学園都市の日常・科学サイド 第5話

第5話｢弓と矢と虹村兄弟　その➀｣

作者　Joker

こんにちは。広瀬康一です。

僕が住む｢杜王地区｣は、学園都市内のベッドタウンとして発展した地区だ。

学園都市の多くの学生とその家族がこの地区で暮らしている。

建物の比率は一般家屋が80％を占め、高い建物もなく、学園都市には珍しく田舎然とした地区だ。

この地区の特産品は牛タンの味噌漬け・・・・・・

僕と仗助君の通う｢ぶどうヶ丘高校｣は小・中・高一貫教育の学校で、

常盤台地区との境目近くにあり、

御坂さんと白井さんが通う「常盤台中学」(超エリートお嬢様校)とは目と鼻の先の関係にある。

彼女らが住む、5つのお嬢様校の寮が集まってできている｢学び舎の園｣という施設は杜王地区内にあるので、

僕たちは登下校のルートが同じで、一緒に登下校したりしていた。

 

ある日の学校の帰り道、

僕は仗助君と白井さんと一緒に下校していました。

｢ところでさあ、あの承太郎さんはどーしたの?｣

｢ああ、あの人はまだ“常盤台グランドホテル”に泊まってるぜ・・・

なんでもこの街で調べたいことがあるそーだぜ。

俺はよく知らねーんだけど。｣

｢きっと、例の“弓と矢”について調べているんでしょう・・・｣

黒子が言った。

そのとき康一は誰かに見られている気がした。

周りを見てみると、近くの3階建ての空き家の2階から人影が見えた。

｢仗助君・・・・・・

確かこの家3、4年ズウーッと空き家だよね?｣

｢ああ・・・こう荒れてちゃあ売れるわけねーぜ。

ブッ壊して建て直さなきゃあな。｣

｢いや・・・誰か住んでるよ。引っ越してきたんじゃない?

今2階の窓のところにろーそく持った人がいたんだよ・・・｣

仗助と黒子は2階の窓を見てみたが誰もいない。

｢そんなはずはないなあ・・・

俺んちあそこ(50メートルほど先)だろ?

引っ越したっていうならすぐわかるゼ。｣

空き家はシィイーーーンと静まり返っていた。

｢いわれてみれば、南京錠がおりている。

おかしいなあ・・・

ひょっとして幽霊でも見たのかなあ・・・僕・・・・・・｣

康一は空き家の鉄の門から顔を出して中を見てみた。

すると門の横の柱の影に人の足が見えた。

｢あっ!｣

ドグオオン

｢ぐえっ　ウゲーーーッ｣

メキメキメキ

その足は門を蹴り、康一の首を門の間に挟ませた。

康一の悲鳴で振り返る仗助と黒子。

その足の主は仗助と同じぐらいの体型、同じくらいの年齢の不良っぽい少年だった。

｢人の家をのぞいてんじゃねーぜ、ガキャア!｣

グギ　グギギ　ギシ ギシ ギシ

「うほげげっげっげ～～～～～～」

首を門に挟まれている康一はとても苦しそうである。

｢おい!いきなり何してんだてめーっ

イカレてんのか?放しなよ。｣

仗助が少年に向かって叫ぶ。

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

場に緊迫した空気が流れる。

｢おい!この家は俺の親父が買った家だ・・・

妙なせんさくはするんじゃあねーぜ。2度とな。｣

｢ンナ事はきいてねっスよ。

てめーに放せといってるだけだ。早く放さねーと怒るぜ。｣

ヒュンッ

｢ハッ!?｣

ドスゥッ

｢ぐえッ｣

意外!それは弓矢ッ!

突然飛んできたそれは康一の胸に突き刺さった。

｢なにーーーィ　康一!?｣

｢弓矢ですって!?まさか・・・・・・!!｣

仗助と黒子は驚いている。

｢・・・・・・・・・・・・!!　“兄貴”・・・・・・!?｣

少年に兄貴と呼ばれた男は少年に答える。

｢なぜ矢で射抜いたか聞きたいのか?

そっちの2人が東方仗助と白井黒子だからだ。

アンジェロを倒したということは、俺たちにとってもかなり邪魔なやつらだ・・・｣

｢ほへ～～～っ

こいつらが東方仗助と白井黒子～～～～～～っ　・・・・・・!?｣

｢“アンジェロ”だと～～～っ

てめーらなんで俺たちがアンジェロを倒したって知ってんだ!?｣

｢きっと、こいつらがアンジェロの言っていた・・・

“学生服の男”の正体なんですわ・・・・・・!｣

｢“億泰（おくやす）”よ!その2人を消せ!｣

ドサ!

億泰と呼ばれた少年は足をどけて康一を門から開放した。

｢ガフッ　うごごご・・・・・・｣

｢うっ、康一・・・・・・・・・!｣

｢血を吐いたか。こりゃあだめだな・・・死ぬな・・・・・・

ひょっとしたらこいつもスタンド使いになって利用できると思ったが・・・｣

｢ど、どけッ!

まだ・・・今なら、俺のクレイジー・ダイヤモンドで傷を治せる・・・｣

｢だめだ!

東方仗助、白井黒子、お前らはこの虹村 億泰（にじむら おくやす）の“ザ・ハンド”が消す!｣

ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド ド

｢いくぜ～～～っ｣

バゴォンッ

仗助は隙をついて猛スピードで先制パンチをいれた。

｢ブッ!｣

億泰は少量の血を口から吐いた。

｢どかねえと、マジに顔をゆがめてやるぜ・・・・・・｣

｢ほう～っ

なかなか素早いじゃん・・・｣

 

｢ところで白井黒子・・・てめーなかなか俺の好みじゃあねえか。

どうだ、俺たちの仲間になるってんなら命は助けてやるぜ?｣

｢はァ!?｣

黒子はなに言ってんだこいつみたいな顔で億泰を見た。

｢遊んでんじゃあねーんだぞッ!億泰ッ!｣

兄貴と呼ばれた男が億泰に向かって叫ぶ。

｢お前が身につけたその“ザ・ハンド”は、この俺が思い出しただけでもゾッとするスタンドだ・・・

マジにやれよ!

アンジェロを倒したその東方仗助と白井黒子は必ずブッ殺せッ!いいな。｣

｢チッ!・・・・・・わかっ・・・・・・

・・・ハッ!?｣

先ほど仗助と黒子がいた場所を見たら2人の姿はなかった。

｢あっ!!

俺が話している間にテレポートで俺の後ろに・・・・・・｣

｢あなた・・・・・・・・・頭悪いでしょう・・・・・・?｣

｢なに?何でっ!?｣

バギィーーーッ

仗助は億泰を殴り飛ばした。

｢どけっつってんスよ・・・・・・・・・｣

仗助と黒子は康一の元へたどり着いた。

｢康一!

・・・よかったぜ、まだ生きている・・・これならまだ助けられ・・・｣

ド ド ド ド ド ド ド ド ド

億泰がスタンドを出して背後から突っ込んでくる。

｢ゆるさねえぜ。もうゆるさねえ!｣

｢どいてろって言ってんスよ!近づくとマジに怒るぜッ!

俺のスタンド、クレイジー・ダイヤモンドに破壊されたものは、

顔をなぐりゃあ顔がッ!腕をなぐりゃあ腕が変形するぜっ!｣

｢やってみろ!コラァーッ　できるもんならなーッ｣

ガオオーーーーーン

億泰のザ・ハンドの右手がクレイジー・ダイヤモンドにせまる。

｢ドラァーーーッ｣

仗助はその右手を殴り返そうとする。

｢はっ!｣

しかしその時、横で見ていた黒子はザ・ハンドの右手から妙な威圧感を感じた。

（こいつ・・・“右手”に異常な“自信”をもっていますわ・・・）

｢仗助! その“右手”・・・直感ですがなにかやばいですわ!｣

｢!?｣

グァシィーン

黒子の助言を受け、仗助はその右手を殴らず受け止めた。

｢“右手”をはなさんかい! ダボがぁ!｣

｢やはり“右手”ですわ・・・｣

ザ・ハンドは左手でクレイジー・ダイヤモンドを殴り、右手をはなさせた。

｢ぐげっ｣

そしてザ・ハンドの右手が空気をえぐるような動きで再び仗助にせまる。

ギャオオオオオン

しかし仗助はそれを間一髪、なんとかかわせた。

この間の攻防で仗助は康一から遠ざかってしまった。

｢逃げてんじゃねーぞッ!仗助ェーーーッ

友達見捨ててんじゃあねーぜ

俺の腕、変形させんじゃあなかったのかよぉ～～～～～～｣

｢・・・・・・てめーのその“右手”・・・・・・

何かあるらしいな!｣

｢ンなこたあくたばってから考えやがれッ!

行くぞコラーッ｣

その時仗助は門にかけてある看板に何か奇妙なものを感じた。

｢なんだ・・・あの門の扉・・・・・・?

何かおかしいぞ・・・どこかが前と違っているぞ・・・

“立”・・・“禁止”・・・・・・?　いったい?｣

ド ド ド ド ド ド ド ド ド

ザッ!

仗助はあとずさりする。

｢あとズサリして間合いをとってんじゃあねーよ、タコ!

友達公（ダチコー）からどんどん離れていくぜ～～～っ

もっと近づいて来なよ!｣

ズザッ

仗助はあとずさりしながら考える。

「“入”って字がねえ。

ひょっとして・・・きさまのスタンドのその右手・・・

削り取ったんだな。

“空間を削り取る能力”!｣

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

｢そのとおりだ・・・・・・東方仗助!

この“右手”がつかんだものは削り取ってしまう!

そして切断面は元の状態だった時のように閉じる・・・

もっとも・・・削り取った部分は・・・

この俺にもどこに行っちまうのかわからねぇがよぉ～～～～～～っ｣

仗助は身構える。

｢逃げるやつにゃあこうゆうこともできるんだぜっ!｣

ギャオオオオオオオオオン

ザ・ハンドの右手が弧を描く。

｢空間を削り取る!

・・・・・・・・・するとお～～～～～～っ!｣

ドン!

仗助と億泰の間の空間が削り取られ、2人の間合いが一気に縮まった。

｢ほお～～～～～～ら寄って来たァ～

“瞬間移動”ってやつさあ～～～っ

そして死ねい!仗助ッ!｣

ザ・ハンドの右手が仗助にせまる。

｢・・・・・・おまえ・・・頭悪いだろ?｣

｢何で!?｣

―――ヒュン

ドグォオオッ

｢ブゲ!｣

空中にテレポートした黒子が億泰の後頭部にドロップキックをくらわしたのだった。

｢俺に気をとられて、自分の背後に黒子がいたことを忘れていやがったな・・・

黒子、なにか言ってやれ。｣

｢空間移動能力者（テレポーター）のわたしをさしおいて瞬間移動だなんて・・・

10年は早いんじゃなくて?｣

 

｢・・・でも、危なかったですわね。

虹村億泰・・・・・・・・・｣

｢ああ、かなりグレートで恐ろしい“スタンド”だぜ。

こいつのは～～～～～～｣

億泰は気絶している。

｢気がついて反撃されると厄介ですわ。｣

｢そうだな。とうぶん気絶したままでいるように一発きつーく首をしめとくかな。｣

しかしその時、仗助は康一が気になったのでふとその方向を見てみると・・・

｢ハッ!　こっ 康一がッ!・・・・・・・・・｣

康一の姿はなかった。

かわりに家の中に続いていく血の跡があった。

仗助と黒子の目に怒りの炎がともる。

｢いい加減にしろよ・・・

てめえらッ!｣

仗助と黒子は家の中をのぞきこむ。

するとそこには倒れている康一と、その横には先ほど2階からしゃべりかけてきていたと思われる男がいた。

｢この矢は、大切なもので一本しかない・・・俺の大切な目的だ。

回収しないとな。｣

彼の名は虹村 形兆（にじむら けいちょう）＝スタンド｢バッド・カンパニー｣

グッ

形兆は康一に突き刺さっている矢をつかんだ。

｢矢を抜くんじゃあねーぞッ!

出血が激しくなる!｣

｢・・・・・・・・・弟がマヌケだからきさまらをこの俺が殺さなきゃあならなくなった。

・・・となると、この小僧の体をこのまんまにしておいてこの“矢”になんかあったらやばいだろ?

近所のオバサンに見られるとか、もしかして折れたりしたら大変だ。

キチョーメンな性格でね。

お前らを殺す（バラす）前にちゃんと“矢”を抜いてキチッとしまっておきたいんだ・・・・・・

お前らは一枚のCDを聞き終わったら、キチッとケースにしまってから次のCDを聞くだろう?

誰だってそーする。俺もそーする。｣

ズボアッ

｢はぐっ｣

矢を抜かれて康一が血を吐く。

プッツゥウウウウウウン!

仗助がキレて形兆に向かって突っ込む。

｢ほほう、この屋敷に入ってくるのか!?｣

｢はっ! いけませんわ仗助!

ここは奴の縄張りッ　何があるかわかりませんわッ!!｣

｢でもよぉ～黒子、入んなきゃ・・・・・・・・・

あいつをブチのめして康一のケガを治せねえだろうがよぉ～～～～～～っ!!｣

その時、気絶から立ち直った億泰が扉から入ってきた。

｢兄貴!俺はまだ負けてはいねーっ!

そいつへの攻撃は待ってくれっ!!｣

｢“攻撃”!?｣

黒子の頭にその言葉が引っかかる。

｢俺とこいつらとの勝負はまだ!

ついちゃあねえんだぜ!｣

｢天井の闇の中から、何か来ますわッ!｣

黒子は仗助を連れて玄関のすぐ近くにテレポートした。

その直後、億泰の顔にまるで針でつつかれたかのような穴が大量に開いた。

｢!!　億泰ゥ～～～ッ｣

億泰は倒れた。

｢どこまでもバカな弟だ・・・・・・・・・

お前がしゃしゃり出て来なければ、俺の“バッド・カンパニー”は完璧に仗助に襲い掛かった。

しかも攻撃の軌道上にてめーが入ってくるとはな・・・・・・・・・

ガキのころから思っていたがお前のようなマヌケは早いとこそーなるのがふさわしかったな・・・｣

ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ

｢いったいなんですの?この傷は!?

どういう攻撃をすればこんな傷がつくんですの!?・・・・・・・・・・・・｣

｢とにかく何かが、いるらしいな・・・｣

天井を見て仗助が言った。

｢億泰よ・・・人は成長してこそ生きる価値ありと何度も言ったよなあ・・・・・・・・・

お前の“ザ・ハンド”は恐ろしいスタンドだが・・・・・・・・・

お前は無能だ!

無能な奴はそばの者の足を引っ張るとガキのころからくり返しくり返し言ったよなあ～～～

弟よ、お前は・・・・・・・・・

そのままくたばって当然と思っているよ!｣

億泰の足に大量の穴が開く。

｢また無数の穴ですわ!｣

｢てめーッ　弟を殺す気か!｣

仗助が億泰に向かって突っ込む。

｢危ないですわ仗助!早く戻って!!｣

｢クレイジー・ダイヤモンドッ!｣

仗助は億泰をつかむと壁を壊し始めた。

そして仗助はそこから家の外へ脱出しようとする。

ボッ!!

｢うぐうっ!!｣

しかし出る際、億泰をつかんでいた左手を攻撃されてしまった。

だが脱出には成功した。

壊した壁をクレイジー・ダイヤモンドが直す。

｢!!　東方仗助、白井黒子・・・・・・!

奴らはこの康一とかいうガキを見捨てないだろう。

またこの屋敷に入ってくるだろう・・・

必ず殺す・・・・・・

この“弓と矢”の目的を邪魔する奴は・・・何者だろうとなあ・・・｣

形兆は康一を引きずって2階へとあがった。

 

｢ハア　ハア　痛ゥ～｣

｢仗助!大丈夫ですの!?｣

｢ああ。　さて・・・と・・・億泰、

お前の兄貴のスタンドの正体を教えておらおうか?

いったいどうやってこの傷をつけんのかよお～～～!!｣

｢・・・・・・・・・・・・｣

億泰は何もしゃべらない。

｢おい、スタンドの正体だよッ!

しゃべれば傷を治してやるぜ。｣

｢だれ・・・が・・・・・・

言う・・・もんか・・・よ。　ボケが・・・｣

｢・・・・・・やっぱりな。

言うとは思わなかったよ。最初からな。

それじゃあやっぱり・・・しょうがねえなあーーーーーッ!｣

ズオオオオオ

｢!!｣

仗助はクレイジー・ダイヤモンドを出した。

ドギャアァッ

ブワアアア

スッ!

｢!!｣

億泰の傷は完璧に治っていた。

｢これからもう一度屋敷ん中に入るが邪魔だけはすンなよな、億泰・・・

おめーとやり合ってるヒマはないっスからなあ!

康一にはもう時間がないからだ。｣

｢!?　!?　?・・・

お・・・おい!待て!何でだ?仗助!?

何でだ?なぜ俺の傷を治した?

それに・・・・・・!

てめーのその手のキズだ!

俺を外に引っ張り出すときにやられたんだな?

そんなにまでしてよ、なぜ俺を助けたのか聞きてえ!!｣

｢・・・・・・・・・・・・｣

｢・・・・・・・・・・・・｣

｢・・・深い理由なんかねえよ。

“何も死ぬこたあねー”

さっきはそー思っただけだよ。｣

｢・・・・・・・・・・・・!｣

｢そして仗助は・・・仗助の“クレイジー・ダイヤモンド”は、

自分の傷は治せないんですの。

世の中・・・都合のいいことだけではないんですのよ・・・｣

｢そしてなにより、死んだ人間はどうしようもない。

ひとつだけ言っとくぞ億泰!

もし康一が死んだら俺はてめーの兄貴に何すっかわかんねーからな・・・

逆恨みすんなよ!

こいつはおめーの兄貴が原因のトラブルだ・・・・・・

わかったな?わかったら・・・

おとなしくそこでじっとしてろ。｣

｢・・・・・・・・・・・・・・・!!｣

 

仗助と黒子は再び屋敷の中に入った。

｢康一の血だ・・・・・・2階のあの部屋に続いている。｣

2人はその部屋の扉の前に行った。

仗助がゆっくりと扉を開ける。

｢!!　康一!｣

康一は部屋のド真ん中にいた。

（くっそ～～～完全に罠だぜ・・・・・・こいつは・・・

康一に近寄ったらどっかから攻撃してくる気だ・・・）

｢黒子・・・テレポートだ・・・

康一のそばにテレポートして康一をつれてすぐに戻って来るんだ・・・｣

｢・・・わかりましたわ・・・・・・｣

｢そいつはやめたほうがいいぜ・・・｣

ガシイッ

｢何ッ!億泰!きさまッ!｣

｢兄貴のスタンド能力はお前らの想像の上をいく・・・!

康一のそばにテレポートしても、お前らには不幸な未来しか待っていないぜ・・・｣

｢じゃあどうしろってんだ!

康一にはもう一秒たりとも時間がないんだぜッ!｣

｢なら・・・俺がこうしてやるッ｣

ギャオオオオオオオン

億泰のザ・ハンドの右手が弧を描く。そして・・・

ドン!

｢こ・・・康一が瞬間移動ッ!｣

｢俺はバカだからよぉ～～～

心の中に思ったことだけをする。

一回だけだ。

一回だけ借りを返すッ!

あとは何にもしねえ!兄貴も手伝わねえ!

おめーにも何もしねえ。

これでおわりだ。｣

｢・・・・・・・・・・・グレートだぜ・・・億泰!｣

 

TO BE CONTINUED