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teamBDR
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男性
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高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
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[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!

[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。

[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。 

[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!

[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。

[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
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第1話「再結! チームサティスファクション」
 
作者 Joker

学園都市から正月の余韻が消え去った頃、翔太郎は荷物を詰めたトランクを転がしてドアの前に立った。これから鳴海探偵事務所を出ていくのだ。
「フィリップ、本当に任せていいのか?」
翔太郎は心配そうに聞く。ミュージアムとの戦いがより激しくなろうとしている今、本当にこの場を離れていいものか、そう思っているのだ。
「ああ、任せてくれ。君がいない間は僕や涙子ちゃんや飾利ちゃん、天道総司たちがこの街を守っている。だから安心していってくれていい」
「・・・そうか、そうだな。この街を守ってくれる仲間がそれだけいるなら安心だな。じゃあ頼むぜ、相棒」
翔太郎は帽子を被り直して鳴海探偵事務所を出ていった。
翔太郎はトランクをライディングデュエル用にカスタマイズした自身のバイク、ハードボイルダーの荷台にくくりつける。そして翔太郎はハードボイルダーにまたがってネオ童実野地区へ向けて走り出した。
今の翔太郎にさっきまでの迷いはなかった。何故ならこれも仲間のためだからだ。それも翔太郎にしかできないことだ。
翔太郎はハードボイルダーの速度を上げた。
 

ネオ童実野地区の噴水広場。その一角にあるジャンク屋を兼ねた不動遊星の家。その地下の車庫に5台のデュエル用のバイク、D・ホイールが停められている。それぞれ遊星、ジャック、クロウ、鬼柳、翔太郎のものだ。
チームサティスファクションの5人は遊星の家に集まって会議を開いていた。
まず鬼柳が皆の前で喋り始める。
「あと2週間でこのネオ童実野でWRGP(ワールド・ライディングデュエル・グランプリ)が開催される。WRGPはチームのデュエル大会だ。俺たちはチームサティスファクションとしてこの大会に出場するために、前から準備を積み重ねてきた」
鬼柳の話を聞いて他の4人はうなずく。鬼柳は話を続ける。
「この大会に優勝すれば俺たちは世界最強のデュエルチームの称号を手に入れる。この戦いに勝って、満足しようぜ!」
そう言って鬼柳が右の拳を天に向かって突き上げると、他の4人もそれに倣って右の拳を天に突き上げた。
WRGPとはネオ童実野地区の主催で今度行われるデュエル大会のことだ。チーム制の大会で、1チーム3人以上5人以内、世界各国から集まった合計32のチームが優勝を懸けてデュエルをするのだ。デュエルは全てD・ホイールに乗って行うライディングデュエル。しかも自動操縦(オートパイロット)は禁止でマニュアルモードで運転しなければならないため、デュエルの腕だけでなく運転技術まで試される非常にシビアな大会なのだ。
遊星以外の4人は大会期間中、遊星の家で寝泊りをすることになっていた。D・ホイールの調整をするのがメカニックとしての腕に優れる遊星で、遊星の家の位置が大会の会場と近かったからだ。
「盛り上がってるわね」
紅い髪の女性がお茶を持ってやってきた。
「アキ、すまない」
遊星はアキと呼んだ女性からお茶を受け取った。
「大会がんばってね、あなた」
そう言ってアキは去っていった。それをサティスファクションメンバーは目で見送って、やがて翔太郎が、
「そうか。遊星、あれがお前の?」
「ああ、俺の嫁だ」
遊星には女医をやっているアキという妻がいた。少し前に結婚式が執り行われたのだが、翔太郎は忙しくて不参加だったのだ。それでさっき初めて遊星の嫁を見たというわけだ。
「いーよなー。俺も早く嫁さんが欲しいぜ」
翔太郎はうらやましがる。遊星は頬を人差し指で掻いている。あまり表情には出ていないがなんだか照れ臭そうだった。
「お、まさか翔太郎、お前好きな人がいるんじゃねえのか?」
クロウは翔太郎をからかった。
「な! ま、まさか! んなわけねーよ」
「翔太郎、お前・・・今の反応はマジだっただろ?」
クロウは冗談で言ったつもりだったが、今の反応を見る限りどうやら翔太郎には本当に好きな人がいるようだった。
「言っとくけどな、もし・・・もしだ! 仮に本当に好きな人がいても、そう簡単には教えないからな!」
翔太郎の必死さが増していく。それを見て鬼柳はあることを思いついた。
「じゃあ翔太郎、俺とデュエルだ。俺が勝ったらお前の好きな人をここで皆に言ってもらうぜ!」
「んな! ありかよそんなの!?」
「ああ、俺が負けたらディナーを奢ってやる。それでどうだ?」
鬼柳は翔太郎を完全に自分のペースに追い込んだ。鬼柳は翔太郎の好きな人などどうでもよかった。ただ大会前の腕ならしにここでデュエルをしておきたかったのだ。
「ディ、ディナーだと!?」
普段から貧乏くさいものしか食べていない翔太郎にとってディナーという言葉はまさに魔法の響きを持つ言葉だった。
「よし、いいぜ。鬼柳、デュエルだ!」
翔太郎と鬼柳はそれぞれのD・ホイールからデュエルディスク部分を取り外して左腕に装着する。
「デュエル!」
お互いにそう叫んでデュエルは開始された。
「こいつはいい見せ物だぜ」
クロウは椅子に座って観戦することにした。遊星とジャックは立ったままだ。
「思い出すな、遊星」
ジャックは2人のデュエルを見て言った。
「チームサティスファクションを結成したばかりのあの頃を」
そう言われて遊星も昔を思い出した。
 

遊星はサテライト地区というところで育った。
サテライト地区は元々はネオ童実野地区の湾を埋め立てて造られたサテライトと呼ばれる人工島だった。当時、学園都市ではモーメントと呼ばれる永久機関から発生するエネルギーが全面的に利用されていた。とめどなく無限にエネルギーが発生するこのシステムはまさに人類のあらゆる問題を解決する夢の発明だと誰もが絶賛した。そして第1号モーメントがあったのがサテライトだった。
しかし22年前、ゼロリバースと呼ばれる事故が起こった。第1号モーメントが突如暴走を起こし、サテライト全域を爆発によって吹き飛ばした。
その事故によって多数の被害が出た事により、モーメントによる発電などの計画は全て白紙となった。そしてもはや瓦礫の山でしかないサテライトをネオ童実野地区は見放し、サテライト地区として完全にネオ童実野地区から切り離したのだ。やがてサテライト地区は学園都市で出たゴミなどを集積させる場所として利用され始めた。さらに刑務所や工場などの施設が大量に建設され、捨て子や迫害された無能力者が街から流れるように住みつくようになり、サテライト地区は無法地帯として街の人々から認識された。
街のゴミ箱。いつしかサテライト地区はそう呼ばれるようになった。
サテライト地区にはゼロリバースで両親を亡くして一人ぼっちになってしまったかわいそうな子どもたちで溢れかえっていた。遊星もその中の1人だった。
遊星はネオ童実野地区がサテライト地区に申し訳程度に造った孤児院に預けられていた。孤児院への支援物資はネオ童実野地区から毎月送られてきていたが、こちらの事情を把握していないいいかげんな支給の仕方で、さらに支援物資を狙った強盗による襲撃などもたびたびあり、孤児院で働く大人たちを困らせていた。
遊星は疲れた。サテライトに住む誰も彼もが疲れていた。
遊星が7歳になった頃、学園都市ではモーメントの研究が進められ、自動車程度の物を動かす分には安定してエネルギー供給を行えるようになっていた。
それによる恩恵を受けたのはデュエルディスクだ。モーメントを備えた事によってデュエルディスクは電池切れの心配がなくなり、より高出力でハイスペックなものへと進化した。さらにはモーメント搭載の車両に乗って行うライディングデュエルの登場などで学園都市のデュエル人口は飛躍的に増加した。
そして新世代デュエルディスクの普及によって旧世代のデュエルディスクは次々とサテライト地区に捨てられていった。サテライト地区の人々は捨てられていた旧世代のデュエルディスクとデュエルモンスターズカードを拾ってデュエルをするようになった。それまでのサテライト地区には娯楽と呼べるものがなかった。人々は手軽に楽しめるデュエルの面白さに熱中し、やがてサテライト地区でもデュエルが普及した。
サテライト地区でのデュエルの熱はとどまるところを知らず、いつの間にかサテライト地区にはデュエルによるヒエラルキーが形成されていた。つまり、デュエルによる弱肉強食。デュエルに強い者が弱者を支配する社会。なんとも馬鹿げた話だが当時のサテライト地区はそこまで腐っていたのだ。
だがその事態を喜んだ者がいた。遊星だ。
遊星は旧世代のデュエルディスクが捨てられるようになる前から、孤児院で知り合い友となったジャック、クロウと共にゴミ捨て場でデュエルモンスターズカードを拾って遊んでいた。そのため遊星たちはサテライト地区でデュエルが普及する頃にはすでに一流のデュエリストだった。
遊星たちは孤児院を襲撃するならず者たちをデュエルによって撃退していった。やがて遊星たちの孤児院は凄腕の用心棒がいると噂になり、ならず者たちは寄ってこなくなった。
 
遊星が16歳になった頃、遊星たちの前に遊星より1つ年上の鬼柳京介という男が現れた。彼もまたゼロリバースで両親を亡くし、孤児院をならず者からデュエルで守ることで名をあげた者だった。
彼は言った。
「俺たちは生まれてこの方、孤児院で最低限の読み書きと計算を覚えただけでろくな教育を受けてねえ。これから先、俺たちはサテライトを出て街の中心部にいくこともできるようになるだろう。だがろくな教育も受けてねえ俺たちが向こうに行っても待っているのは絶望だけだ」
認めたくないが彼の言う通りだった。サテライトから出ようと思えば定期的に出ている連絡船を使う事で簡単に出られる。だがサテライトの外に自分たちの居場所があるとは到底思えなかった。デュエル以外で得意なのは機械いじりぐらい。これでは超能力者たちには通用しないと遊星は考えていた。ジャックとクロウも同じだ。超能力者に勝てるような能力などこのサテライトでは誰も持っていない。
鬼柳は話を続けた。
「だったらこっちで満足するしかねえ。デュエルの力でこのサテライトを俺たちが支配するんだ!」
この頃のサテライトは数人のデュエリストからなるデュエルギャングが各地で発生していた。デュエルギャングたちはそれぞれ自分たちの縄張りを定め、それを奪い合って自分たちの領地を増やしていくということをしていた。自分たちの領地の中では他所の者は自由を許されない。デュエルはついに人だけではなく、土地やそこに住む人々の精神までも支配し始めたのだ。
鬼柳は3人で孤児院をならず者たちから守っている者たちがいるとの噂を聞きつけ、遊星たちの元を訪れたのだ。遊星たちを自分が作るデュエルギャングの一員にするために。
遊星たちにとってサテライトの支配などはどうでもよかった。だがデュエルギャングがそこらじゅうにはびこっている以上、いつここが脅かされてもおかしくはない。デュエルギャングが相手では遊星たちでは到底太刀打ちができないのだ。
遊星たちは鬼柳の仲間になる事を決めた。
数日後、鬼柳は遊星たちを連れてサテライトのとある廃ビルへと向かった。なんでもここに街で無能力者狩りに遭った16歳くらいの男が住みついているらしい。そしてその男は毎日朝から晩まで、無差別にサテライトのデュエリストを相手にデュエルをして無敗を誇っているという話だった。
その男の名は左翔太郎。鬼柳は彼も仲間にするつもりだった。
「おい、お前強いらしいな」
鬼柳は廃ビルの中で虚ろな目をして自分のデッキを眺めている翔太郎を見つけるとすかさずデュエルを挑んだ。
「俺を満足させてくれ」
翔太郎はロボットのように魂を感じない動作でデュエルディスクをはめて鬼柳とのデュエルに応じた。
この時の翔太郎は遊星たちと同じように社会の仕組みに疲れていたのだ。それで翔太郎は自分の死に場所を求めるようにサテライトへとやってきた。
だが鬼柳とのデュエルを通して、翔太郎は自分の闘志に火が点いている事に気がついた。それは遊星たちから見てもわかるほどだった。翔太郎の目はデュエル開始前の虚ろな目とは違う、1つの勝負に魂を懸ける目になっていた。
それほどに翔太郎と鬼柳のデュエルは熱く、激しい戦いだった。
結果、翔太郎はデュエルに負けたがその心は満足感で満たされていた。
そんな翔太郎に鬼柳は歩み寄って手を伸ばし、
「お前、まだ満足したりないって顔してるぜ。俺はこれからこのサテライトを制覇しようと思っている。一緒にやらないか?」
と言った。翔太郎はその手をつかんだ。
こうして鬼柳率いるデュエルギャングの一団『チームサティスファクション』が誕生した。
チームサティスファクションは破竹の勢いでサテライトのデュエルギャングたちを倒し、自分たちの縄張りを広げていった。時にはデュエル以外の実力行使に出られる事もあったが、そのたびにチームサティスファクションは力を合わせて立ち向かい、そして勝利してきた。
そしてチームサティスファクションは全てのデュエルギャングを倒し、サテライトを制覇した。5人の心はこれ以上はないほどに満足していた。サテライトを制覇したことにではない。5人の絆でこれほどまでに大きな事ができたという事に満足していたのだ。
 
しかし、その満足は長くは続かなかった。
鬼柳は更なる満足を求めて暴走し、デュエルディスクを持つ者を無差別に襲うようになった。遊星たちはデュエルディスクを持つ者ならば子どもでも襲うという鬼柳の姿に幻滅し、鬼柳の元を去って行った。
その頃、サテライト地区の犯罪発生率の高さを見かねた街はついにサテライト地区に警察(セキュリティ)を置く事を決定した。セキュリティが持つ最新鋭のデュエル設備によってサテライトの犯罪者たちは次々と検挙されていった。
ある時、鬼柳はチームサティスファクションのメンバーを集めて言った。
「俺たちチームサティスファクションの次のターゲットが決まった。セキュリティだ。奴らは俺たちが支配したこのサテライトを乗っ取ろうとしている。売られた喧嘩は買うしかねえ。そして奴らを倒した時、本当の満足があるはずだ」
遊星、ジャック、クロウ、翔太郎の4人は皆、鬼柳にやめろと言った。セキュリティと自分たちでは戦力差がありすぎる。それにセキュリティはこの無法地帯だったサテライトをやっと平和にしてくれるかもしれない存在だからそれを潰すような事は反対だと。
鬼柳はただ黙って4人の意見を聞いていた。4人は最後にもし鬼柳がセキュリティに戦いを挑んでも絶対に自分たちは協力しないと言ってその場を去った。これで鬼柳も馬鹿な真似はしないだろう、そう思っていた。
だが鬼柳は弾けた。
鬼柳はセキュリティが押収したデュエルディスクに時限爆弾を仕掛け、セキュリティのビルに運び込まれた頃を見計らって爆発させたのだ。
次の日の朝、遊星たちは鬼柳がたった1人でセキュリティに挑み、そして捕まった事をサテライトの住民たちとの雑談から知った。
そしてその半年後、遊星たちは刑務所で鬼柳が死んだとの噂を聞いた。
 
遊星が18歳になった頃、遊星はサテライトの仲間たちと共にD・ホイール作りに励んでいた。ジャックはその2年ほど前に遊星が作ったD・ホイールと遊星の切り札(エースモンスター)のスターダスト・ドラゴンを盗んで街に行き、ネオ童実野地区でデュエルキングとなっていた。クロウはサテライトの孤児たちの面倒を見ながら、子供たちのためにたびたびセキュリティからカードを盗んでは逃走し、たまに逮捕されていた。翔太郎は元々住んでいた風都地区へと戻り、探偵の弟子入りをした。
しばらくして遊星はジャックから盗まれたカードを取り戻すため、完成したD・ホイールと共に街に渡った。だが遊星のD・ホイールには仲間が工場から盗んできた盗品のパーツが含まれており、遊星はそれによってセキュリティに追われることになった。
なんとかネオ童実野地区のスタジアムでジャックと再会した遊星だったが、スターダスト・ドラゴンを取り戻すためのジャックとのライディングデュエルの途中、突如2人の右腕に赤い痣が浮かび上がり、さらに謎の赤き竜まで出現して2人のデュエルは続行不可能となった。
その直後、遊星はセキュリティに捕まり刑務所へと入れられた。そこで出会った老人から遊星は赤い痣を持つ者シグナーと赤き竜の伝説を聞いた。その話によると赤き竜はこの地球を悪しき者の力から守る守護神のような存在で、遊星の腕に浮かんだ痣は赤き竜に選ばれた戦士『シグナー』と呼ばれる者の証だそうだった。そしてシグナーは全部で5人、さらに最大のピンチに目覚める隠された痣を持つ1人がいて合計6人。それぞれが切り札にドラゴンのカードを持っているとのことだった。
それから遊星は刑務所の所長相手の電流デスマッチデュエルに勝ち、釈放された。そしてネオ童実野地区の治安維持局長官のレクス・ゴドウィンによってサテライトの仲間たちを人質に取られた遊星は治安維持局が主催するデュエル大会、デュエル・オブ・フォーチュンカップに強制的に出場させられることになった。
大会の優勝者にはデュエルキング・ジャックへの挑戦権が与えられるそうだった。遊星は大会直前にジャックからスターダスト・ドラゴンを返され、決勝まで勝ち上がってこいと言われた。さらに遊星と同じ理由でクロウもこの大会に強制的に参加させられていた。
結果、遊星はジャックとの決勝戦に勝ち、新たなるデュエルキングとなった。そしてジャックは元キングとなった。
この大会におけるレクス・ゴドウィンの目的はもうすぐ来るダークシグナーとの戦いに備えてシグナーたちを覚醒させることだった。この大会のために集められた遊星とジャック、クロウ以外のシグナーはデュエルにおいて実際のダメージを発生させる超能力で人々を傷つけていた16歳の少女、十六夜(いざよい) アキと、わずか3歳にしてデュエル大会の決勝まで上り詰めた11歳の天才デュエル少女、龍可(るか)の5人だった。
5人はレクス・ゴドウィンの思惑通り、大会の中でシグナーとしての力を覚醒させていった。
時を同じくして、ナスカの地上絵に封印された地縛神と呼ばれる邪神の力を持つ『ダークシグナー』と呼ばれる者たちも目覚めつつあった。
遊星の魂の呼びかけによりアキが改心するなど、シグナーたちは紆余曲折ありながらも団結し、共にダークシグナーたちに立ち向かって行くことを誓い合った。
そしてサテライト地区にてシグナーとダークシグナーとの戦いが始まった。
遊星はこの戦いでダークシグナーとしてよみがえった鬼柳京介とデュエルをすることになった。ダークシグナーとは強い思念を残して死んでいった者が邪神の力を受けてよみがえった姿だったのだ。
遊星はデュエルの中で鬼柳がセキュリティを襲ったのは、もう1度5人で大きなことをやりたかったからということを知った。そしてセキュリティにたった1人で挑んだ時、必ず4人が助けに来てくれると思ったのに誰も助けに来てくれなかったことでチームサティスファクションの絆を疑ってしまったということだった。鬼柳は絶望の中で獄中死し、満足できなかったことへの強い怒りの思念からダークシグナーとしてよみがえったのだった。
遊星は鬼柳の想いに応えるべく、熱いデュエルで鬼柳を倒した。
それから龍可を守るために決死のデュエルをした龍可の双子の兄の龍亞(るあ)のシグナーとしての覚醒もあってダークシグナーを全員撃退できた遊星たちシグナー。
だがそこへ最後のダークシグナーとして覚醒したレクス・ゴドウィンが立ちはだかった。ゴドウィンはダークシグナーたちとの戦いで消耗したシグナーたちから痣を奪い、シグナーとダークシグナーの力で世界を破壊、そして新たに創造することを目論んでいた。
遊星たちは力を合わせてレクス・ゴドウィンを打ち倒し、地縛神の脅威を完全に消し去った。
ダークシグナーたちはレクス・ゴドウィンとその兄のルドガー・ゴドウィンを除いて全員普通の人間として復活した。
そしてその後、6人のシグナーたちの痣は消え、赤き竜はどこかへと飛び去っていった。
 
ダークシグナーたちとの戦いから1年後、サテライト地区は遊星たちシグナーの願いで治安維持局が主体となって区画整理と再開発が進められることになった。そしてサテライト地区はネオ童実野地区に再び組み込まれ、ネオ童実野とサテライトの間には両者をつなぐ巨大な橋、ネオダイダロスブリッジがかけられた。さらにネオダイダロスブリッジを中心にライディングデュエルのための専用道路、デュエルレーンが建設され、ネオ童実野地区はデュエリストの街というイメージをさらに強めていった。
そんなある日、遊星は学園都市の辺境にある荒野の町、クラッシュ地区へと向かった。そこで鬼柳が自身の命を賭けた危険なデュエルをしているとの噂を聞いたのだ。
クラッシュ地区はD・ホイールに使われる鉱石ダインが取れる鉱山があることから、採掘権をめぐっての争いが絶えないでいた。その当時はラモンとマルコムの2者による抗争が続いており、お互いに用心棒のデュエリストを雇ってのデュエルによる勝敗で採掘権と労働者を確保していた。
鬼柳はラモンの側の用心棒としてデュエルをしていた。負ければ鉱山で死ぬまで強制労働。ダークシグナーとして犯した罪に耐え切れず、鬼柳は死に場所を求めてクラッシュ地区にやってきたのだ。
遊星はマルコムの側について鬼柳とデュエルし、そして勝った。だが2人は罠にはめられ、鉱山へと送られた。なんとか脱出した2人はラモンとマルコムを陥れ、クラッシュ地区をロットン地区へと変えて支配しようとした男、ロットンをデュエルで倒し、ジャックとクロウ、そしてセキュリティの応援もあってクラッシュ地区のならず者たちは一斉検挙され、町に平和が訪れた。
そして遊星とのデュエルで満足を思い出した鬼柳はクラッシュ地区改めサティスファクション地区の地区長となったのだった。
 
「うぉあああッ!!」
翔太郎のライフが0になる。翔太郎と鬼柳のデュエルが鬼柳の勝利で終わったのだ。
「チクショー・・・鬼柳、いつの間にあんなコンボを?」
翔太郎は以前、デュエルした時よりも遥かにパワーアップしている鬼柳の力に驚愕していた。
「サティスファクション地区の鉱山を狙って襲撃してくるならず者たちがまだまだいるからな。そいつらを追っ払うために俺もどんどん強くならなくちゃいけねえと修行を重ねてたんだ」
鬼柳は得意気に言った。
「だがこのデュエル、どちらが勝つか最後までわからないぎりぎりの勝負だった。2人とも相当な実力を持っている」
遊星は2人のデュエルを見て感心していた。鬼柳と翔太郎、そしてジャックとクロウと共にWRGPで戦えることをとても心強く感じていた。
「ま、負けちまった翔太郎には約束通り好きな人を発表してもらうけどな!」
クロウは翔太郎の左肩に右手を置く。翔太郎の顔が見る見ると青ざめていった。
4人の視線が翔太郎の顔面に突き刺さるように集中する。
「は・・・ハードボイルドな男ってのはな、惚れた女の名は口に出さねえもんなんだよ」
かっこつけて言った翔太郎に今度は4人の冷たい視線が突き刺さる。翔太郎はもう泣き出したかった。
 

ネオ童実野地区の高層ビル群。その中でも一際高いネオ童実野地区治安維持局のビル。その屋上に3人の白いフードを被った者たちが立っていた。3人は屋上からネオダイダロスブリッジとその周辺のデュエルレーンを見ていた。WRGPの開催が近いため、デュエルレーンはいつも以上にライディングデュエルをする人でにぎわっていた。
「フン、愚民どもめ。目の前に差し迫った問題に目も向けず、呑気にライディングデュエルなど・・・」
「仕方がないではないか、プラシド。人間とはこういう生き物なのだ。だからこそ我々が何とかしなければならない」
プラシドと呼ばれた20歳前後くらいの見た目の男は平和そうな街の様子を見てイライラしているようだった。
「でもさ、ホセ。正直僕もこんなに平和ボケをしている奴らを見てたらぶっ潰してやりたくなってきたよ」
先程プラシドをたしなめた巨体の老人の名はホセ。そしてホセの名を呼んだ小柄な少年はルチアーノ。ルチアーノは懐からデッキを取り出す。そんなルチアーノをホセは厳しい目つきでにらみつけ、
「やめろ、ルチアーノ。今はまだ我々が動き出すべき時ではない」
チッ、と舌打ちしてルチアーノはデッキをしまう。ホセは2人を諭すように、
「我々の目的はWRGPに出場し、サーキットを完成させることだ」
3人はネオ童実野の空を一様に見上げる。晴れ渡った雲ひとつない青空・・・のはずだが、3人には黒く渦巻く暗黒の空に見えていた。
 

2週間後、ついにWRGP開催当日となった。
ネオ童実野地区の人口増加率は200%を超え最高記録を樹立。さらに毎時5%上昇している。学園都市外からも出場選手や観客が入ってきており、世間にこの大会がいかに注目されているかを示すこととなった。
WRGPは予選・本戦共に5対5の団体戦で、先に3勝した方の勝利となる。
今日から開催されるのは予選。予選は32のチームが8つのリーグに分けられ、4つのチームで総当たり戦を行い、勝ち数の多い上位2チームが本戦のトーナメントに進む事ができる。
「ついにこの時が来たな・・・」
チームサティスファクションの5人はWRGP会場のスタジアム前に張られたリーグ対戦表を見ていた。
チームサティスファクションはAブロック。Aブロックの他のチームにはチームユニコーン、チームカタストロフ、チームジェネックスがいる。チームサティスファクションの初戦の相手はチームユニコーンだ。
「さあ、満足させてくれよ!」
5人は熱気に渦巻くスタジアムへと足を踏み入れていった。
そしてWRGPは始まった。
 
TO BE CONTINUED
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作者あとがき
by Joker 2011/12/24(Sat)22:47:16 Edit
始まりました。学園都市の日常・サティスファクションサイド
この話は学園都市の日常・科学サイドの52話と53話の間の話(の予定)なんですが、科学サイドの52話を書いてからサティスファクションサイドの1話を書いていたんではいつまで経っても科学サイドの53話が書けないので、思い切って科学サイドと並行して作っていくことにしました。
まあそれでも科学サイドの登場人物は翔太郎くらいしか出ないのでたいした問題はないのですが・・・翔太郎の好きな人は科学サイドの方で楽しみに待っていてください(笑)
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