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teamBDR
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男性
職業:
高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
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[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!

[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。

[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。 

[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!

[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。

[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
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第8話「Sで満足/決めろ必殺シュート!!」
 
作者 Joker

「俺は取り戻したいんだよ! この力で俺のサッカーを!! だからこの街から能力者を1人残らず消すんだ・・・あなたたちならわかるだろう? 俺の気持ちが」
炎谷の気持ちは鬼柳たちにはよくわかる。だが、
「それでもお前のやり方は間違っている」
鬼柳は断言する。
「お前は力に振り回されているんだ。そのままではお前もお前をリンチしたチームメイトたちと同じになる」
「なんだよ・・・じゃあどうしろっていうんだよ!!」
激情した炎谷は鬼柳に拳を真っ直ぐに突き出す。だが鬼柳はそれを手の平で受け止め、
「なら勝負だ! お前の好きなサッカーで俺たちと勝負をする。それで・・・満足するしかねえだろ!!」
鬼柳は炎谷の瞳を真っ直ぐに見つめていた。
「ちょっと待ってくださいません?」
厳しい顔をした黒子が鬼柳の肩を掴んで、
「炎谷はこれからジャッジメント風都支部を経て警察へと引き渡さなければなりませんの。悠長にサッカーなどしている暇はありませんのよ」
確かにこんな時にサッカーをしている暇はない。サッカーの途中で炎谷が逃げでもしたら鬼柳の責任は計り知れないことになるだろう。黒子の言っていることは街を守るという視点からは正しい。
「でもよお、それじゃあ炎谷の気持ちはどうなるんだよ! このまま炎谷をジャッジメントや警察に引き渡したところで、炎谷自身は救われるかってんだよ。それじゃあ根本的な解決にはならねえじゃねえか」
「鬼柳・・・」
思わず翔太郎は呟いた。いつもそうだった。鬼柳は自分の納得のいかない社会や権力といったものにいつだって真っ直ぐにぶつかってきた。
確かに炎谷は罪を犯した。その罪は然るべき場所で裁かれるべきだろう。だが、鬼柳は待ってほしいのだ。その前に炎谷自身の問題を解決させるチャンスを作ってやりたい。それはジャッジメントや警察にはできないことなのだ。
「俺からも頼むぜ、黒子」
翔太郎は鬼柳に協力する決意を固めた。
「俺もだ」
「へっ、仕方ねえな。頼むぜ」
「これだから貴様といるのは嫌だというのだ」
遊星、クロウ、そしてジャックも毒づきながらだが鬼柳の側についた。
「このとおりだ・・・頼む」
そして鬼柳は5人を代表して黒子に頭を下げた。炎谷はそれを信じられないと言いたげな顔をして見ている。黒子は神妙な顔つきでそれを見て、やがて黙ってケータイを取り出しどこかへ電話をかけた。なにやら取引をしているようだった。そして黒子はケータイをしまうと、
「頭を上げてくださいまし」
黒子は鬼柳の顔を見て言う。
「今、風都支部と連絡を取りましたわ。この試合、風都支部の方々が警備に当たってくれることになりましたわ」
「つまり・・・」
「OK(オッケー)ですの」
黒子はニヤリと笑った。
 
「面白い。その試合、僕も混ぜさせてもらいましょう」
不意に声がして翔太郎は振り向く。
「お前は・・・霧彦!」
「やあ、探偵君。こないだはどうも」
霧彦はこの街を裏で動かす巨大組織ミュージアムの一員にしてガイアメモリの売人だ。こないだとは立体駐車場で戦った時のことだ。
「あんたは俺にメモリを売ってくれた・・・」
どうやら炎谷も霧彦の事を知っているようだ。
「さっきからの一部始終は見せてもらっていたよ。この試合、我々ミュージアムは炎谷君の側につきたい」
「なんだと・・・!?」
相変わらず涼しげな顔をしている霧彦に翔太郎は近づいてにらみつける。
「どういうつもりなんだよ?」
「この試合にミュージアムは最強のサッカープレイヤーを使う。そして君たちをまとめて潰すんですよ」
翔太郎は許せない気持ちになった。ミュージアムは炎谷の心を解き放つためのこの試合を自分たちの野望のために利用しようとしている。
そもそもまだ子供である炎谷にガイアメモリを売ったことが許せない。肉体も精神も未熟な子供は特にガイアメモリによる悪影響を受けやすいのだ。
翔太郎の抗議に対して霧彦は、
「それがどうかしましたか? ガイアメモリは無力な者を救済するためにあるんだ。無能力者である君ならわかるはずだ」
霧彦は涼しい顔をしている。
「てめぇ・・・!」
翔太郎が霧彦に掴みかかろうとした時、
「やめろ。好きにさせておけ」
鬼柳はそう言った。だが納得できないと言った翔太郎に鬼柳は、
「ミュージアムの噂なら俺も聞いている。むこうがこっちを潰しにくるってんなら潰し返してやろうぜ。それにサッカーの試合をするには11人必要なんだぜ。これで人数合わせにはこまらねえ」
そう言われて翔太郎は落ち着いたが、ふと疑問に思う。
自分、鬼柳、遊星、クロウ、ジャック、黒子、仗助、億泰、御坂、佐天は危ないから抜いておくとして9人だ。あと2人をどうしようか・・・
 
決戦の場所は風都地区のとある河川敷に造られたサッカーコート。周りには風都地区のジャッジメント隊員たちが集められ警備に当たっている。
「すまねえな、康一」
「いいんだよ、仗助君。僕も暇してたし」
足りなかった2人の内、1人は仗助が呼んだ広瀬康一。ミュージアムとの戦いに康一を呼び出すのを仗助は戸惑ったが、スタンド使いである康一以外に呼べる者がいないというので結局呼んでしまった。
「フィリップ、いつミュージアムがお前に手を出してくるかわからねえ。気をつけろよ」
「わかっているさ、翔太郎」
足りなかった2人の内、もう1人はフィリップ。彼は元々ミュージアムに捕らわれていた身だ。いつミュージアムが彼を奪還に来てもおかしくはない。そのリスクを承知で彼を出したのは彼以外に呼べる人間がいなかったからだ。
「ていうか・・・ジャッジメントから人材を借りればよかったのでは?」
黒子が素朴な疑問を呟くと鬼柳が、
「いや、ダメだ。俺たちが戦うのは勝つためじゃねえ。炎谷に奴が見失っている『仲間との絆』を教えるためだ。だから俺たちが仲間同士結束して立ち向かわなくちゃ意味がねえ」
鬼柳の瞳は相手チームのベンチ、そこに座る炎谷に向けられていた。
「ねえ佐天さん、どうしてサッカーなんかで対決することになっちゃったんですか?」
味方のベンチで佐天が自分の頬にペイントを施している。そんな応援する気満々の佐天に、突然呼ばれてとりあえず味方のベンチに座らされた初春が錯乱気味に質問したが、
「いいのよ初春。これは漢(おとこ)の戦いなんだから」
とあっさりスルーされてしまった。
「それにしても相手チームのベンチ、まだ炎谷とスーツの人しかいないけど・・・どうするんだろ?」
その時、佐天のその呟きに反応するようにそれは現れた。
それは河川敷の上の狭い道路を埋め尽くして走る軍隊の装甲車のような黒塗りの乗り物で、全高が3メートルほどもあり、屋根にはアンテナのようなものまでついていた。
その車が止まると、横開きのドアが開いてレッドカーペットが投げ出された。それが河川敷の坂を転がり終わると、車の中からぞろぞろと人が歩み出てきた。
「あれが相手選手・・・ですかね? ずいぶんすごい車・・・・・・」
初春はミュージアム式送迎方に圧倒されていた。佐天ももちろん圧倒されていたが、初春とは着眼点が違った。
「見て、初春・・・今出てきた選手、今中学サッカー界で話題の五条、それに万丈だよ」
佐天は興奮しながら解説を始めた。
「五条は学園都市人気サッカー選手ランキングで1位を、万丈は5位を取った選手だよ。どちらもかなりのつわもの・・・」
言っている間にさらに選手が出てくる。
「あ! あれはガゼルとシャドウ!! 彼らは『凍てつく闇の旋風(かぜ)』を自称する中学サッカー界で1番危険なコンビ! 彼らがフィールドに出た瞬間、観客席は静まり返ってにやつき始めるという・・・あ! あの人は・・・」
その後も佐天は延々と相手選手の解説を続けた。とりあえず初春にわかったことは佐天がかなりのサッカーファンであること。それからミュージアムが何かしらの条件で優秀な選手たちをこの試合のために集めたということだ。
この街に深く根ざしているミュージアム。その根の深さは自分たちには想像もつかないほどのものなのかもしれない。
 
そして試合が始まろうとしていた。試合時間は45分ハーフ。能力の使用などは全面的に認められる。
鬼柳チームはFW(フォワード)に御坂と黒子を。GK(ゴールキーパー)に億泰を。それ以外はMF(ミッドフィルダー)とDF(ディフェンダー)に適当に振り分けられた。
対する炎谷のチームはFWにガゼルとシャドウを配置し、その少し後ろに炎谷が立っている。GKは霧彦だ。
「なあ鬼柳さん」
試合開始直前、炎谷は鬼柳に話しかけてきた。
「なんでさっきジャッジメントなんかに頭を下げたんだ・・・?」
「え・・・」
若干怒りのこもった炎谷の口調に鬼柳は少し困惑してしまった。その隙に炎谷は、
「そうなんだ・・・あなたはわかっているんだ。どれだけやっても無能力者が能力者たちに勝てるわけがないって」
「違う! 俺はお前のためにと思って・・・」
「黙れよ!!」
鬼柳の弁明は炎谷の一括にかき消された。
「もういい・・・俺はこれで能力者たちを越える。そして俺のサッカーを取り戻すんだ・・・・・・」
炎谷はサッカーのメモリを取り出し生体コネクタに挿した。炎谷は再びサッカー・D(ドーパント)に変身したのだ。
「炎谷の奴・・・ガイアメモリの毒が回ってきているな」
翔太郎は興奮する炎谷を見てそう言った。ガイアメモリの恐ろしいところは人間の理性を破壊するところにある。早急になんとかしなければ炎谷の心は完全に破壊されてしまう。
「炎谷・・・必ずお前を満足させてやる」
鬼柳の決心はより固くなった。
「さて、私も・・・」
霧彦はガイアドライバーにメモリを挿す。そしてナスカ・Dへの変身を遂げた。
そしてピピィーーーーーッという試合開始のホイッスルが鳴り響く。
キックオフは鬼柳チームからだ。御坂が勢いよく相手陣内を切り込んでゆく。御坂は自分の体に高圧電流を纏いながら走っている。近づけば感電はまぬがれない。
「行くわよ、黒子!」
あっという間にゴール前にたどり着いた御坂はボールを蹴り上げ、自身も磁力を作り出して地磁気と反発させることで空高く飛び上がった。
「ええ、お姉さま!」
黒子も御坂の後を追ってテレポートで空中に出現する。そして黒子は御坂の足に触れ、御坂をさらに高空へとテレポートさせた。合計で御坂は50メートルほど飛び上がったことになる。
「イカヅチ落とし!!」
御坂はその高空から電気を纏った右足でオーバーヘッドキックを繰り出し、ボールをゴールに向かってまるでイナズマのように叩き落した。
「ほう、これは強力そうな必殺技だ・・・しかし」
ナスカ・Dは右手に持った剣を地面に突き刺す。
「僕にはダブルに対抗するために身につけたナスカメモリの隠された新たなる力がある」
ナスカ・Dが剣を持って力むとゴールの周りを円状に青い光のラインが走り、そこから青い炎が噴き出した。そしてナスカ・Dの背後から巨大な黒い巨人が出現した。
「何ッ!!」
「あれは・・・地縛神(じばくしん)!」
「Ccapac Apu(コカパク アプ)だと!?」
ジャック、クロウ、遊星たちが目を丸くしている。驚愕と恐怖が混ざったような表情をしている。
「何か知ってるのか?」
翔太郎が聞くと鬼柳が、
「ナスカの地上絵に封印された・・・邪神だ」
「そして僕はそれをどこででも自由に召喚することができる!」
ナスカ・Dが両腕をボールに向かって突き出すとコカパクアプも同じ動きをする。
「デーモンキャッチ!!」
イナズマのようなボールの勢いがすべてコカパクアプの手の中で殺され、ボールはナスカ・Dの手中に収まった。
「そ・・・そんな。私と黒子の必殺技が・・・・・・」
落胆しながら御坂と黒子は着地する。その間にナスカ・Dはコカパクアプの手中にあるボールを真っ直ぐ前に向かって投げさせた。
それは鬼柳チームのDF陣に単身突っ込もうとするサッカー・Dに受け取られた。
「ここから先には行かせないっす!」
サッカー・Dの前に仗助と康一が立ち塞がる。が、サッカー・Dは瞬間的に能力でサッカーボールを数個作り出し、自身の周囲を周回させ始めた。
「うぐうううッ!!」
「うわあああッ!!」
2人は電動ノコギリの刃のように勢いよく回るそれに弾き飛ばされた。そしてサッカー・Dはあっという間に鬼柳チームのゴールの目の前へと迫った。
「どこからでも来やがれ! 近づくボールはみんなキャッチしてやる!」
億泰にゴールキーパーの経験はない。だがこのサッカーはいくら能力を使ってもルール違反にはならない。ならどんなボールでもザ・ハンドで引き寄せてキャッチできる。億泰にはその自信があった。
シュートを今か今かと待つ億泰だったが、サッカー・Dの取った行動は意外なものだった。
変身を解除して元の炎谷に戻ったのだ。
「なッ・・・てめぇ、手加減のつもりかよ!?」
炎谷の真意がわからず億泰の額に冷や汗が流れる。そんな億泰に炎谷はひどく落ち着いた様子で、
「違うな。あの姿ではこれが撃てないから変身を解いたんだ」
そう言うと炎谷はボールを蹴り上げ自身も空へと飛んだ。仗助はそれを見て、
「な・・・なんすかあいつ!? ストⅡの春麗(チュンリー)のスピニングバードキックみてえに回転しながら空を昇っていく・・・・・・」
さらに炎谷の足を真っ赤な炎が覆って炎の竜巻と化す。
「フレイムトルネェーーードッ!!」
竜巻の回転力と炎の熱を得た炎谷の右足はボールをバズーカのような勢いでゴールへ向かって蹴り飛ばした。
「うッ・・・うおおおおおおおおおお!!」
真っ直ぐ億泰の腹に炎を纏ったボールがめり込む。そしてボールはそのまま直進し、億泰をゴールネットに叩きつけてゴールした。
「億泰ッ!!」
仗助を筆頭に鬼柳チームの皆が億泰を心配して駆け寄る。
「ああ・・・俺なら大丈夫だ。それより1点入れられちまったな・・・」
「気にするな。それより大丈夫なのかよ? 交代しなくて」
鬼柳の問いに億泰は首を横に振った。数々のバイトやジャッジメントの仕事で体を鍛えてきたのでタフさには自信があるらしい。
「ねえ佐天さん、あの人超能力者じゃあないのに・・・何で炎が」
ベンチの初春は炎谷が足に纏っていた炎が不思議でならなかった。億泰の服の腹の部分は黒く焼け焦げている。あの炎は確かに本物だったのだ。
不思議でならない初春に対して佐天はまるで常識であるかのように、
「ああ、あれは『ボールを通して出る力』よ」
「ボールを通して出る力!?」
佐天はうなずいて、
「初春にはわからないだろうけど、一流のサッカープレイヤーは自分の想いをボールに乗せて表現することができるのよ。炎谷修矢は発火能力者ではないけれど、ボールに炎のイメージを乗せることでああいう必殺技を撃てるの」
正直、佐天の説明は初春には意味不明だった。原理もサッカーである必要性も何もわからなかったが、これ以上聞いても得るものは何もなさそうなので、とりあえずこの場の空気に乗ることにした。
その後も炎谷はサッカー・Dの姿でディフェンスを崩し、変身を解除してフレイムトルネードを撃つという戦法で鬼柳チームから次々と点を奪っていった。
炎谷を止めようとする鬼柳チームの面々はそのたびに傷つき、疲弊していった。
そして炎谷チームに36点目の得点が加わったところで前半終了のホイッスルが鳴った。
「うぅ・・・ぐぐぐ」
「おい億泰、大丈夫かよ・・・」
仗助は億泰に肩を貸しながらベンチまで歩いてゆく。36発ものフレイムトルネードをまともにくらい続けてきたのだ。服のところどころが黒く焦げ付いている。
億泰だけではない。仗助も康一も、サティスファクションの面々も皆泥だらけになっていた。
「鬼柳さん・・・もういいんじゃないですか? あきらめて炎谷を確保すれば・・・」
初春がそう言うのも無理はなかった。鬼柳たちはもう見ていられないほどボロボロだ。後半まで続けたらどうなるか・・・36点もの点差を覆すことなど無理に決まっている。
「大丈夫だ。まだ俺たちは折れちゃいねえ」
翔太郎が右手で帽子を直しながら左手を初春の頭の上に置いた。
「そうですわ初春。私たちはまだ戦えますわ」
佐天が用意したレモンのはちみつ漬けを噛み締めながら黒子も立ち上がる。
「心が折れたら誰も救えない。だから俺たちはあきらめねえ・・・行くぜ」
鬼柳がそう言って、11人全員が立ち上がると鬼柳チームは再びフィールドへともどっていった。
 
そして後半戦が始まった。
ボールを持って飛び出してきたのはサッカー・Dに変身した炎谷ではなく、『凍てつく闇の旋風(かぜ)』コンビことガゼルとシャドウだった。
「あいつにばかりいい格好をさせるものか。見せてやる・・・私たちが創り出す絶対零度の闇の世界を」
「させるかよ!」
翔太郎が前に立ちガゼルの進攻を妨害するが、
「ぐはあああ!!」
弱っている翔太郎をガゼルはいともたやすく弾き飛ばした。
「シャドウ!」
ガゼルはシャドウにパスを出した。前方にはジャックと遊星がいる。
「どけ、怪我をしたくなければ・・・」
シャドウはそう言った瞬間、自身の体から不気味な黒いオーラを放ち、自身が走ることによって生まれた風に乗せて2人にぶつけた。
「うわあああ!!」
「どわあああ!!」
2人を後方に向かって吹き飛ばすとシャドウとガゼルはゴール目前に迫った。
「凍てつけ! そして恐怖しろ! これが私たちの必殺技!!」
ガゼルが叫ぶとシャドウがフレイムトルネードのように回転しながら空を昇ってゆく。フレイムトルネードとの違いは足に纏っているのが黒い不気味なオーラだということだ。
「ダァーーーーーク!!」
闇を纏ったボールをシャドウはガゼルに向かって蹴り落とす。
「インパクトッ!!」
ガゼルはそれを氷河のような冷気と矢のような鋭さを伴った左足で蹴り飛ばした。暗黒と氷河の合体必殺技、ダークインパクトが真っ直ぐに鬼柳チームのゴールを貫く・・・と思われたが、
「フレイムトルネェーーードッ!!」
ダークインパクトに追いついた炎谷は超低空でフレイムトルネードを繰り出し、ダークインパクトの威力をすべてフレイムトルネードの威力に加えた。
「「何ッ!!」」
驚いたのはガゼルとシャドウだ。暗黒の宇宙を流れる彗星のように速いダークインパクトに追いつき、さらに必殺技を加えることなど不可能なはずだった。それを炎谷は可能にしてしまったのだ。
「う・・・うぅ・・・・・・」
億泰にダークインパクトの威力を加えたフレイムトルネードが迫るが、今まで散々フレイムトルネードをくらい続けてきた億泰にそれを避ける、ましてや止める力などもはや残ってはいなかった。
「くッ・・・・・・こんなの・・・こんなのサッカーじゃねえええええッ!!」
そう叫んでクロウはフレイムトルネードに飛び込んだ。フレイムトルネードはクロウの胸に激突し、数秒間暴れ続けた。
「ぐっ・・・ぐああああああああッ!!」
さらに数秒後、クロウを吹き飛ばしてフレイムトルネードはなおも前進した。だがクロウの特攻によってその威力はかなり殺されており、億泰はふらつく足をなんとか立たせてザ・ハンドを繰り出した。
バシィッと音を立ててボールはザ・ハンドの手中に収まる。やっと1回、相手のシュートが止められた。
だがクロウは・・・地面にうつぶせに倒れている。皆心配して目をやると、クロウはよろよろと立ち上がった。
「大丈夫だ・・・俺のことは心配するな。だてにサティスファクションやってたわけじゃあないんだからよ・・・・・・」
とは言っているもののクロウの顔は真っ青で、苦しそうに胸を押さえている。それもそのはずだ。彼は今ので肋骨を2、3本折られてしまった。
「早く決着をつけねえと・・・みんなの体がもたねえ」
鬼柳の心に焦りが生まれる。皆が動けるうちに自分たちの絆の力を炎谷に見せつけなければ・・・
「おい炎谷! さっきのは何だ!!」
あせる鬼柳チームとは別に、炎谷チームにも波乱が訪れていた。
「私たちのシュートを利用するとは・・・どういう了見なのか聞かせてもらいたいな」
ガゼルとシャドウが炎谷に食って掛かる。どうやら先ほどのプレーに不満があったらしい。
「別に・・・お前たちはただ黙ってフィールドに立っていたらいい。お前たちがいなくても俺1人で充分だ」
その一言がよっぽど頭にきたのか。シャドウは吐き捨てるように、
「貴様・・・いつか無限の暗闇の底に沈めてやる・・・・・・!!」
そう言って彼はユニフォームを脱ぎ捨て、フィールドを去った。
「炎よりも激しく残酷な氷で、いつか君を倒して見せよう・・・」
ガゼルもシャドウの後に続いてフィールドを去った。炎谷チームは11人から2人減って9人で試合を続ける事になる。
「おい炎谷・・・お前これで満足なのかよ?」
シャドウとガゼルを見送ろうともしない炎谷に鬼柳は問いかけた。炎谷は何も答えない。
おそらく炎谷は勝利の中にサッカーの楽しさを見出して、それを得ようと今までがんばってきたのだろう。だがその中で炎谷は勝利に固執するあまり、仲間との絆を見つけることができなかった。
「鬼柳・・・」
翔太郎、そして遊星、クロウ、ジャックがこちらに寄ってくる。彼らも炎谷の中の闇に気づいたようだった。そして5人は決意した。今が自分たちの絆を示す時なのだと。
億泰のキックで試合は再開した。受け取ったのは康一だ。康一はエコーズの超音波で身を守りながら駆け上がっていく。このまま相手ゴールまで行きたいが、残念ながら体力が持ちそうにない。
「仗助君!」
康一からのパスをクレイジー・ダイヤモンドで受け取る。だが目前に敵選手が迫ってきている。
「黒子ォ!!」
クレイジー・ダイヤモンドの力強いシュートが誰もいない空中に伸びていく。そこへ瞬時にテレポートした黒子が胸でボールを受け止める。だがこのまま自由落下すればボールを奪われるのは自明の理。
「お姉さまッ!!」
右サイドから駆け上がっていた御坂に黒子は空中からパスを出す。テレポートで御坂の足元に送られたボールはしっかりと御坂が受け取っていた。
「御坂! 後は任せろ!!」
鬼柳たちサティスファクションの5人がゴールに向かって走っている。御坂は電撃を纏った右足で5人の斜め前上空にシュートした。
「させるかッ!」
サッカー・Dに変身した炎谷がボールを奪おうとジャンプする。
「やはり・・・君はジャンプをする時、決まってあごを内側に向かって引く」
サッカー・Dの動きを読んだフィリップがサッカー・Dの目の前に飛び込むことでジャンプを妨害した。
「なっ・・・!!」
「フフ・・・君のプレーの癖は検索しつくした。さあ翔太郎、決めるんだ」
サティスファクションの5人は一斉にボールに向かって飛んだ。そしてボールを中心にして5人のシルエットが星の形を成す。
「行くぜ・・・これが俺たちの絆だ!!」
御坂の電撃を纏ったボールを5人の右足が同時に蹴る。
「「「「「サティスファクションブレイクッ!!」」」」」
5人の想いを乗せたボールが稲妻を纏う赤き竜となってゴールに迫る。
「デーモンキャッチッ!!」
ナスカ・Dはコカパクアプを召喚し赤き竜を押さえつける。だが荒れ狂う赤き竜はコカパクアプを撃ち砕いた。
「う・・・うわあああああああああああああ!!」
そして赤き竜に吹き飛ばされたナスカ・Dはゴールネットを突き破って遥か後方に吹っ飛んでいった。
「や・・・やったぜ! 初得点だ!!」
億泰は疲れ果て膝をつきながらもガッツポーズで喜ぶ。仗助や康一もその場に座り込んで初得点を喜び合っている。
「11人の想いを1つに合わせた必殺シュート。これぞまさに『一致団結』ね」
佐天もベンチで感極まっていた。
 
「フン・・・あれだけ大口を叩いておいて1点決められるなんて・・・馬鹿馬鹿しい」
今の様子を土手から見ていたガゼルとシャドウは忌々しげな様子で呟いた。
「まったく、頼りにならないわね」
突然、後ろから声がして2人は振り向いた。見るとそこには黒い喪服と帽子をかぶった30歳前後くらいの女が立っていた。
「な・・・何だ? この女から放たれる異様な黒いオーラは・・・!?」
女の異様さに2人は少し後ずさりをする。そもそもこの女はいつ現れたのか?
「心配しなくていいわ。私はミュージアムの者。あなたたちに頼みたいことがあってきたのよ」
「頼みたいこと・・・?」
聞き返されると女・・・園崎冴子は懐から2本のガイアメモリと生体コネクタ設置手術器を取り出した。
 
「何故だ・・・何故敗れたんだ・・・・・・」
サッカー・Dの変身を解いて炎谷は四肢を地面に着いた。ガイアメモリはこの社会の敗者を救済するための力だったはずだ。なのに何故だ。何故絆の力などという得体の知れないものに負けたのだ。
そんな炎谷に鬼柳は近寄って、
「炎谷・・・お前、昼飯はいつも誰と食ってる?」
突拍子もない質問をされた炎谷はイライラした様子で鬼柳をにらみつけ、
「・・・1人だ。それがどうした」
鬼柳は頬を緩め、
「1人で食う昼飯ほど虚しいもんはねえ。でも仲間たちみんなで食う昼飯は格別だし、いい思い出にもなる。仲間っていうのはそういう想いを共有して、一緒に満足するもんなんだぜ」
それを聞いて炎谷はうつむき、しばらくして、
「そういえば・・・昔、小学生の頃いたサッカーチームで監督が作ってきたおにぎりをみんなで取り合いながら食べたっけな・・・・・・ずっと昔の事だから忘れてたな」
炎谷はフッと微笑むと、
「完敗だ。この勝負、あなたたちの勝ちだ」
炎谷は地面にサッカーのガイアメモリを置いて立ち上がり、右足でメモリを踏み砕いた。
そして鬼柳に向かって右手を差し出す。鬼柳が笑顔でそれに答えると観客席から警備に当たっていたジャッジメント隊員たちの惜し気もない拍手が送られた。
翔太郎は鬼柳の後ろに立ちながらやれやれといった感じで不意に土手の方に目をやった。
その時、翔太郎はあるものに気づき顔を強張らせた。ドーパントだ。2体のドーパントが炎谷に向かって攻撃を仕掛けようとしている。
「鬼柳危ねえ!!」
叫んだ瞬間、2体は攻撃を仕掛けてきた。巨大な氷塊と真っ黒な炎だ。当たればたとえサティスファクションの体力を持ってしてもひとたまりもないだろう。
翔太郎は炎谷と鬼柳をタックルで突き飛ばし、さらにその勢いで前転をして転がる。直後、フィールドに氷塊が突き刺さり、黒い炎が土を焦がした。2人も翔太郎も無事だ。
「翔太郎・・・助けてくれたのか!?」
翔太郎を見た後、鬼柳は攻撃のあった方向を見る。そこにドーパントを見つけると鬼柳は大体の事情を把握した。
「見るがいい・・・虚無と無限の暗黒世界の力と」
「絶望と恐怖の白銀の力に震えるがいい」
2体のドーパント、ダークネス・Dとブリザード・Dは土手を下りてこちらに向かってくる。
「鬼柳、こいつらは俺に任せてくれ・・・フィリップ!」
翔太郎は2体のドーパントをにらみつけたまま叫ぶ。
「ああ。涙子ちゃん、僕の体を頼んだよ」
フィリップはベンチに座りサイクロンのメモリを取り出した。
『変身!』W「変身!」
そしてそれをいつもの手順で挿し込み、翔太郎のダブルドライバーに自分の意識ごと転送する。そして翔太郎もジョーカーメモリを挿し込んでダブルドライバーを左右に開く。
―サイクロン! ジョーカァーッ!―
左右、黒と緑の戦士、仮面ライダーダブルに翔太郎とフィリップは変身した。
「翔太郎・・・お前!?」
サティスファクションの皆は何が起こったのかわからないらしい。そういえば自分が仮面ライダーをやっている事を話していなかった。
「仮面ライダー・・・まさか、アンタも!?」
御坂も不振気にこちらを見ている。
「よし、後でゆっくり話す!」
ダブルはドーパントたちに向かって走りこんでゆく。
「ラァッ!」
ダブルはダークネス・Dに向かって拳を振り上げる。だがダークネス・Dは黒い煙幕のようなものを体から噴出し姿をくらます。
「やろう・・・どこ消えやがった?」
煙幕は辺りにどんどん広がっていく。視界が悪く敵の姿がまったく見えない。
『翔太郎、サイクロンの風で煙幕を払おう』
翔太郎はフィリップの提案を受け入れ、ジョーカーメモリをメタルメモリに挿し換える。
―サイクロン! メタルゥッ!―
緑と銀のダブルはメタルメモリの力で出現した鉄棒、メタルシャフトを右手で勢いよく回転させる。ダブルを中心にして緑色の竜巻が起こり煙幕が吹き飛ばされていく。
「よし、敵は・・・」
翔太郎は辺りを見回す。敵は2人ともダブルのすぐ先にいた。その時、フィリップはわずかに寒さを感じた。
『これは・・・翔太郎、まずい!!』
「墓穴を掘ったね・・・フフ、もう遅い!」
ブリザード・Dが言った直後、ダブルは巨大な氷の中に閉じ込められた。
「君たちが煙幕を風で払うことは読めていた。だからそれを狙って私の冷気を送ったのさ」
ブリザード・Dは得意気に鼻を鳴らす。
「よくやってくれた。ご苦労」
ゴールの後ろでのびていたナスカ・Dは復活してこちらに寄ってきた。ナスカ・Dはコカパクアプを召喚して、
「この人は僕のライバルでね。止めは僕に刺させてほしいんだ」
「別にかまわないよ。私たちの標的はあっちなんでね」
ブリザードとダークネスのドーパント2人は炎谷の方を見る。
「鬼柳さん、逃げてくれ。あいつらは俺を狙っているんだ。あなたたちにもう迷惑はかけたくない」
「何言ってんだ。仲間を見捨てて逃げれるかよ」
だが鬼柳は迷っていた。このままでは翔太郎が変身しているあの仮面ライダーは地縛神コカパクアプに粉々に砕かれ、自分たちはドーパント2体の攻撃をくらうだろう。一体どうすればよいのか・・・名案は浮かばない。
「クソッ! もういい! 遊星、クロウ、ジャック! 行くぞ!!」
鬼柳はやけになったかのように声を荒げる。
「その言葉を待っていた!」
「やっぱ俺たちはこれしかねえよな」
「せいぜい俺の足を引っ張らぬことだな」
遊星、クロウ、ジャックは詳しく聞かずとも鬼柳のやりたいことがわかった。そしてそれに協力することを最初から決めていた。
「行くぜお前ら・・・チームサティスファクション! 突撃だ!!」
4人は一斉に敵に向かって走ってゆく。
「馬鹿め・・・死にたいのか?」
「一瞬で楽にしてやる」
ブリザード・Dは強烈な冷気を、ダークネス・Dは当たれば体の感覚を麻痺させる煙幕をそれぞれ噴出する。だがサティスファクションの面々はそれらを華麗な動きでかわして行く。
「何故だ・・・何故かすりもしない!?」
「だてにサティスファクションやってねえんだよ!!」
そしてサティスファクションの面々は敵の懐に飛び込む事に成功した。
遊星とクロウは鬼柳直伝のボディーブロー、満足パンチをブリザード・Dとダークネス・Dにそれぞれ撃ち込み、鬼柳とジャックは顔面に強烈な回し蹴りをお見舞いした。
「う、ううう・・・!」
「ぐ・・・ぬうう」
ブリザード・Dとダークネス・Dはサティスファクションの猛攻に思わずよろける。
「すごい・・・これがサティスファクション」
佐天を始め、仗助や黒子たちは皆一様に驚愕していた。ただの生身の人間がドーパントを相手に圧倒するなど普通では考えられない。さすがはサティスファクションとしか言いようがなかった。
「これは・・・一刻も早くダブルに止めを刺さなければ!」
ナスカ・Dがコカパクアプの拳を振り下ろそうとした時、
「させるかよ!」
鬼柳はデッキケースから『インフェルニティガン』のカードを引き、ダブルが閉じ込められている氷に向かって手裏剣のように投げた。カード手裏剣は勢いよく氷に突き刺さり、亀裂を生じさせることに成功した。
「今だ! 出てこい、翔太郎!!」
鬼柳の叫びに答えるかのように亀裂がどんどん大きくなっていく。そして、
―ヒート! メタルゥッ!―
氷を溶かして赤と銀のダブルが現れた。
「ヒートメモリ・・・いつの間に!?」
驚くナスカ・Dにフィリップが、
『氷に閉じ込められる前、冷気に気づいた僕がとっさにヒートのメモリに挿し換えたんだ』
「だが氷の中ではダブルドライバーを開くことができなかった。助かったぜ、鬼柳」
「それはお互い様だろ」
翔太郎の礼に鬼柳はニヤリと笑って返した。先ほど翔太郎が鬼柳を敵の攻撃から助けたことを思っているのだろう。
「おのれ・・・コカパクアプ!!」
ナスカ・Dはコカパクアプの拳を振り下ろそうとする。だがダブルの動きに拳が追いつかない。
「遅えよ」
ナスカ・Dに向かってメタルシャフトを1発、2発、3発・・・地縛神召喚で体力を大幅に削ったナスカ・Dは堪らなくなる。
「く・・・仮面ライダーダブル、この負けは必ず取り戻させてもらうよ」
一瞬の隙を突いてナスカ・Dは翼を広げ飛翔する。そして何処かへと飛び去っていった。
『翔太郎、マキシマムドライブで一気に方を付けよう』
ダブルはメタルシャフトにメタルメモリを挿し込む。
―メタルゥッ! マキシマムドライブ!!―
メタルシャフトの両端を真っ赤な炎が纏う。それを見てブリザード・Dとダークネス・Dに組み付いていたサティスファクションの面々は組み付くのを止めて離れた。
『「メタルブランディングッ!!』」
メタルシャフトの炎のジェット噴射でダブルは前進する。そしてメタルシャフトでブリザード・Dとダークネス・Dに高熱の一撃をくらわせた。
「うわああああああああああ!!」
「うおおおおおおおおおおお!!」
メタルブランディングをくらった2人は変身が解け、元のガゼルとシャドウに戻った。
 
「きっと彼らもサッカーが自分の居場所だったんです。でも俺があんなことを言ったから・・・」
ジャッジメントの手配で到着した救急車にガゼルとシャドウが乗せられる。その様子を見て炎谷はある決意を固めた。
「俺、彼らと仲間になります。皆目指している場所は一緒だから、今度は仲間と一緒に行きます」
「ああ、がんばれよ」
そう言って鬼柳は炎谷にサッカーボールを手渡した。炎谷はそれを持って救急車に乗り込んだ。
「・・・これで、満足したぜ」
いつの間にか空は夕焼け色に染まっている。
「じゃあ皆で祝勝会でも開くか! どっか適当なファミレスにこれからいこうぜ」
鬼柳の提案に全員が賛成する。和気藹々とした空気が流れる中、翔太郎は素朴な疑問を1つ投げかける。
「なあ鬼柳、それはお前のおごりなんだよな?」
鬼柳はニコリと笑って、
「何言ってんだよ。俺たち仲間だろ? 割り勘だ、割り勘」
翔太郎がガクーッとしたのを見て皆一斉に笑った・・・御坂を除いて。
 
次回予告
ナスカ・D「やあ探偵。この間の借りを返させてもらう!」
ダブル(翔太郎)「なんだと!? う・・・うおおおおお!!」
フィリップ「いつものように霧彦と戦っていた翔太郎は不意の一撃により記憶を失った。果たして翔太郎は記憶を取り戻すことができるのか?
次回、学園都市の日常・科学サイド『失われたD/ロスト・メモリー・フラッシュバック』
これで決まりだ」
 
フィリップ「今日の最強ヒーローは『鬼柳京介』
かつてサテライト地区で活躍したチーム・サティスファクションのリーダー。現在はサティスファクション地区の地区長をしている。翔太郎たちサティスファクションの兄貴分で、人を動かすことに関して無類の才能を発揮するそうだ。ちなみに趣味はハーモニカで、常に懐に忍ばせていて暇があれば吹いているらしい」
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使用BGM
by Joker 2012/02/05(Sun)22:20:56 Edit
※BGM1『今回の依頼は』(仮面ライダーWより)
※BGM2『揺れる帝国』(イナズマイレブンより)
※BGM3『円陣』(イナズマイレブンより)
※BGM4『公式戦』(イナズマイレブンより)
※BGM5『帝国学園のテーマ』(イナズマイレブンより)
※BGM6『5D'sのテーマ』(遊戯王5D'sより)
※BGM7『伝説のイナズマイレブン』(イナズマイレブンより)
※BGM8『マジSOS』(遊戯王5D'sより)
※BGM9『Free Your Heat』(仮面ライダーWより)
※BGM10『探偵とは』(仮面ライダーWより)
先生お疲れ様っス
by ガチャピン 2011/02/24(Thu)17:04:56 Edit
今回もなかなかおもしろかったっス
作者あとがき
by Joker 2011/02/23(Wed)23:03:23 Edit
佐天さんをカブトボーグで例えると、「うざくないロイドさん」です。

遅れてスミマセン。中途半端だったシャーマンキング完全版をコンプリートしてずっと読んでました。録り溜めてたコードギアスも消化してました。おかげでこのざまです。次回は早めに投稿しようと思います。

以上、イナズマイレブンは1~3まで全部やってて、さらに言えば2と3は発売日に買ってるJokerでした。ちなみに好きなキャラは染岡さんと綱海とオサーム様です。
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