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高校生
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このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
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[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。

[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。 

[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!

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第28話「Fという名の牙/利己」

作者 Joker


スマートブレイン本社ビル・社長室
「そうですか・・・仮面ライダーの妨害ですか」
社長の村上 峡児(むらかみ きょうじ)は部下から佐倉杏子の始末の失敗の報告を聞いた。
「それにしても残念ですね・・・彼女は上の上のオルフェノクだというのに。彼女が戻ってきてくれたらどれだけ心強いことか」
村上は窓際に立って高層ビル群を見下ろす。
「我々は何としても生き延びる。そのためには裏切り者を排除し、一刻も早くアギトの力を持つ者を探し出さなければならない・・・琢磨 逸郎(たくま いつろう)君、君にファイズギアを預けましょう。その力で一刻も早く佐倉杏子を始末してください」
「かしこまりました」
琢磨は村上の背中に一礼して部屋を出ていった。
「アギトの力か・・・いったいこの街に何人いてくれるのか・・・・・・」
村上は大勢の人が行き交うスクランブル交差点を見下ろして嘆くようにそう言った。



病院で杏子の怪我の治療を終えた翔太郎たちは鳴海探偵事務所に戻ってきていた。
杏子はソファを独占して黙って座っていた。
「なあ、そろそろいいんじゃねえか。お前のことを教えてくれよ」
翔太郎は杏子の対面のソファに座って話しかける。が、
「別に。あたしは自分のためだけに生きてるんだ。あんたらに構って欲しくなんかないね」
杏子は相変わらず突き放すような態度だった。そんな彼女に今度は翔太郎の隣に座った遊星が話しかけた。
「なら何故あの時、俺を庇った」
遊星が指摘したあの時とはライオトルーパーがアクセレイガンを持って遊星に攻撃して来た時、サラマンダーオルフェノクに変身していた杏子がその攻撃から自分を庇った事だ。
遊星は包帯で巻かれた杏子の左腕を指差す。
「本当に自分のためだけに生きているならあんなことはできないはずだ。本当の君は君が言うような利己的な正確じゃないんじゃないのか?」
「うっ・・・うるせー! あたしはそんなんじゃない!!」
杏子はそっぽを向いてまた黙り始めてしまった。図星を指されたのが悔しかったのか、杏子の拒絶具合は明らかに悪化していた。翔太郎は溜息をつく。
「ハア・・・どうしてここまで心を開いてくれないかねえ。こんな時に佐天や初春がいればなあ」
女子中学生の心はわからんものだと翔太郎は思った。あまりに事態が進展しないので翔太郎はソファから立ち上がった。そしてフィリップの方に近寄って話しかける。
「おいフィリップ、俺がダブルに変身できなかったわけはわかったか?」
フィリップは困惑していた。うつむいて翔太郎の視線をかわそうとしている。
「なんだよフィリップ? なんか気まずいことでもあんのか?」
「あ・・・ああ、確かな事じゃないけど・・・・・・」
フィリップは他の者に聞かれるのはまずいと思って翔太郎の袖を引っ張って地下ガレージに連れ込んだ。
「なんだよフィリップ、何かまずい話なのか?」
「翔太郎、落ち着いて聞いてくれ」
そう言ってフィリップは自分自身を落ち着かせる。
「君の体は以前とは違うんだ。君の体は1度死んだことでアギトの力に目覚めた」

「アギトの・・・力!?」
フィリップは他の者に話を聞かれないように地下ガレージに行った。だがオルフェノクである杏子の耳には地下ガレージで行われている会話でも聞こえていた。


「アギトの力? 何じゃそりゃあ? つーか、俺の体が以前と違うってどういうことだよ?」
「僕にも詳しいことはわからない。だがシュラウドが言っていたんだ。君がよみがえったのは君のアギトの力が覚醒したからだと。アギトの力というのは佐天涙子がエクストリーム化から開放された時に見たあのすさまじい力を持った戦士のことらしい」
翔太郎は輝く光の中にいた金色の角、赤い目の戦士を思い出した。
「じゃあ俺も霧彦と同じ力に目覚めたってことか・・・でも全然前と変わったところなんてないぜ」
「これは僕の仮説だが、きっと君の力はまだ完全には目覚めていないんだと思う。完全にアギトの力が目覚めれば・・・君は・・・」
フィリップはその先を言わなかった。翔太郎もあの時見たすさまじい戦士と同じになる。だがそれは翔太郎が人間以外の何かになってしまうようで認めたくなかった。
そんなフィリップの気持ちを知ってか知らずか、翔太郎はのんきに話を続ける。
「へー俺があんなすげーのになれんのかー・・・けどよお、それまでの間はどうすりゃいいんだ? ダブルに変身できないのはきついぜ。ドーパントやワーム相手じゃカードでは致命傷は与えられねえ」
「・・・一応ダブルに変身する手はある」
「ギャァーーーーーンッ」
恐竜のような手の平サイズのメカが鳴き声を上げて現れ、フィリップの右手の平の上に乗った。
「それは?」
「シュラウドがくれたんだ。これを使えば僕の体でダブルに変身する事ができる。シュラウドは翔太郎がよみがえってからしばらくはこれで戦えと言っていた」
「なるほどな。俺の体で駄目ならお前の体でってことか」
ダブルに変身できる事がわかって安心したのか翔太郎は笑っている。だがフィリップは逆に不安で暗く落ち込んでいた。
「どうしたんだよフィリップ。やっぱりまだ戦えないのか?」
「ああ、わからないんだ。僕は何のために戦えばいいのか・・・翔太郎は何のために戦っているんだい?」
「俺か? 俺はなあ・・・」
翔太郎はちょっと考えてから言った。
「俺の戦う理由はこの街で誰にも泣いていて欲しくないからだな。やっぱり」
「じゃあ君は他人のために戦っているんだね。やっぱり正義の仮面ライダーはそうあるべきだよね・・・」
「いや、違うぜフィリップ。俺は他人のために戦っているんじゃねえ。自分のために戦ってんだ」
フィリップは翔太郎の意外な答えにうつむいていた顔を上げる。翔太郎はさらに話を続けた。
「おやっさんが言ってた。他人のための戦いなんか長続きしねえ。そんな戦いはいつか自分がつらくなるだけだってな。だから戦う理由は常に自分のためにしとけって・・・ハハ、なんか天道みたいになっちまったな」
翔太郎は少し笑って、
「俺はな、つらそうにしてる奴を見ると自分もつらくなってくるんだ。それが嫌だから戦ってる。それは誰のためでもなく、自分のための戦いなんだ」
「自分の・・・ために・・・」
「ああ。だからお前も自分のために戦え。戦いの先に求めるものが無いなら、無理して戦わなくてもいい。無理に俺に付き合う必要はねえよ」
翔太郎はポンとフィリップの肩を叩いた。そしてきびすを返して応接室に戻っていく。
「いやー、今日の俺はなかなかにハードボイルドなんじゃねえか!?」
翔太郎は嬉しさのあまり鼻歌を歌いながら歩いていた。
「・・・フフ、ハハハ! 翔太郎、そんな事を言ったら台無しだよ」
フィリップは手の上のファングメモリを見つめた。その目にもう迷いは無かった。


「あん? なんだこの匂い・・・」
応接室に戻ってきた翔太郎はおいしそうないい匂いがしているのに気がついた。
「何だよこの匂い?」
翔太郎はさっきと同じようにソファに座って遊星に聞いた。
「天道が杏子に食わせるものを作っているらしい」
「そうか。あいつの事だから口が割れないなら腹からって考えてんだろな」
翔太郎は笑う。そんな彼を杏子は眉間にしわを寄せてにらんでいた。
「な、なんだよ杏子・・・こえーじゃねえか」
だがそう言った後に翔太郎は気付いた。彼女の瞳がわずかに潤んでいるのを。それはとても悲しげな瞳だった。
「よし、できたぞ」
天道が盆の上に丼を乗せて運んできた。翔太郎は杏子の視線から目を逸らして天道の運んできた料理に注目する。
「おうおうさすがは天道。うまそうな・・・っておいッ!! お前カツ丼ってどういうことだよ!?」
翔太郎は立ち上がって天道に抗議する。
「どういうことだとはどういうことだ? 事情聴取にはカツ丼と決まっているだろう」
「お前なあ! せっかくの特売のロースだったんだぞ! 久しぶりの肉だったんだぞ! それを・・・こんな・・・あああああ・・・・・・」
翔太郎は力なくソファに倒れ込んだ。正直泣きたい気分だった。
「さあ、食ってくれ」
天道は杏子の前のテーブルに丼を置いた。よっぽど腹が減っていたのか、丼を前にして杏子の目は輝いている。
だがここで杏子は深呼吸して丼に向かって手を合わせた。
「父よ、あなたの慈しみに感謝してこの食事をいただきます。ここに用意されたものを祝福し、私達の心と身体を支える糧としてください」
そして十字を切りながら、
「私たちの主イエス・キリストによって。Amen(エイメン)」
と言ってからカツ丼を食べ始めた。
「祈り? お前キリスト教だったのか?」
天道が聞くと杏子は食べながら答えた。
「ああ、親父がカトリックの神父をやってたんだ」
その言葉にクロウが反応した。
「カトリック? カトリックって確か結婚は駄目じゃなかったか?」
カトリックの神父は結婚する事を認められていない。杏子とその親父に血の繋がりがあるのかは知らない。だがもし実の親子なら杏子の父は破戒僧という事になるはずだ。
「クロウ、貴様何十年前の話をしている」
ジャックはあきれながら言った。
「神父が結婚してはならないというのは元々教会が金儲けのために決めたものだ。その不当性が認められて結婚してもよくなったのはずっと昔の事だぞ。知らなかったのか?」
「う・・・そうだったのか」
クロウは最初はカトリックの決まりを知ってる自分スゴイと得意気だったが、ジャックに論破されて恥ずかしさのあまり縮こまった。
杏子は手を合わせ、
「父よ、感謝のうちにこの食事を終わります。あなたの慈しみを忘れず、全ての人の幸せを祈りながら」
そして十字を切りながら、
「私たちの主イエス・キリストによって。Amen(エイメン)。ご馳走様でした」
そう言って杏子はカツ丼を食べ終えた。
「そういうところはしっかりしてるんだな」
天道は半分感心、半分あきれて言った。
「そんなんじゃねーよ。ただ昔っからずっとやってきた事だからやめるにやめられないだけさ」
杏子は素っ気無くそう言ったが、天道は首を横に振る。
「おばあちゃんが言っていた。食事の前後に挨拶のできる奴に悪い奴はいないと。それにな」
天道は空になった丼を指差して、
「その丼、米の一粒、汁の一滴すらも残っていない。まさに完食と言える状態だ。料理を作った側からすればこれほど嬉しい事はない。俺はお前を悪い奴だとは思えないんだがな」
「・・・そんなこと言われたって・・・あんただって見ただろ? あたしの本当の姿を」
杏子はうつむいて視線を床に向ける。
「あたしは化け物なんだよ。だから自分のためだけに生きるんだ・・・!」
杏子はソファから立ち上がった。
「ついてきな。あんたらの聞きたい事に答えてやるよ」

そこは鳴海探偵事務所から歩いて30分程のところだった。港の近くの外人墓地、その隣に建っている朽ち果てた教会に杏子は入っていった。翔太郎たちチームサティスファクション、そして天道とフィリップも杏子の後に続いて教会の中に入る。
教会の中は悲惨だった。ステンドグラスはほとんど全て割れていて、規則正しく並んでいるはずの椅子はぐちゃぐちゃになっていて、さらに長い間風雨にさらされたせいか腐ってボロボロだった。床には落ち葉が散乱している。
ここに神はいない。翔太郎はそう思った。
「ここはさあ、元々あたしのうちだったんだ」
杏子は自分の過去を語り始めた。
「あたしと父さん、母さん、それから妹の4人で暮らしてたんだ。あの頃は幸せだったよ。家族皆でこの教会を切り盛りしてさ・・・」
杏子は昔の事を思い出して微笑みながら話している。翔太郎たちは黙って杏子の話を聞いていた。
「父さんは正直で優しい人だった。毎朝新聞を読んでは涙を浮かべて、平和について真剣に考えて・・・新しい時代を救うには新しい信仰が必要だっていつも言ってた」
そこまで言って杏子の表情が曇り始めた。
「そして親父は教義にない事まで説教するようになったんだ・・・・・・」


『佐倉君、今日をもって君はクビだ』
「そんなッ・・・待ってください司教!!」
杏子の父は受話器に向かって叫ぶ。だが受話器の向こうの人物は残酷な言葉で言い返した。
『喚くな豚がッ! 貴様が教義にもない事を説教していたというのはわかっている! もはや貴様は忌々しいクソ異教徒どもと変わりない!! 本当なら即刻人員を派遣して貴様を家族諸共全員死刑にしているところだッ!! そうしないのは誰も貴様のような豚の話に耳を貸さないからだ!! ありがたく思え!! そしてありがたく思ったら世のため人のためにちゃっちゃと死ねッ!! このクソ異端者(ヘレティック)ッ!!』
そして電話は一方的に切られた。杏子の父はうなだれた。
そんな父の様子を杏子はドアの隙間からそっと見ていた。
それから杏子の家庭は荒れていった。
父は毎日杏子と妹を連れて街に出て説教をした。駅の前で、学校の前で、この街のありとあらゆる場所で。だが父がどれだけ必死に語りかけようとも、その話を聞こうとする者は誰もいなかった。
やがてパートに出ていた母が病に倒れ、杏子の家の収入源は完全に絶えた。元々の貯金も少なかったので杏子たちの生活は見る見る内に苦しくなっていった。
毎日の食事はお湯に塩を少々入れただけのものになった。もはやパンを買う金も無かったのだ。
それでも父は毎日街に出て説教を続けた。
杏子は悲しかった。父の言っている事に間違っていることはひとつもない。ちゃんと聞けば誰にでもわかってもらえる話なのに、誰も聞こうともしてくれない。杏子は悔しかった。
そしてある日、杏子は倒れた。極度の栄養失調。
そしてそのまま家族の誰にも気付かれずに餓死した。
だが杏子は死にきれなかった。杏子はオルフェノクとなってよみがえったのだ。
杏子はこの事実を誰にも打ち明けなかった。ただただ人間でなくなった自分が恐ろしかったのだ。そしてそんな自分を誰も認めてくれるはずがないと思った。
だが数日経って杏子のところにスマートブレインを名乗る者たちが現れた。彼らは自分たちの目的のために協力して欲しい、そして協力してくれたら今の苦しい生活からも抜け出させてあげようと言ってきた。
杏子は彼らに協力する事にした。
それからというもの、教会は再び大勢の人でにぎわうようになった。
杏子はスマートブレイン社長に協力するかわりに父の話を聞いてくれる人が欲しいと頼んだ。社長はそんな事でいいのならと快く引き受けてくれた。
父は自身の教義を熱を帯びた口調で説教する。教会に来た人たちはその話を熱心に聞いてくれた。父の満足そうな笑顔を見て、杏子もまた満足だった。
方法はともかく、父の話をやっと皆が聞いてくれるようになったのだ。杏子はオルフェノクになった事を神に感謝した。
だがその時の杏子は知らなかった。これが後に起こる惨劇のための伏線だったという事を。

スマートブレインに入った杏子は必死に働いた。社長が言いつけてくる仕事はどれも命がけだった。ミュージアムという組織がスマートブレインを潰そうとドーパントを刺客として送ってくる。杏子の仕事は彼らを倒すことだった。簡単な事ではなかったが、1人ではなかったからなんとかできた。
杏子は自分と同い年の巴マミという少女と組んで戦っていた。彼女は家族を交通事故で亡くし、その時にオルフェノクとして覚醒した。彼女は1人になる事をひどく嫌っていた。そんな彼女に杏子はなついた。彼女の作るケーキが美味かったのがきっかけである。そんな杏子をマミは妹のように可愛がってくれた。
スマートブレインの人たちは皆どこか心に孤独を抱えているように思えた。皆わけがわからない内に人間でなくなってしまったのだ。かつての家族、友人、自分と繋がりのあった全てのものが遠ざかっていってしまったような感覚。それをスマートブレインの人たちは皆知っていた。
だからスマートブレインはとても居心地の良い場所だった。皆自分以外の者たちのために戦っている。そうする事でスマートブレインの仲間意識、協力体制というものは成り立っていた。
だがそれゆえに杏子は後にスマートブレインと離反する事になる。

スマートブレインに協力するようになってから3ヶ月程経ったある日、杏子がスマートブレインの仕事から帰ると教会は血まみれになっていた。それは自分の妹、母、そして父の流した血であった。
妹と母はもはや原形を留めていないほどにぐちゃぐちゃに切り刻まれ、父は何本もの銃剣が体中に刺さって壁に磔(はりつけ)にされていた。そしてその磔の父には首から上が無かった。杏子はふと足元を見る。そこには切断された父の頭が転がっていた。
杏子は一瞬でこの惨劇が自分のせいで起こったものだと悟った。父の話を聞く人が現れた事によって父はカトリック教会の排除対象になったのだ。自分のやった事で家族が死んでしまった。これでは自分が家族を殺したも同然だ。
それからしばらくして杏子はスマートブレインを抜けた。他人のための行動というのがひどく馬鹿らしい事のように思えてきたのだ。オルフェノクの中でもかなり強い力を持つ彼女を他の者たちはなんとかしてスマートブレインに留めさせようと必死になって説得した。だがどんな言葉も彼女の耳を素通りしていくだけだった。
やがて杏子はスマートブレインの排除対象のリストに載った。スマートブレインは来る者を拒まず、協力を拒む者に強制する事をしない。だが裏切りだけは絶対に許さない。杏子は追われる身となった。
杏子は必死に逃げ回った。追い詰められボロ雑巾のようにされた事があった。食う物に困り泥を食った事もあった。今でもその味が喉に残っていて何を食っても泥の味を思い出してしまう。
それでも、何があっても杏子は生きようと必死になった。死ねばあの世で家族に会うかもしれない。考えるだけで杏子にはゾッとする事だった。いったいどんな言葉を吐き掛けられるのか。もはや自分はどこに行っても孤独なのだと思った。

「そしてあたしは決めたのさ。あたしは自分のためだけに生きる。なりふりなんて構ってられない。何が起こっても自業自得だって考えるんだ。そしたら何も辛くなくなったんだ。何も苦しくなくなったんだ。スゴイだろ?」
杏子は笑ってみせた。だがその笑顔は誰がどう見ても無理しているようにしか見えなかった。
「翔太郎・・・あんたがさっきフィリップと話してた事、あたしには聞こえてたよ」
杏子は翔太郎の方を向いて言う。
「あんたも自分のために戦ってんだろ? ならあたしの言ってること、わかるよね?」
「杏子・・・確かに自分のために戦うことは正しい。だけどお前は間違ってる」
「なんで・・・なんでだよ! あたしのどこが間違ってるっていうのさ!?」
「その質問には俺が答えてやる」
激昂する杏子に天道は語りかけた。
「お前の話を聞いてわかった。やはり本来のお前は利己的な人物ではない。他人の事を思いやることのできる優しさをお前は持っている」
「違う!」
杏子は天道に向かって叫ぶ。だが天道は構わず話を続けた。
「少し前の俺もお前と同じだった。自分の過ちのせいで大切な人を死なせてしまった。その後悔から俺は全ての悪を滅ぼそうと意固地になった。だがその時俺はまた同じ過ちを犯してしまった」
天道はC.C.、そして翔太郎が死んだときの事を思い出す。
「杏子、お前が本当に過去を悔やんでいるのならまずは自分を許せ。そして未来に生きろ。自分の本当の姿で。でなければきっとお前はまた後悔を繰り返すことになる」
「未来に・・・生きる・・・」
杏子は天道の言葉を噛み締める。
「ま、要するに満足していこうぜって事だな」
鬼柳は杏子の肩に手を置いた。遊星は一歩前に出て語り掛ける。
「忘れるな。お前は1人じゃない。辛い時、苦しい時にはいつだって俺たちを頼ればいい」
「そうだ。俺たちの絆パワーがあれば、どんな時だって満足だ!!」
鬼柳はガッツポーズをしてそう言った。
「・・・ハハ、何だよそれ。絆パワーって」
杏子は笑った。今度は本当の、心からの笑いだった。
「これで事件解決だな」
翔太郎がそう言うとフィリップもうなずいた。
「ところがそうはいきませんねえ」

突然声がして教会のボロボロだった扉が勢いよく開けられ壊れて倒れた。翔太郎たちは扉の方を見る。無数のライオトルーパーたちが教会の中に侵入してきた。そしてライオトルーパー軍団の真ん中を割って1人の男が現れた。男はメガネをかけた知的そうな若者だった。
「あんたは・・・琢磨逸郎!!」
杏子は男を見て叫ぶ。
「知ってるのか?」
天道が聞くと、
「ああ、どうしようもないヘタレ男だよ」
と杏子は答えた。
「ひどいですね、佐倉さん。でもおかげで躊躇する必要が無くなりましたよ」
琢磨はアタッシュケースを取り出す。そしてそれを開けて中から1本のベルトを取り出した。ただのベルトではない。カイザと同型と思われるライダーシステムだった。
「それは!!」
杏子は驚いた。琢磨が持っているファイズドライバーはスマートブレインの中でも上の上の選ばれた者のみが持つ事を許されるベルトだ。杏子でも数回しか使った事はない。
「村上さんがくれたんですよ。君を確実に始末しろと言ってね」
琢磨は携帯電話型の変身端末ファイズフォンに5・5・5のコードを打ち込む。
―Standing by(スタンディングバイ)―
ファイズフォンがけたたましい待機音を鳴らし始める。
「変身」
―Complete(コンプリート)―
ファイズフォンがベルトに差し込まれ、琢磨は仮面ライダーファイズへの変身を完了した。
天道はカブトゼクターを呼び寄せた。翔太郎以外のチームサティスファクションの面々もデュエルディスクを装着する。
「左! フィリップ! 杏子を連れて逃げろ!」
天道は変身して戦う事ができないのならと思って2人にそう頼んだ。
「ああ、わかった! そっちも頼んだ!」
翔太郎とフィリップは杏子を連れて近くの窓から外に出た。
「逃がしませんよ」
ファイズは翔太郎たちの後を追おうとする。
「行かせるか!」
天道たちは阻止しようとした。が、無数のライオトルーパーたちに阻まれて届かない。その間にファイズは外に出ていってしまった。
「くッ・・・変身!」
―Henshin(ヘンシン)―
天道はカブトへと変身した。

翔太郎たちは港に向かって走っていた。その後をファイズは歩いて追いかけていた。
「どこへ行こうというんですか?」
そう言いながらファイズはファイズフォンを銃の形態へと変形させる。
そして翔太郎の帽子を狙って撃った。一筋のビームが翔太郎の帽子を吹き飛ばした。帽子は風に流されて海に落ちた。
「次は耳です!!」
ファイズは銃口を翔太郎たちに向ける。翔太郎たちは海を背にして立っていた。まさに背水の陣というやつだ。
「あたしが戦う! あんたらは逃げてくれ!」
「杏子・・・」
翔太郎は杏子の目を見る。その目は真剣そのものだった。
「それがあたしの正直な気持ちだよ。あんたたちを助けたい。それがあたしの望みなんだ!!」
杏子はファイズをきっとにらみつける。フィリップはそんな彼女の様子を見て決心した。
「君の気持ちはわかった。だが今は僕たちに任せてくれ」
フィリップは一歩前に出る。そして叫んだ。
「来い! ファング!!」
「ギャォーーーーーーーーーンッ!!」
ファングメモリはゼクターと同じジョウント機能で空間を飛び越えて雄叫びを上げながら現れた。
手の平サイズの恐竜の姿をしたファングメモリ・ライブモードはファイズに向かって体当たりをした。
「い、痛ッ!!」
ファイズは突き飛ばされて尻餅をついた。
ファングメモリはフィリップの左手に乗る。そしてフィリップはファングメモリをメモリモードに変形させた。恐竜の顔のようなパーツがついている事もあってファングメモリ・メモリモードは通常のメモリの倍近い大きさがあった。
「行くよ、翔太郎」
「ああ、行くぜフィリップ」
翔太郎はダブルドライバーを装着する。すると同じようにフィリップの腰にもダブルドライバーが現れた。翔太郎は懐からジョーカーメモリを取り出す。
―ファング!―
―ジョーカー!―
「変身!」w「変身!」

翔太郎はジョーカーメモリをダブルドライバーに挿し込む。するとジョーカーメモリはフィリップのダブルドライバーに転送された。フィリップはファングメモリを自身のダブルドライバーに挿し込んで、ダブルドライバーを左右に開いた。
―ファング! ジョーカー!―
フィリップの体を右が白、左が黒の鎧が包んでいく。それと同時に翔太郎の意識もフィリップの体へと移った。倒れかけた翔太郎の体を杏子が受け止める。
そして変身は完了する。他の形態と比べて明らかに鋭利で刺々しく、攻撃的なフォルム。その名はダブル・ファングジョーカー。
「翔太郎を頼む」
フィリップは杏子にそう言った。杏子はうなずいて翔太郎を運んで遠くの物陰に隠れた。
「ハア・・・無駄な労力は使いたくないのに・・・仕方ありませんね!!」
ファイズは怒りながら立ち上がった。彼を指差してダブルは言った。
『「さあ、お前の罪を数えろ!!』」
ファイズはファイズフォンを変形させた銃、フォンブラスターを滅茶苦茶に撃ってくる。ダブルはそれをファングメモリによって極限まで研ぎ澄まされた野性の勘によって全弾避けた。さらにダブルは避けながらファイズに接近していた。
「らあああッ!!」
「ひっ・・・!」
ダブルは右ストレートでファイズの顔面を殴り飛ばした。ファイズは地面を転がり回る。
「よ・・・よくもやってくれましたね・・・! ならこちらにも考えがある!!」
ファイズは立て膝をついて起き上がり、ファイズフォンに番号を入力した。するとすぐに人型のメカ、オートバジンが駆けつけて、ダブルに向かってバイクの前輪のような武器からマシンガンを連射した。ダブルは地面を転がったりしてなんとか避ける。その間にファイズはオートバジンのバイクのハンドルの部分からグリップを引き抜く。そしてファイズフォンからメモリーカード型のアイテム、ミッションメモリーを引き抜いてグリップに挿入する。するとグリップからビーム状の刃が伸びた。ファイズの持つ武器のひとつ、ファイズエッジだ。
「うわああああああああああああッ!!」
ファイズはファイズエッジでダブルに斬りかかる。ダブルはファングメモリから伸びた角状の部分を1回倒す。
―アームファング!―
するとダブルの右ひじから白い刃が生えた。ダブルはそれでファイズエッジを受け止める。ファイズはまるで子どものように滅茶苦茶にファイズエッジを振り回す。ダブルはそれを受け止めながらタイミングを見計る。そして今だと思ったダブルは左手でファイズのファイズエッジを持った右腕を押さえた。ダブルはアームファングでファイズの胴を斬りつける。
「く、くそおッ!!」
ファイズはいったん下がって左腕に装着したリストウォッチのようなアイテムからパワーアップ用のミッションメモリーを引き抜いた。ファイズはそれをベルトに装着したファイズフォンに挿入する。
―Complete(コンプリート)―
ファイズの黄色い複眼が赤く染まり、胸のアーマーが展開する。ファイズの高速移動形態、アクセルフォームだ。
―Start Up(スタートアップ)―
ファイズは通常の1000倍速で移動を開始した。ファイズエッジでダブルに再び斬りかかる。さっきとは速さが違う。避けられるわけがないと琢磨はマスクの下でほくそえんだ。
だが琢磨の予想に反してダブルはファイズエッジによる斬撃をことごとく受け止め、さらには避けてまでみせた。
「そんな・・・ありえない!! 通常の1000倍速ですよ!?」
ファイズはうろたえる。言葉は聞こえないが琢磨の動揺はダブルにも伝わった。
「僕は一度見たものは確実に覚えてしまうんだ。完全記憶能力ってやつだね」
フィリップは琢磨の太刀筋をさっきの斬りあいで完全に記憶していた。
地球(ほし)の本棚を操るには脳に無限の容量を求められる。フィリップの完全記憶能力は地球(ほし)の本棚の副産物とも言える能力だった。
―Time Out(タイムアウト) Reformation(リフォメーション)―
10秒経ってアクセルフォームは活動限界を超えて通常のファイズに戻った。
「ま、まだだ! ファイズの力はこんなものではありませんよ!」
ファイズはオートバジンへと駆け寄っていく。オートバジンは更なるファイズのパワーアップアイテム、ファイズブラスターを取り出してファイズを待つ。
ダブルはファングメモリの角を2回倒す。
―ショルダーファング!―
すると今度はダブルの右肩から刃が生えた。ダブルはそれを左手で持って外す。
『らああッ!!』
そしてショルダーファングをオートバジンに向かってブーメランのように投げた。ショルダーファングはオートバジンが持つファイズブラスターを弾き飛ばした。ファイズブラスターは宙を舞って海に落ちる。
「あぁ!?」
ファイズは動揺して立ち止まる。さらにショルダーファングはダブルの元に戻る途中でファイズを切り刻んだ。
「ぎゃあああッ!!」
ショルダーファングはダブルの右肩に戻る。ダブルはファングメモリの角を今度は3回倒した。
―ファング! マキシマムドライブ!!―
「翔太郎、いつものように必殺技の名前を頼むよ」
『よっしゃ! じゃあ・・・ファングストライザーでどうだ?』
「よし、それでいこう」
ダブルの右足のかかとから刃が生える。そしてダブルは宙高く跳び上がった。ファイズはショルダーファングに切り刻まれてよろよろと突っ立っている。ダブルは空中で右足を真っ直ぐ伸ばした状態でコマのように回転する。オートバジンはファイズを庇うためにファイズの目の前に立った。
『「ファングストライザーッ!!』」
蹴りがヒットする瞬間、巨大な恐竜の顔面のようなオーラがダブルを包んだ。ファングジョーカーの必殺キックはオートバジン諸共ファイズを蹴り飛ばし、爆発を起こした。
「うわああああああああああああああああああッ!!」
爆発によってファイズの変身が解除させられ、琢磨の腰からファイズドライバーが外れて海に向かって吹っ飛ぶ。オートバジンも海に向かって落ちる。そして琢磨は一番遠くまで吹っ飛んで飛沫を上げて海に消えた。
『何から何まで海に消えたな』
「ああ、僕たちの勝ちだ」
夏の太陽がダブル・ファングジョーカーを強く照らしつけていた。

翔太郎たちは教会の前に戻ってきた。天道たちはライオトルーパー軍団を全滅させて待っていた。
「やったみたいだな」
「ああ、フィリップのおかげでな」
天道と翔太郎はお互い笑顔で返した。
「さて、じゃああたしはこれからどこに行こうかな」
杏子は呟いた。公園は翔太郎いわく危ないらしいのでもう野宿するわけにはいかない。そこで鬼柳は彼女に提案した。
「なら俺のところに来ないか? サティスファクション地区だ。孤児院の子供たちの相手をしてくれる人が欲しかったんだ」
「なるほど。そりゃいい働き口ができた。じゃあ遠慮なく厄介になりますか!」
杏子は幼い子どものように明るく笑った。
「いつでも遊びに来いよ。困った事があったら何でも力になるからな!」
翔太郎は杏子にそう言った。
フィリップは手の平の上のファングメモリを見つめている。
「いつか必ず、あの楽しかった頃の家族を取り戻す・・・そのために僕は戦う」
「ギャァーーーン!!」
フィリップの意思に呼応するかのようにファングメモリは吼えた。

やがてそろそろ解散しようかとなった時、翔太郎は不意に杏子に呼び止められた。
「翔太郎、1つだけ伝えておかないといけない事がある」
翔太郎は杏子の言葉に耳を傾ける。
「オルフェノクはアギトの力を狙ってくる。だから気をつけろ」
「アギトの・・・力!?」
横にいた天道も反応する。アギトの力、利根川は自身の力の事をそう言っていた。そして杏子の言葉からして翔太郎はアギトの力を持っている。天道はいったいどういう事なのかと思う。
「どういうことだ杏子? 何でオルフェノクがアギトの力を狙うんだ?」
「・・・オルフェノクは不完全な生命体なんだ。だからそれを補うためにアギトの力を欲している」
「不完全・・・まさか!」
翔太郎は嫌な予感がした。杏子はためらいがちに口を開いた。
「オルフェノクは滅びの運命にあるんだよ・・・」

村上は窓から街の夜景を見下ろしていた。
「佐倉杏子の始末は失敗。しかもファイズギアは海に流され全て行方不明・・・琢磨逸郎、彼は下の下・・・いや、それ以下でしたか」
村上は溜息をついた。
「我々に残された時間は限られている・・・とりあえず彼女に期待してみますか」
村上は思い出して笑った。
村上が思い出したもの。それはスマートブレイン本社の地下室。そこで眠る1人の少女。
少女の名は・・・・・・初春飾利。彼女の目覚めの時は近かった。

次回予告
初春「ん・・・ここは・・・?」
村上「お目覚めですね。初春飾利さん」
御坂「黒子が死んで、私気付いたのよ。あいつは私の一番の友達だったって」
初春「い・・・いやあああああああああッ!!」
草加「1つ教えといてやるよ。オルフェノクになった人間は心まで腐っていくんだ」
初春「御坂さん・・・翔太郎さん・・・佐天さん・・・さようなら・・・・・・
次回、学園都市の日常・科学サイド『Oが心/ぶっ生き返す!!』
これで決まりです」


クロウ「なあジャック、なんで作者はカトリックの神父が結婚OKなんて変な設定作ったんだ?」
ジャック「おそらく最近読んだマンガ『HELLSING(ヘルシング)』にでも毒されたのだろう。よっぽどカトリックの存在をちらつかせたかったと見える」
翔太郎「我らは神の代理人。神罰の地上代行者。我らが使命は我が神に逆らう愚者を、その肉の最後の一片までも絶滅すること。Amen(エ゛ェェイ゛ィメン゛ッッ)」
フィリップ「傘であのポーズを・・・まるで小学生だ・・・」
次回もお楽しみに!
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真真真(エイメン、エイメン、エイメン)
by luke 2012/07/03(Tue)00:38:47 Edit
いや、もうなんだよ回想シーン。1/3も悲しさとか伝わってこないよ(笑)。

それにしても琢磨君弱いなぁ……w
使用BGM
by Joker 2012/07/02(Mon)05:21:12 Edit
#1「ミステリーワールド」 仮面ライダーWより
#2「ハードボイルド」 遊戯王5D'sより
#3「おやっさん」 仮面ライダーWより
#4「常盤台女子寮」 とある科学の超電磁砲より
#5「爪爪爪」 マキシマム ザ ホルモン
#6「オルフェノク出現」 仮面ライダー555より
#7「Ride a firstway」 CRぱちんこ仮面ライダーMAX EDITIONより
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