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teamBDR
性別:
男性
職業:
高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
メンバーの紹介なんDA
[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!
[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。
[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。
[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!
[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。
[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
メンバーの紹介なんDA
[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!
[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。
[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。
[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!
[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。
[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
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みなさんこんにちは、LUKEです。このたび『とあるMAD・魔術サイド』の筆を執ることになりました。
「科学サイドは連載してんのに何で魔術サイドは連載しねーんだよォォォォォォォォッ!」
――と、思ってらっしゃった方もこれで安心です!
えー、この『魔術サイド』はおもに『とある三つの物語』によって構成されていますが、まだまだ他の作品と混ぜていく予定です。また、本編の『魔術サイド』の出来事もからませますが、あくまで『とある三つの物語』+『その他』によって構成されたオリジナルストーリーになる予定です。
では、続きよりスタートです!
「科学サイドは連載してんのに何で魔術サイドは連載しねーんだよォォォォォォォォッ!」
――と、思ってらっしゃった方もこれで安心です!
えー、この『魔術サイド』はおもに『とある三つの物語』によって構成されていますが、まだまだ他の作品と混ぜていく予定です。また、本編の『魔術サイド』の出来事もからませますが、あくまで『とある三つの物語』+『その他』によって構成されたオリジナルストーリーになる予定です。
では、続きよりスタートです!
とあるMAD・魔術サイド
第一話 『謎の美少年』
学園都市某所、仮面ライダーWは目の前の光景に立ちすくんでいた。
「……、くそったれが」
仮面ライダーWの一人、左翔太郎は吐き捨てるように呟く。翔太郎の相棒であるフィリップは言葉すら出ないようだった。
目の前の光景――それは仮面ライダーWが『ガイアメモリ』と呼ばれ、『人間を怪人に変える』という道具を破壊し、それが地面に転がっている。
『ガイアメモリ』は恐ろしいものである。なにしろ先述の通り、『人間』を『怪人』に変えてしまうのだから。でも今の状態は『破壊』された状態。破壊してしまえばもう使用はできないし、使った人間も元に戻る。結果は割とオーライのはずだ。
だが。
――だが、二人は目の前の光景に言葉を失ってしまう。言いたいことはたくさんある。けれど、言いたいことが多すぎて何から言ったいいかわからない。二人はそんな心境だった。
何故なら、二人の目の前にガイアメモリとともに転がっている『使用者』は
まだ幼い面影を残した少年だった。
この街にはガイアメモリを売る人間がいる。
そんなことは翔太郎・フィリップの二人はとっくに知っていた。だから二人はガイアメモリに関する事件を追い、ガイアメモリによる更なる犯罪を防ぐために日々調査に努めている。
ガイアメモリを使った人間の末路は哀しいものだ。メモリの力に心を蝕まれ、いつしか本当の自分を失ってしまう。また、その人間が起こす事件で人が傷つき新たな哀しみを生む。ガイアメモリとは本当に哀しいものだ。
だが、ガイアメモリを使う人達も何らかの理由で心を病み、そのせいで力を求めるようになる。
だから、翔太郎とフィリップはそんな『哀しい人達』を心から救ってやりたいと思っている。
けれど――
それは、『大人』の場合だ。
この街には『子供』にもガイアメモリを売る人間がいる。当然、子供はガイアメモリのことなど何も知らない。子供たちはガイアメモリの恐ろしさを知らぬまま『好奇心』でそれを使ってしまうのだ。
そんなことは許さない。許してはいけない。
二人はそんな『子供たち』の笑顔を守るために今日も動き出す。
(……………………………………)
真っ白く、いくつもの本棚が並ぶ空間――脳内の中でフィリップは『検索』を続ける。
フィリップは『地球(ほし)の本棚』と呼ばれるものを自らの脳内にもっており、この地球(ほし)の生物、建造物など多種多様なものを『検索』することができる。
そんな様子を見て、左翔太郎は
「どうだフィリップ?」
「うーん」
フィリップは僅かに眉をよせる。
「ハッキリとは検索結果が出ない」でも、とフィリップは続け「だいたいは情報を掴めた」
「だいたい?」
「ああ、そうさ『だいたい』ね」
翔太郎は手を軽く握り、考えるような仕草をしながら「『だいたい』を話してくれ」
「わかった。検索結果を話そう」フィリップはすぐそばにある黒板サイズのホワイトボードに書かれた『キーワード』を指した。
「……、」翔太郎はフィリップが指したキーワードを凝視する。そのようすにフィリップは
「『パッショーネ』。これがその『だいたい』の正体さ」
「えーと。その『パッショーネ』というのは何なんだ?」
「説明しよう」歌うようにフィリップは「検索したところ『パッショーネ』というのはイタリア出身のギャング組織らしい」
フィリップは視線で『ここまではいい?』。対して翔太郎も視線で『大丈夫だ』と返答。
「どうやら彼らは麻薬をもともと売りさばいていたみたいだけど、最近になってガイアメモリも売るようになったらしい」
「麻薬の次はガイアメモリか。物騒な連中だな……まったく」
「彼らはそんじゅうそこらのチンピラじゃあない。何やら『暗殺(ヒットマン)チーム』なんてものもあるみたいだ」
暗殺(ヒットマン)チーム。その言葉に翔太郎は思わず息を呑んだ。
と、呆然としている翔太郎にフィリップは
「それよりも君」
「何だ?」
「空条承太郎に依頼された『ジョルノ・ジョバーナ』の捜索はいいのかい?」
「んぁ? 今から行くところだ」
そう言うと翔太郎は事務所の出口へと足を向けた。
ジョルノ・ジョバーナ。本名『汐華初流乃(しおばな はるの)』。
空条承太郎が捜索を依頼してきた人物で、少し関係があるらしい。
その捜索中の折、左翔太郎はイライラしていた。
(……あっつい)
翔太郎の頭に容赦ない熱線のような日の光が降り注いででいる。
ここは学園都市。学生の街である。それ故に学生が多いのは当たり前。普段ならこんな殺人級光線でもまだ夏前なので大したことは無い。だが、今日は休日。さらに大型ショッピングモールか何かがセールをやっているため尚更人口密度が高いわけで。もはや歩道は蒸し風呂状態に等しい。
翔太郎は真剣に後悔した。こんなことなら多少混んでいてもハードボイルダー(翔太郎のバイク)で来るべきだった、と。翔太郎は周囲を見渡す。期待はしていないもののどこかに助け船が無いか探してしてみた。
よーーく目を凝(こ)らす。すると一〇メートルほど先のところに
(ん、あれは……)
タクシー乗り場があった。
まさしく救いの手。これで次の場所への移動が楽にできるし、ハードボイルダーを取りに帰ることだってできる。思わぬ展開に翔太郎は純粋に歓喜した。先ほどまでの疲れが吹っ飛んだかのように全力で駆け出す。一〇メートルなんて距離へっちゃらだった。――が
現実は残酷だった。
なんと、タクシー乗り場には長蛇の列が。みんな考えてることは同じなのであった。
「ちくしょう……、ついてねぇ……」
さらに絶望させられた翔太郎。この列に並ぶと思うと頭の血管の一つや二つ切れそうな予感さえした。まだ夏本番前だが最終手段としてフィリップに『ほんとうにあった怖い話』でもしてもらおうかと本気で思った。いいや、もう行動に移っている。
スタッグフォン(翔太郎の携帯電話)を取り出しフィリップの電話番号をプッシュする。そして通話ボタンを押そうとした瞬間
「ねぇタクシーに乗りたいの?」
不意に声。翔太郎は真横にいる声の主へ顔を向けた。
少年だった。顔だちを見る限りまだ一四か一五そこそこだろう。少年は外国人のような顔立ちをしているが、日本語は堪能で妙に違和感を感じさせない。むしろさわやかな雰囲気である。
そんな少年はただでさえこの人混みの中目立つと思うのだが、目立っている最大の原因は――
髪。少年の髪は不自然なほど綺麗な『金髪』だった。
「ねぇあんた。タクシーに乗りたいの?」
「まぁそうだが」
「だったら」少年は自分から最寄り、誰も乗っていないタクシーを指差し「僕の車にどうぞ」
そんな調子の少年に翔太郎は「ちょっと待て、お前は見たところ未成年だろ? だったら車なんて運転しちゃあいけない」
「一応免許は持っていますが」
「……仮に持っていたとしても、こんな非合法そうなタクシーに乗れるか! あんまり手持ちもねぇーし」
「じゃあ、千円でいいですよ」
「千円ッ!?」
「はい。あっ、でもチップは置いていってくださいね」
翔太郎は葛藤する。このまま人混みの中歩いていくのか、高校生程度の金髪少年が運転する胡散臭い車に乗るのか。
(…………………………………………)
五秒迷った末、車に乗ることを決断した。
「じゃあよろしく頼むぜ」
「わかりました」
少年が答えた時だった。
(「ピリリリリリリリリリリリリリリリ」)
少年のポケットの中から電話のコール音。少年は着信ボタンを押し
「はい、ジョルノです」
探偵はその言葉を聞き逃さなかった。
ジョルノ――という少年が名乗ったその名前を
少年は電話の向こうの相手と話を続ける。
「はい……はい……ええ」
と、少年は急に真剣な表情になり一言。
「わかりました。すぐに向かいます」
電話を切り、少年は
「すみません。急用ができてしまって……」少年は運転席へ入ろうとする。
だが――
「おい、ちょっと待ちなよ」
翔太郎は少年の肩を掴む。
「何です? 僕は急いでいるんですが――」
「悪いが俺もお前に用がある。さっき確かに『ジョルノ』って名乗ったよなぁ?」
「………………………………」
少年は急に黙り込んだが直後、うっすら笑みを浮かべて
「はい、確かに」
翔太郎の手を強引に払い、車のドアを閉める。少年はすぐさまエンジンをかけた。
急発進し、翔太郎からどんどん離れていく少年の車。しかし、翔太郎はこんなことで諦めるほど物わかりのいい男ではなかった。翔太郎は懐から奇妙なベルトを取り出し、それを腰に巻くと
「いくぜフィリップ」
翔太郎は黒い棒状の物をとりだすと、『ああ。翔太郎』というフィリップの声が聞こえた。フィリップは黄色い棒状の物をとりだし、
『人を追っているね。『ルナ』でいこう』
「ああ、頼むぜ」
翔太郎とフィリップはほぼ同時に棒状の物――『ガイアメモリ』についたボタンを押す。
(「ルナ! ジョーカー!」)
「『変身』」
翔太郎は己の腰に着いたベルトに、突然現れた黄色いメモリと自分自身が持っていた黒いメモリを差し込む。ベルトの真ん中は左右に開くようにできており、それを翔太郎が左右に開くと、
右側が黄色、左側が黒色の戦士――『仮面ライダーW』に変身した。
仮面ライダーWは黄色い腕、もとい右腕を伸ばすと、
ギュンッ、とゴムのようにその腕が伸びる。狙った先は少年の車だ。
「――――ッ!?」
少年は車の後方に何かがぶつかる鈍い音に気付いた。すぐさまサイドミラーを覗き込むと
「だからちょっと待ちなよ少年」
半分黄色で半分黒の何とも奇抜な人間が車後方に掴まっている。少年はその状況にやや驚き、車を急停止させた。
「…………」
少年は無言のままに車から降りる。不気味なほど落ち着いた動きだった。
「すみませんが急いでいます。勘弁してもらえませんか?」
「ちょっと質問するだけなんだ。それくらいいいだろう?」
「いいえ、生憎ですが僕は今、質問に答える時間すら無い」
少年は改めてWに背を向けながら
「最終警告です。今はこれ以上無駄に追ってこないでください」
それでは、と少年は再び車に乗り込もうとする。だが途端、Wは少年の警告を無視し、再び右腕を伸ばして、少年の腕を掴んだ。
――掴んだはずだった。
「だから『無駄』なんだ」
少年はいつの間にか木の上に登っていた。
「最終警告、って言ったのに。――二回同じことを言うのは『無駄』だから嫌いなんだ。無駄無駄」
少年は焦った様子も怒った様子もない。それどころかさっきよりも更にさわやかさが増したように見える。
そんな気高いオーラを纏った少年にWは
「……早くその木から降りろ」
「もう『無駄』なことは言わせないで、と言ったはずです」
「いいから降りろッ!」
言葉と同時。Wは左側の『黒い足』で少年の足元から生えている木を蹴る。
蹴りの衝撃は足を伝わり、木を伝わり、
W自身に跳ね返ってきた。
「うおぉぉぉぉッ!」
考える暇もなく襲いかかってきた自らの蹴りの威力に、Wの体は一メートル半ほど吹き飛ぶ。全力で蹴ったわけではなかったため大した威力ではなかったが。
少年は木の上からスルスルと降り、「あなたは良い人だ」のんびりと車のドアを開けながら「あなたは僕に対して良心があったから僕ではなく、僕の乗っていた木を狙った」
ブロロロロロ、というエンジンの音。Wが再び顔を上げた時には少年と少年の車はもういない。去っていってしまったようだ。
『逃げられたみたいだね、翔太郎』、とフィリップの声。
「……あぁ」
Wはベルトの開いた部分を閉じ、メモリを抜いた。変身解除である。
(……、)
『どうしたんだい翔太郎? 珍しく黙り込むなんて』
「いや……」
翔太郎は少年が去って行った方向を見つめながら、
「結局アイツ――どこに行きたかったのかな、と思って」
TO BE CONTINUED
次回予告
男「顔の皮膚でわかるんだ。『汗』とかでテカるだろ? その感じで見分けるんだ。『汗の味』をなめればもっと確実にわかるがな……」
上条当麻「あんた誰です?」
土御門元春「コイツはアンタのかい?」
レオーネ・アバッキオ「尾行にはいつも気をつけてんだよ。甘く見んじゃあねぇ俺を」
次回の学園都市の日常・魔術サイドは第2話。お楽しみに!
第一話 『謎の美少年』
学園都市某所、仮面ライダーWは目の前の光景に立ちすくんでいた。
「……、くそったれが」
仮面ライダーWの一人、左翔太郎は吐き捨てるように呟く。翔太郎の相棒であるフィリップは言葉すら出ないようだった。
目の前の光景――それは仮面ライダーWが『ガイアメモリ』と呼ばれ、『人間を怪人に変える』という道具を破壊し、それが地面に転がっている。
『ガイアメモリ』は恐ろしいものである。なにしろ先述の通り、『人間』を『怪人』に変えてしまうのだから。でも今の状態は『破壊』された状態。破壊してしまえばもう使用はできないし、使った人間も元に戻る。結果は割とオーライのはずだ。
だが。
――だが、二人は目の前の光景に言葉を失ってしまう。言いたいことはたくさんある。けれど、言いたいことが多すぎて何から言ったいいかわからない。二人はそんな心境だった。
何故なら、二人の目の前にガイアメモリとともに転がっている『使用者』は
まだ幼い面影を残した少年だった。
この街にはガイアメモリを売る人間がいる。
そんなことは翔太郎・フィリップの二人はとっくに知っていた。だから二人はガイアメモリに関する事件を追い、ガイアメモリによる更なる犯罪を防ぐために日々調査に努めている。
ガイアメモリを使った人間の末路は哀しいものだ。メモリの力に心を蝕まれ、いつしか本当の自分を失ってしまう。また、その人間が起こす事件で人が傷つき新たな哀しみを生む。ガイアメモリとは本当に哀しいものだ。
だが、ガイアメモリを使う人達も何らかの理由で心を病み、そのせいで力を求めるようになる。
だから、翔太郎とフィリップはそんな『哀しい人達』を心から救ってやりたいと思っている。
けれど――
それは、『大人』の場合だ。
この街には『子供』にもガイアメモリを売る人間がいる。当然、子供はガイアメモリのことなど何も知らない。子供たちはガイアメモリの恐ろしさを知らぬまま『好奇心』でそれを使ってしまうのだ。
そんなことは許さない。許してはいけない。
二人はそんな『子供たち』の笑顔を守るために今日も動き出す。
(……………………………………)
真っ白く、いくつもの本棚が並ぶ空間――脳内の中でフィリップは『検索』を続ける。
フィリップは『地球(ほし)の本棚』と呼ばれるものを自らの脳内にもっており、この地球(ほし)の生物、建造物など多種多様なものを『検索』することができる。
そんな様子を見て、左翔太郎は
「どうだフィリップ?」
「うーん」
フィリップは僅かに眉をよせる。
「ハッキリとは検索結果が出ない」でも、とフィリップは続け「だいたいは情報を掴めた」
「だいたい?」
「ああ、そうさ『だいたい』ね」
翔太郎は手を軽く握り、考えるような仕草をしながら「『だいたい』を話してくれ」
「わかった。検索結果を話そう」フィリップはすぐそばにある黒板サイズのホワイトボードに書かれた『キーワード』を指した。
「……、」翔太郎はフィリップが指したキーワードを凝視する。そのようすにフィリップは
「『パッショーネ』。これがその『だいたい』の正体さ」
「えーと。その『パッショーネ』というのは何なんだ?」
「説明しよう」歌うようにフィリップは「検索したところ『パッショーネ』というのはイタリア出身のギャング組織らしい」
フィリップは視線で『ここまではいい?』。対して翔太郎も視線で『大丈夫だ』と返答。
「どうやら彼らは麻薬をもともと売りさばいていたみたいだけど、最近になってガイアメモリも売るようになったらしい」
「麻薬の次はガイアメモリか。物騒な連中だな……まったく」
「彼らはそんじゅうそこらのチンピラじゃあない。何やら『暗殺(ヒットマン)チーム』なんてものもあるみたいだ」
暗殺(ヒットマン)チーム。その言葉に翔太郎は思わず息を呑んだ。
と、呆然としている翔太郎にフィリップは
「それよりも君」
「何だ?」
「空条承太郎に依頼された『ジョルノ・ジョバーナ』の捜索はいいのかい?」
「んぁ? 今から行くところだ」
そう言うと翔太郎は事務所の出口へと足を向けた。
ジョルノ・ジョバーナ。本名『汐華初流乃(しおばな はるの)』。
空条承太郎が捜索を依頼してきた人物で、少し関係があるらしい。
その捜索中の折、左翔太郎はイライラしていた。
(……あっつい)
翔太郎の頭に容赦ない熱線のような日の光が降り注いででいる。
ここは学園都市。学生の街である。それ故に学生が多いのは当たり前。普段ならこんな殺人級光線でもまだ夏前なので大したことは無い。だが、今日は休日。さらに大型ショッピングモールか何かがセールをやっているため尚更人口密度が高いわけで。もはや歩道は蒸し風呂状態に等しい。
翔太郎は真剣に後悔した。こんなことなら多少混んでいてもハードボイルダー(翔太郎のバイク)で来るべきだった、と。翔太郎は周囲を見渡す。期待はしていないもののどこかに助け船が無いか探してしてみた。
よーーく目を凝(こ)らす。すると一〇メートルほど先のところに
(ん、あれは……)
タクシー乗り場があった。
まさしく救いの手。これで次の場所への移動が楽にできるし、ハードボイルダーを取りに帰ることだってできる。思わぬ展開に翔太郎は純粋に歓喜した。先ほどまでの疲れが吹っ飛んだかのように全力で駆け出す。一〇メートルなんて距離へっちゃらだった。――が
現実は残酷だった。
なんと、タクシー乗り場には長蛇の列が。みんな考えてることは同じなのであった。
「ちくしょう……、ついてねぇ……」
さらに絶望させられた翔太郎。この列に並ぶと思うと頭の血管の一つや二つ切れそうな予感さえした。まだ夏本番前だが最終手段としてフィリップに『ほんとうにあった怖い話』でもしてもらおうかと本気で思った。いいや、もう行動に移っている。
スタッグフォン(翔太郎の携帯電話)を取り出しフィリップの電話番号をプッシュする。そして通話ボタンを押そうとした瞬間
「ねぇタクシーに乗りたいの?」
不意に声。翔太郎は真横にいる声の主へ顔を向けた。
少年だった。顔だちを見る限りまだ一四か一五そこそこだろう。少年は外国人のような顔立ちをしているが、日本語は堪能で妙に違和感を感じさせない。むしろさわやかな雰囲気である。
そんな少年はただでさえこの人混みの中目立つと思うのだが、目立っている最大の原因は――
髪。少年の髪は不自然なほど綺麗な『金髪』だった。
「ねぇあんた。タクシーに乗りたいの?」
「まぁそうだが」
「だったら」少年は自分から最寄り、誰も乗っていないタクシーを指差し「僕の車にどうぞ」
そんな調子の少年に翔太郎は「ちょっと待て、お前は見たところ未成年だろ? だったら車なんて運転しちゃあいけない」
「一応免許は持っていますが」
「……仮に持っていたとしても、こんな非合法そうなタクシーに乗れるか! あんまり手持ちもねぇーし」
「じゃあ、千円でいいですよ」
「千円ッ!?」
「はい。あっ、でもチップは置いていってくださいね」
翔太郎は葛藤する。このまま人混みの中歩いていくのか、高校生程度の金髪少年が運転する胡散臭い車に乗るのか。
(…………………………………………)
五秒迷った末、車に乗ることを決断した。
「じゃあよろしく頼むぜ」
「わかりました」
少年が答えた時だった。
(「ピリリリリリリリリリリリリリリリ」)
少年のポケットの中から電話のコール音。少年は着信ボタンを押し
「はい、ジョルノです」
探偵はその言葉を聞き逃さなかった。
ジョルノ――という少年が名乗ったその名前を
少年は電話の向こうの相手と話を続ける。
「はい……はい……ええ」
と、少年は急に真剣な表情になり一言。
「わかりました。すぐに向かいます」
電話を切り、少年は
「すみません。急用ができてしまって……」少年は運転席へ入ろうとする。
だが――
「おい、ちょっと待ちなよ」
翔太郎は少年の肩を掴む。
「何です? 僕は急いでいるんですが――」
「悪いが俺もお前に用がある。さっき確かに『ジョルノ』って名乗ったよなぁ?」
「………………………………」
少年は急に黙り込んだが直後、うっすら笑みを浮かべて
「はい、確かに」
翔太郎の手を強引に払い、車のドアを閉める。少年はすぐさまエンジンをかけた。
急発進し、翔太郎からどんどん離れていく少年の車。しかし、翔太郎はこんなことで諦めるほど物わかりのいい男ではなかった。翔太郎は懐から奇妙なベルトを取り出し、それを腰に巻くと
「いくぜフィリップ」
翔太郎は黒い棒状の物をとりだすと、『ああ。翔太郎』というフィリップの声が聞こえた。フィリップは黄色い棒状の物をとりだし、
『人を追っているね。『ルナ』でいこう』
「ああ、頼むぜ」
翔太郎とフィリップはほぼ同時に棒状の物――『ガイアメモリ』についたボタンを押す。
(「ルナ! ジョーカー!」)
「『変身』」
翔太郎は己の腰に着いたベルトに、突然現れた黄色いメモリと自分自身が持っていた黒いメモリを差し込む。ベルトの真ん中は左右に開くようにできており、それを翔太郎が左右に開くと、
右側が黄色、左側が黒色の戦士――『仮面ライダーW』に変身した。
仮面ライダーWは黄色い腕、もとい右腕を伸ばすと、
ギュンッ、とゴムのようにその腕が伸びる。狙った先は少年の車だ。
「――――ッ!?」
少年は車の後方に何かがぶつかる鈍い音に気付いた。すぐさまサイドミラーを覗き込むと
「だからちょっと待ちなよ少年」
半分黄色で半分黒の何とも奇抜な人間が車後方に掴まっている。少年はその状況にやや驚き、車を急停止させた。
「…………」
少年は無言のままに車から降りる。不気味なほど落ち着いた動きだった。
「すみませんが急いでいます。勘弁してもらえませんか?」
「ちょっと質問するだけなんだ。それくらいいいだろう?」
「いいえ、生憎ですが僕は今、質問に答える時間すら無い」
少年は改めてWに背を向けながら
「最終警告です。今はこれ以上無駄に追ってこないでください」
それでは、と少年は再び車に乗り込もうとする。だが途端、Wは少年の警告を無視し、再び右腕を伸ばして、少年の腕を掴んだ。
――掴んだはずだった。
「だから『無駄』なんだ」
少年はいつの間にか木の上に登っていた。
「最終警告、って言ったのに。――二回同じことを言うのは『無駄』だから嫌いなんだ。無駄無駄」
少年は焦った様子も怒った様子もない。それどころかさっきよりも更にさわやかさが増したように見える。
そんな気高いオーラを纏った少年にWは
「……早くその木から降りろ」
「もう『無駄』なことは言わせないで、と言ったはずです」
「いいから降りろッ!」
言葉と同時。Wは左側の『黒い足』で少年の足元から生えている木を蹴る。
蹴りの衝撃は足を伝わり、木を伝わり、
W自身に跳ね返ってきた。
「うおぉぉぉぉッ!」
考える暇もなく襲いかかってきた自らの蹴りの威力に、Wの体は一メートル半ほど吹き飛ぶ。全力で蹴ったわけではなかったため大した威力ではなかったが。
少年は木の上からスルスルと降り、「あなたは良い人だ」のんびりと車のドアを開けながら「あなたは僕に対して良心があったから僕ではなく、僕の乗っていた木を狙った」
ブロロロロロ、というエンジンの音。Wが再び顔を上げた時には少年と少年の車はもういない。去っていってしまったようだ。
『逃げられたみたいだね、翔太郎』、とフィリップの声。
「……あぁ」
Wはベルトの開いた部分を閉じ、メモリを抜いた。変身解除である。
(……、)
『どうしたんだい翔太郎? 珍しく黙り込むなんて』
「いや……」
翔太郎は少年が去って行った方向を見つめながら、
「結局アイツ――どこに行きたかったのかな、と思って」
TO BE CONTINUED
次回予告
男「顔の皮膚でわかるんだ。『汗』とかでテカるだろ? その感じで見分けるんだ。『汗の味』をなめればもっと確実にわかるがな……」
上条当麻「あんた誰です?」
土御門元春「コイツはアンタのかい?」
レオーネ・アバッキオ「尾行にはいつも気をつけてんだよ。甘く見んじゃあねぇ俺を」
次回の学園都市の日常・魔術サイドは第2話。お楽しみに!
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