとして戦います!」
初春は村上から渡されたトランクからデルタのベルトと銃のグリップのようなデバイスを取り出した。初春はベルトを腰に巻き、グリップのトリガーを引きながら叫ぶ。
「変身!」
グリップは初春の声を音声認識した。
―Standing by(スタンディングバイ)―
けたたましい待機音が鳴り響く。初春はベルトの右側面につけられたデルタムーバーという四角いパーツにグリップを装填する。
―Complete(コンプリート)―
初春の体を銀色のラインが走り鎧を形成する。そして初春は仮面ライダーデルタへと変身完了した。オレンジ色の複眼が一瞬光る。
「よし、じゃあ私も」
―Stand by(スタンドバイ)―
佐天はサソードゼクターを呼び寄せた。
「変身!」
佐天はサソードゼクターをサソードヤイバーにセットし、さらに尾を押し込んだ。
―Henshin(ヘンシン) Cast Off(キャストオフ) Change Scorpion(チェンジスコーピオン)―
佐天は仮面ライダーサソード・ライダーフォームに変身した。
2人が相手をするのはトライアルJだ。サソードは腰を深く落とし、右手で持ったサソードヤイバーを地面と水平に保つ。そして左手は前に突き出してサソードヤイバーをあてがうようにした。
「さて、日本一周剣術修行の旅の成果を見せようか」
サソードはトライアルJとの間合いを一瞬で詰めた。そして右手で持ったサソードヤイバーでトライアルJを一気に刺し貫く。
デルタはグリップと接続して銃となったデルタムーバーで後方からトライアルJを狙い撃つ。
「TSUNAMIのジョニー・・・」
トライアルJはスタンドを出す。が、サソードの高速剣術とそれをサポートするデルタの後方射撃にはまったく歯が立たない。
「ハイパーキャストオフ」
―Hyper Cast Off(ハイパーキャストオフ) Change Hyper Beetle(チェンジハイパービートル)―
一方、カブトはハイパーフォームになって勝負を決めようとしていた。
「佐天のあのゼクター・・・あれも使えるはずだ」
カブトは並行世界の穴に腕を突っ込む。そしてその中からサソードゼクターがセットされたサソードヤイバーを取り出した。
―Maximum Rider Power(マキシマムライダーパワー)―
「ハイパースラッシュ」
―Rider Slash(ライダースラッシュ)―
サソードヤイバーから大量のタキオン粒子が噴出し、長さ50メートル以上、太さ3メートル以上の超巨大な光子の刃となった。
「はああああああああああああッ!!」
カブトはそれをトライアルSとそのスタンド、抱きしめてシュバルツに向かって勢いよく振り下ろした。トライアルSは逃げようとする。だがあまりにも巨大すぎるタキオンの刃から逃れる事など不可能だった。高濃度タキオン粒子がトライアルSと抱きしめてシュバルツの身をまとめて焼き尽くす。タキオンの放出が止まった時、トライアルSの姿は跡形もなく消え去っていた。
「天道さん! それ貸してください!」
サソードはカブトが持っているサソードヤイバーをよこせと言っている。カブトはサソードヤイバーをサソードに投げ渡した。
「ありがとうございます!」
これでサソードは2本のサソードヤイバーによる二刀流になった。佐天はトライアルに対抗するためには二刀流の攻撃力で大ダメージを与える事が有効だと判断した。
「ライダースラッシュ!」
―Rider Slash(ライダースラッシュ)―
2つのサソードヤイバーの音声がハモって響く。サソードはサソードヤイバーを2つとも逆手で持った。そして流れる水のような動きでトライアルJに急接近し、一瞬の内に回転を加えた超高速の剣撃を6発連続で当てた。
「今よ初春ッ!!」
サソードの叫びを受けてデルタはデルタムーバーに向かって呟く。デルタはベルトからミッションメモリーを引き抜き、デルタムーバーに装填した。
「チェック!」
―Exceed Charge(エクシードチャージ)―
デルタは銃口をトライアルJに向けトリガーを引いた。トライアルJにデルタムーバーから発射された三角錐が突き刺さる。トライアルJは身動きが取れなくなった。
「はああああああああああああああああッ!!」
デルタは宙に跳び上がり右足を突き出す。そしてトライアルJを拘束する三角錐の中へと突っ込み押し蹴りを放った。デルタの必殺キック、ルシファーズハンマーだ。デルタは量子となってトライアルJの体を突き抜ける。そしてトライアルJの前に三角形の紋章が現れ、トライアルJは赤い炎に包まれ爆発した。サソードとデルタの連続攻撃にダメージを許容しきれなかったのだ。
「ここは終わったな」
「ええ、次へ向かいましょう!」
カブトたちは次の戦場へと向かう。

「きゃああああああああああああああッ!!」
全力を使い果たした御坂は3体のトライアルにリンチ同然に痛めつけられていた。もう足が動かない。さっき右目のあたりを思いっきり殴られたせいか右目がほとんど見えなくなっている。
「かはッ・・・!」
ザビーは壁に向かって突き飛ばされた。その衝撃で変身が解除され、ザビーブレスから外れたザビーゼクターがトライアルOの足元に転がっていく。そしてトライアルOはザビーゼクターを粉々に踏み潰した。これでもう御坂は変身する事もできない。
トライアルYは手にしたハルバードを御坂に向けて迫ってくる。御坂は死を想った。
「ああ・・・私死ぬんだ・・・・・・何でこんな事になっちゃったのかなあ・・・・・・戦いたくなんてなかったのに・・・・・・嫌だ・・・死にたくないッ! 死にたくなあああああああああああああああああいッ!!」
御坂の絶叫が地下駐車場にこだました。

その時だった。カツン・・・カツン・・・という鉄を打ちつけたような足音が駐車場内に響きながらこちらに近づいてくる。やがて1人の怪しげな雰囲気の男が姿を現した。男は白のタンクトップに右袖をぶった切った奇抜な革コート、真っ黒な革のズボンに左足には鉄甲のようなものを巻き、西部劇に出てくるような滑車のついたウェスタンブーツ、そして首からジャラジャラとネックレスをつけていた。御坂はまだハッキリと物が見える左目で男の顔を見る。
「あ・・・あんたは! 矢車さん!?」
御坂は矢車の変貌に驚愕した。以前の矢車はもっと真面目で清潔で正義感漂う男だった。だが今の矢車はまったくその正反対で、堕落しきって汚らしくアウトローな雰囲気の漂う男だ。いったい何があったのかと思う。
「よお・・・御坂か。聞こえたぜ、お前の地獄の叫びがな・・・・・・」
1つのバッタのような形をしたゼクター、ホッパーゼクターが地面を跳ねながら矢車の手に乗る。
「変身」
―Henshin(ヘンシン)―
矢車はベルトにホッパーゼクターをセットした。矢車の体を緑色のバッタを模した鎧が包む。矢車は仮面ライダーキックホッパーへの変身を完了した。
トライアルたちはキックホッパーに対して構える。
「見えるぜ・・・お前らの地獄が・・・」
キックホッパーはハイパークロックアップシステムによってトライアルたちの全てが見えていた。
「ライダージャンプ」
―Rider Jump(ライダージャンプ)―
キックホッパーはホッパーゼクターの脚を動かして必殺技の体勢に入る。キックホッパーの左足に高濃度タキオン粒子がチャージされていく。そしてキックホッパーは宙に跳び上がった。
「ライダーキック」
―Rider Kick(ライダーキック)―
キックホッパーはホッパーゼクターの脚を元の位置に戻した。高濃度タキオン粒子を纏ったキックホッパーの左足での押し蹴りがトライアルYに炸裂する。そしてキックホッパーはそのまま再び宙に跳び上がり2度目のライダーキックの体勢に入る。トライアルO、Qは避けようとしているがハイパークロックアップを使用しているキックホッパーの攻撃から逃れる事はできない。キックホッパーの2度目のライダーキックがトライアルOに、そして続けて放たれた3度目のライダーキックもトライアルQに炸裂した。
キックホッパーは地面に着地する。その瞬間、3体のトライアルは全員高濃度タキオン粒子をぶつけられたダメージで大爆発を起こした。
御坂はその様子を呆然として見ている。そんな御坂に矢車は変身を解除して近づく。
「いい目だ・・・瞳の奥に地獄が見える・・・」
矢車は御坂の顔をのぞきこんで言った。そして矢車が手にしているものとは別の、もう1つのホッパーゼクターが地面を跳ねながら現れ矢車の手に乗った。矢車はそれを御坂の手に乗せる。
「俺と一緒に来い。地獄の道案内をしてやる」
御坂はもう何も考えていなかった。自分の行き先が真っ暗で何も見えない。そしてこれが地獄というものなのだろうかと思った。


学園都市・タカオマウンテン
「剣崎・・・仗助たちから連絡が入った。トライアルシリーズが街で暴れているそうだ」
橘は剣崎に呼び掛ける。だが剣崎は小屋の隅の方で三角座りをして塞ぎこんでいる。
「・・・剣崎、いつまでそうしているつもりだ? お前には人々を守ると言う信念があっただろう。お前にはそれを実現させられる力がある」
「その力が・・・人々を傷つける力になったとしたら・・・・・・」
「怖いのか?」
橘は剣崎に近づいて襟首をつかんで立たせた。
「おまえはかつての俺だ・・・自分の力に恐怖して立ち上がれなくなっている。だが俺たちは戦わなければならない。これが俺たちの仕事だからだ!」
「橘さん・・・」
「剣崎・・・もっと馬鹿になれ。そして恐怖心を乗り越えてみせろ・・・俺は先に行っている」
橘が手を離すと剣崎は床にドサッと尻をついた。
橘は小屋を出てすぐ幻海に会った。
「幻海さん・・・頼みたい事があるんです」
「何だい?」
「あいつが・・・剣崎が外に出てきたら、この電話でこの番号に電話を掛けさせてやってください」
橘は幻海にケータイを差し出す。
「これであの男は戦うようになるのかい?」
「剣崎の・・・人々を守りたいという信念が揺るぎの無いものならば」
「そうかい」
幻海はケータイを受け取った。
橘は自身のバイク、レッドランバスに乗る。隣には剣崎のバイク、ブルースペイダーが停めてある。
「待っているぞ・・・剣崎」
橘は街へと急いだ。

「ククク・・・クズどもが。せいぜい殺しあうがいい・・・」
常盤台地区で一番高いビルの最上階の窓際から利根川は下界を見下ろす。
「さて・・・ではそろそろ私も向かうか・・・!」
利根川幸雄・・・その瞳は狩人の目・・・・・・始まる・・・死神の巡遊・・・・・・!

次回予告
黒子「知っています? この街に吹く風は黄金色をしているんですのよ」
仗助「黄金の・・・風・・・」
黒岩「ブラック・アウト!!」
剣崎「・・・ありがとう。俺は運命と戦う。そして・・・もう1度お前と話す事ができて良かった」
利根川「5体1か・・・役不足な戦場だ・・・・・・!!」
村上「私のこの身は確かに怪物だ。だがこの心はあなたのような怪物のものではない! 私はオルフェノクの運命に抗ってみせるッ!!
次回、学園都市の日常・科学サイド『勇ましきB/運命の切り札』
これで決まりだ!!」


翔太郎「そういえばよー、天道。お前、第24話でC.C.さんとキスしてたよなー」
天道「ああ。どうだ? うらやましいだろう?」ドヤア
翔太郎「まあ確かにそうだけどよー・・・C.C.さんってあれだろ? 見た目はあんなだけど実際はとんでもなくお年を召された方・・・だろ?」
天道「お前・・・何が言いたい?」
翔太郎「いやあ、お前いっつもおばあちゃんがおばあちゃんが~とか言ってるからもしかしてババコンなのかなーと思ってよー」
天道「・・・・・・マジか」
翔太郎「お前今指摘されて初めて気が付いただろ?」
次回もお楽しみに!
PR
Comment
              
Name
Title
Adress
URL
Comment
Color
Emoji Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
Secret 管理人のみ閲覧できます
Password   
* コメントの編集にはパスワードが必要です
私、気になります!
by luke 2012/08/17(Fri)21:24:08 Edit
今回もおつかれ。いやぁ、なんか突っ込みたいところ満載やなぁ(笑)

とりあえず、利根川出現時の地の文は確実に立木声やし、佐天さんの技は全部どっかで見たことあんぞ。あと、トライアルのスタンドが全部わけわからん(笑)。一番笑ったのは抱きしめてシュバルツやわw
使用BGM
by Joker 2012/08/05(Sun)11:40:53 Edit
#1「日曜日の太陽」 なるたるより
#2「Dai zawazawa 2」 逆境無頼カイジより
#3「勇壮たるレンゲル」 仮面ライダー剣より
#4「Ride a firstway」  CRぱちんこ仮面ライダーMAX EDITIONより
#5「コントラクト」 仮面ライダー龍騎より
#6「EGO ~eyes glazing over」 仮面ライダー555より
#7「Robospore」 仮面ライダーカブトより
#8「ラストバウト」 仮面ライダー剣より
Copyright ©  -- teamBDRの軌跡 --  All Rights Reserved
Designed by CriCri Material by 妙の宴
忍者ブログ  /  [PR]