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teamBDR
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男性
職業:
高校生
自己紹介:
このブログは退屈な日々を革命すべく集まった6人のブログなんDA。
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[Joker(ジョーカー)]この団を作った人。学園都市の日常・科学サイドを書いてるのはこの人。ボディサイドのガイアメモリをコンプしている。最近、teamBDRが満足同盟となんら変わりない事に気づいたが、狙ってなどいなかった。いや、ホンとにマジで。まあそんな事はどーでもいいから、満足しようぜ!!

[ナレ神(シン)] 貴重な「純粋なツッコミ役」。LUKEとは実況・解説コンビである。最近、兄のオタクライフを書いた記事が大ヒットした。

[ガチャピン]旧かみやん。最近はこっちの名を名乗るほうが多い。通称、魯迅(ろじん)。又は、北大路魯山人(きたおおじろさんじん)。もうなんか『お姉ちゃん』しか言わないかわいそうな人。teamBDRの中でもトップクラスにアレな人なんDA。 

[S(サジタリウス)] 変態である。クラスの女子、挙句の果てには学校の先生にまで変態と言われてしまったぞ!この変態軍人めが!!

[Sgt.LUKE(サージェント.ルーク)] おそらくこの団最強の男。その脳内は無限のユーモアにあふれている。もしかしたらアンサイクロペディアを超えているかもしれない。ちなみに食玩のサイクロンメモリを持っている。

[XILE(ザイル)] 割と普通人。EXILEのファン。この団に入ってからまわりに毒されてきた。被害者。だが本人は楽しそうである。
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第25話「復讐の雷鳴」
 
作者 Joker

「ひいいいいいッ!!」
バジバジバジィィィンッ
「ふう・・・これで全員ね」
常盤台中学校に通うレベル5超能力者、通称常盤台の超電磁砲(レールガン)御坂美琴は今日も路地裏にたむろしていた不良どもをボコボコに蹴散らした。
理由は単純明快。不良どもが吐き捨てたガムを誤って踏んでしまったのだ。
「あんたたちねえ・・・人への迷惑とか考えないわけ?」
「アン? なんだとコラァ! 犯してやろーかッ! こんガキゃ・・・」
バチィィィィィンッ
 
というわけで御坂はたった今不良5名ほどを得意の電撃でノックアウトしたのであった。
「まったく、ゴミを捨てる人間こそが本当のゴミとはいったものよね」
御坂は靴の裏にへばりついたガムを気絶している不良の頬にぐりぐりと押し付けながら言った。
「さて、今日はもう遅いし、さっさと用事済ませて帰りますか・・・ねえ?」
御坂は自分の背後に向かって喋りかける。
「さっきから私のことストーキングしてるアンタ。さっさと出てきなさいよ」
御坂は振り向いて、先ほどから自分に殺気を送り込んできている者が出てくるのを待つ。
「・・・ククク、気付いてやがったか。ま、一応レベル5だからなあ。てめーは」
夜7時の路地裏は夏とはいえ暗闇に包まれていた。
その暗闇から現れた男が1人。
身長180センチほどの長身で、顔にかからないように長く伸ばした髪に、ギターを携えた男であった。
「アンタ、密かに私のこと馬鹿にしてない? 一応って。
まるで自分はもっと強いみたいな言い方じゃない。何様のつもりよ、アンタ」
「俺は音石 明(おといし あきら)様だ。てめーと比べるのが失礼なほど強い」
「ふ~ん。で、何? 私に勝負を挑みにきたわけ?」
「違うな。そんな軽いもんじゃあない。俺は復讐しにきた。お前になぁ」
「復讐? 何のことかさっぱりねぇ。アンタに見覚えなんかないし」
「てめーは覚えてねえだろうなあ。自分が払い落とした虫の数なんか覚えてる人間いねーだろうしなぁ。だがなあ、俺は覚えてたぜ。いや、あの日以来お前を忘れることはできなかったと言うべきか」
音石は空を見上げてしみじみと“あの日”のことを思い出した。
「御坂美琴。今からてめーを地獄の底に叩き落してやる。
てめーが俺にそうしたようにな」
音石は御坂をギラリとにらみつけた。
「ええ・・・やれるもんならやってみなさいよ。こっちも本気でいくから!!」
御坂は全身に電撃を纏う。
「ハアアアアアッ!!」
そして右手で必殺のレールガンを発射した。
 
バシュウウウウウウンッ
 
「レッド・ホット・チリ・ペッパーッ!! 吸引・アトラクタースパウトッ!!」
音石がそう叫ぶとパキケファロサウルスのような人型のスタンドが現れ、腹部に開いた穴のような器官でレールガンを吸収、無力化してしまった。
「レールガン、ご馳走様」
「なっ!! どういうこと!?」
御坂は目の前で起こった事実が理解できない。
(あいつがスタンド使いだったなんて・・・きっと今のはスタンド能力。
もう何発かレールガンを撃ち込めば能力の正体がわかるかも・・・)
とりあえずそう考えた御坂はポケットからコインを10枚ほど取り出した。
「ハアアアアアッ!!」
バシュン バシュン バシュンッ
御坂はレッド・ホット・チリ・ペッパーの頭部や足、とにかく腹以外の部分を狙って撃ったが、レールガンはすべて吸い寄せられるように腹部の穴に吸収されてしまった。
「そ・・・そんな・・・!?」
御坂は膝を落として絶望する。レールガンを10発以上撃ち込んでそのすべてが吸収された。
そこから予想されること、音石のスタンド能力。それは・・・
「そう、電撃の無効化だ。お前の能力は俺にはまったく通用しない。
さらにそれだけじゃあない」
 
バチッ バチバチッ バチッ バチバチバチッ
 
レッド・ホット・チリ・ペッパーの身体を電撃が纏う。
「エレキブーストッ!!」
 
ビシュン
 
一瞬だった。
さっきまでレッド・ホット・チリ・ペッパーは音石のすぐ近く、つまり5メートルほど先にいたのだ。
それがまるで時でも止めたかのように・・・
レッド・ホット・チリ・ペッパーの顔が御坂の目の前に突然現れた。
御坂は一瞬死さえ感じた。いや、感じさせられたと言うべきだろう。
なぜなら音石はその気になれば御坂を瞬殺できたはずなのだ。
それほどまでに今のレッド・ホット・チリ・ペッパーのスピードは驚異的かつ脅威的だった。
「ン? どうした、御坂? ビビッちまって声も出ないか? アぁ?」
音石は御坂とは対照的にへらへらと呑気そうに突っ立っている。
「おいおい、俺の復讐はまだ始まったばかりなんだぜ? もうダウンか?
そんなのは俺が許さねえ」
 
ボゴォッ
 
至近距離のレッド・ホット・チリ・ペッパーが御坂の腹部をものすごい力で殴った。
といっても御坂はレッド・ホット・チリ・ペッパーが自分の腹部を殴ったその瞬間を見ることはできなかった。気付いたときには腹部にたとえようもない激痛が走っていたのだ。
「かはッ・・・!! ああ・・・ああッ!!」
御坂は腹を押さえてその場にうずくまる。
「俺のレッド・ホット・チリ・ペッパーの能力。それは腹部の吸引・アトラクタースパウトで電気を吸収し、その電気エネルギーを自分のパワーに変える能力。これによりレッド・ホット・チリ・ペッパーは究極のスピードとパワーを得ることができる。
つまり御坂、お前の電撃との相性は最悪ってわけだ。俺のお前への復讐心がスタンドの矢を通じてこの能力を発現させたんだ。最高・・・だぜ」
レッド・ホット・チリ・ペッパーは御坂を抱え込んで、電流を纏った右の拳を御坂の右目にこすりつけた。
「ああああああああッ!!」
御坂の右目に焦げたような感覚が走る。
「さて・・・」
レッド・ホット・チリ・ペッパーはこすりつけていた右拳を離すと、立ち上がって地面にうずくまっている御坂の身体を踏みつけた。
「俺の復讐心はまだ5パーセントも治まっちゃあいないぜ」
 
ガスッ ガスッ ガスッ
 
レッド・ホット・チリ・ペッパーは何度も御坂を右足で踏みつけた。
「ハハハハハハッ!!」
「ガフッ・・・ゲフッ・・・ゲフ・・・」
御坂は自分の意識が朦朧としてきていることを感じていた。
「ハハハッ!! 御坂、だが殺しはしない!!
てめーはレベル0として生きながら、一生俺の名を恐れ続けるんだ!!
ハハハハハハハハハッ!!」
音石は懐から拳銃のようなものを取り出し、それに何も書かれていない透明なガイアメモリのケースを装填した。
そしてそれを御坂の頭に当て、引き金を引いた。
 
ズキュゥゥゥゥゥンッ
 
夜の闇に銃声が鳴り響き、御坂は全身から力が抜けていく感覚とともに意識を失った。
 
「背中と腹に数箇所の打撲。それから両目とも1.5だった視力が右目だけ0.5に下がっている。
それ以外は特に問題はないね」
御坂は常盤台病院の診察室で診察を受けていた。
あの後御坂は救急車によって運ばれ、気がついたときには常盤台病院のベッドの上にいた。
救急車はあらかじめ音石が呼んでおいたものだったらしい。
「まったく・・・ずいぶんとなめた真似をしてくれたじゃない・・・」
御坂は悔しさと怒りで身が震えた。
「お姉さまぁ~~~ッ!!」
 
バァンッ
 
診察室のドアを暴力的に開けて黒子が入ってきた。
「大丈夫ですのお姉さま!?」
「え!? ああ、右目以外はね」
「よかったぁ・・・命に別状がなくて」
黒子は御坂の両手を握って安堵した。
「こらこら君ィ、病院でそんな大騒ぎしちゃだめだよ」
医者が黒子をなだめるように言った。
「ええ、それは失礼しましたわ」
黒子は適当に返事をした。
 
診察が終わった御坂は黒子とともに待合室に向かった。
「痛ッ・・・!」
御坂はその場にうずくまった。
「どうしましたのお姉さま!?」
「大丈夫よ・・・ただちょっと背中が痛んだだけ」
「まだ傷は治ってなさらないんでしょう? 無理はなさらずに・・・」
「おお黒子、御坂は無事か?」
「仗助! それに億泰に康一も」
向こうから3人が歩いて来る。
「黒子から聞いて来たンすよ」
仗助たちは御坂に歩み寄る。
「おい康一、御坂が苦しそうだ。
肩を貸してやれ。俺や億泰じゃあ肩の高さが合わねえ」
「うん」
康一は御坂に肩を貸し、待合室に向かってゆっくり歩き始めた。
「それにしても誰がこんなひどいことを・・・」
「ホンとですわ! お姉さまをこんな目に遭わせたからには死をもって・・・!!」
「おいおい黒子」
「たしか奴は・・・“音石明”とか名乗ってたわ。
“レッド・ホット・チリ・ペッパー”とかいうスタンドを使っていたわね」
 
ピクッ
 
「なに・・・レッド・ホット・チリ・ペッパーだと!?」
億泰がまさかといった顔で表情が凍りついた。
「何か私に恨みがあったみたいだけど・・・まったく心当たりがないわ。
たぶん勘違いよ」
「まあ! 勘違いでお姉さまをこんな目に!?
まったく、許せませんわね」
「でも・・・本当に勘違いでこんなことするのかなぁ・・・?」
康一は疑問を口にする。
「レッド・ホット・チリ・ペッパー・・・?
ハッ!! まさか・・・億泰! それってよお!!」
仗助は隣にいる億泰の方に振り向いた。
億泰は怒りにその身をわなわなと震わせている。
「間違いねえ・・・そいつは俺の兄貴を殺しやがった野郎だ・・・
許せねえ!! 仗助! 今すぐその音石を探しにいくぞッ」
億泰は走って病院を出て行った。
「ま、待てよ億泰!」
仗助も後を追う。
「しかし・・・そこまで憎んでいるなら何故、音石は御坂を殺さなかったんだ・・・?」
仗助は走りながらそう疑問に思った。
「お姉さま。今からタクシーを呼ぶのでそれに乗って寮まで帰ってくださいまし。
私も音石を探しますわ」
「うん・・・でも黒子、音石を見つけたら私にも連絡しなさいよ。
音石にこの痛みを倍にして返したいから」
「わかりましたわ。でもそれまでは絶対に安静に・・・あ!」
「どうしたの?」
「困りましたわ・・・ケータイを充電してくるのを忘れて・・・電源が」
「それなら任せなさい。私が充電してあげるから」
御坂は黒子の手からケータイを取って自身の能力による発電で充電しようとした。
しかし、
「あれ? え? おっかしいわねぇ・・・」
「 ? お姉さま?」
「うそ・・・なんで!? 電気が・・・電気が起こらない!?」
 
『ハハハッ!! 御坂、だが殺しはしない!!
てめーはレベル0として生きながら、一生俺の名を恐れ続けるんだ!!
ハハハハハハハハハッ!!』
 
御坂の脳裏に昨晩の音石の言葉がよぎる。
「まさか・・・!!」
 
「ここか。昨日御坂が襲われたっつー場所は」
億泰と仗助は昨日御坂が音石に襲われたという場所に来ていた。
「だがよォ、こんなところに来ていったいどうすんだよ。
音石があれからずっとここにいるっていうのは考えられねえぜ」
「ンなこたわかってるぜ。だがよォ、犯人は事件現場に戻ってくるってなんかのドラマで言ってたぜ。
それになあ、俺は頭がわりーんだ。こうやって事件現場に来て、音石に関する何かをつかもうってことしか思いつけねえんだ・・・」
「億泰・・・」
「あーあ、チクショー。兄貴が生きてくれていたらなぁ・・・
もっといい方法を考えてくれているのによお・・・」
億泰がタメ息をついた、その時、
『クックックッ・・・こんな馬鹿な弟を持って、形兆の野郎も苦労しただろうなぁ・・・』
それは遠くから聞こえるような声なのに、すぐ近くから発せらているような声だった。
「この声は・・・誰だ!! 出てきやがれッ!!」
億泰は叫ぶ。
「出てこいって・・・俺はもうとっくにお前たちの前に現れているじゃあないか」
「何!?」
億泰は声のした方向を向いてみた。
だがそこには何もない。
「なんだ・・・? 誰もいねえじゃねえか」
しかし一瞬まばたきをした後そこを見ると・・・
「あッ!?」
そこにはギターを携えた長髪の男と、忘れもしないレッド・ホット・チリ・ペッパーがいた。
「おい仗助・・・お前、あいつが現れた瞬間が見えたか?」
「いや・・・まったく見えなかった。気づいたときにはもうそこにいたぜ・・・」
億泰と仗助の額に冷や汗が流れる。
「ククク・・・仗助、億泰。俺はミュージアムから貴様らを殺せと命令されている。
御坂を倒して手に入れた、この力でなァッ!!」
「御坂を倒して手に入れた力だと!?」
「ああ、これがそれだ」
音石は懐からオレンジ色のガイアメモリを取り出した。
ドーパントに変身するために用いるようなギザギザした形状のものではなく、Wが使っているのと同じ形状をしたガイアメモリだった。
―エレクトリック!―
音石はそれをレッド・ホット・チリ・ペッパーの肩甲骨の間にあるコネクタに挿した。
 
バヂッ バヂバヂバヂッ
 
「何ッ! この電撃の感じはッ!!」
「御坂だ・・・御坂が使っていたのと同じ電撃だ!!」
「その通り。だからこんなこともできる」
音石はズボンのポケットからゲームセンターのメダルを取り出して、それをレッド・ホット・チリ・ペッパーに投げ渡した。
レッド・ホット・チリ・ペッパーは指でメダルを宙に弾いた。
「まさか・・・!!」
 
ビシュゥゥゥゥゥゥゥゥンッ
 
仗助と億泰の間を抜けて、雷光は壁に突き刺さった。
「レール・・・ガン!?」
「おいおい、こんなもんで驚いてもらっちゃあ困るぜ。
俺が本気を出せば・・・一瞬でレールガンを1000発は連射できるんだからよぉー。
ま、弾数が追いつかねーから実現不可能だろうがな。ハッハッハッ!!」
「い・・・いったい何なんだよッ その力はッ!!」
「まったく・・・億泰、てめーは自分で推理もできねーのか?
こいつはなぁ、御坂の超能力を奪って作ったガイアメモリさ。
これを使えば俺は御坂と同じ能力、すなわち“レベル5の発電能力”が使えるようになるのさ。
今頃、奴は能力が使えなくなったってんで大騒ぎだろうぜ」
「てめぇ~~~!!」
仗助は怒りに身を震わせながら拳を握り締める。
「さらに俺のスタンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーは電気を吸収することで無限に強くなる能力を持っている。つまり、今の俺は発電と吸収のダブルパワーで天下無敵ってわけだ!!」
「さっきからの高速移動のカラクリはそういうことっスか」
「パワーもスピードも、すべてにおいて俺たちのスタンドを超えているってことかよ」
「その通りだ。だが、今ここでお前たちと戦うつもりはない。
今日はお前たちに宣戦布告に来たんだ」
「何ィ!? 宣戦布告?」
「明日の正午ぴったしに杜王港に来い。仲間を何人連れてきてくれてもかまわんぞ。
むしろそのほうがありがたい。だが来なければ、お前たちの大切な者を暗殺する」
そして音石は一瞬だけ仗助と億泰の耳元に現れ、
「わかったな? 必ずだぞ」
と囁き、姿を消した。
仗助と億泰はあまりの出来事に数分間その場に凍りついたままだった。
 
「で、白井。何の用だ?」
天道の自宅。黒子は天道家の4人を相手に話し合いをしようとしていた。
「実は・・・」
黒子は昨晩御坂が襲われたこと、襲ったのはスタンド使いの音石であること、そして御坂が音石に超能力を奪われたことを簡潔にまとめて話した。
「なるほどな。それで俺たちに協力を求めにきたってわけか」
「その通りですわ。お姉さまによると敵のスタンド能力は電気エネルギーの吸収とそれによる強化。
それにお姉さまの発電能力が加わったということは・・・」
「なるほど。無敵だな」
照井がつぶやいた。
「だから仮面ライダーであるあなたたち4人に協力して欲しいんですの」
「断る」
天道はきっぱりと言った。
「無敵とは言っても所詮相手はスタンド使い。俺たち仮面ライダーの出る幕じゃあないな」
「ああ、俺も同じ意見だ」
草加も天道に同意を示す。
「そもそも第三者が首を突っ込むべきことではないな。
こういうのは当事者だけで解決してもらえないかな」
「俺もだ」
照井も2人の後に続く。
「俺は警察だ。私情でほいほいと動ける身ではない」
「くッ・・・!!」
黒子は悔しげな表情をする。
「・・・白井。素朴な疑問を1つ」
橘が動いた。
「敵は1人なのか? それともミュージアムの手の者なのか?」
「「「何?」」」
この質問に天道と草加、照井も反応する。
もし、音石がミュージアムの刺客であるならば、それは天道たちにとっても音石は敵だということを意味するのだ。
「さあ・・・ただ、奴はお姉さまに復讐するとか何とか・・・
あ、でも音石がガイアメモリのようなものを持っていたとも・・・」
「今の段階では奴が単独か、それともミュージアムの刺客かはわからないということだな?」
「ええ・・・そうですわね」
「なら現段階では俺たちは協力できないな。
仮面ライダーの姿で一般人を殴るわけにもいかない」
天道がそう言った時、
『ククク・・・なら教えてやるよ。俺はミュージアムの手先だ』
「この声は!? まさか!!」
「声? 何を言っているんだ、白井?」
天道、他3人にはこの声が聞こえないらしい。どうやらスタンドが発する声のようだ。
「どうやら相手はスタンドらしいですわ。変身すれば確認できるはずですわ」
「ふん、いいだろう。変身」
「変身!」
「ヘンジン!(変身!)」
「変っっっ身ッ!」
4人はそれぞれ仮面ライダーに変身し、ソファに座った。
『ククク・・・』
カブト(天道)たちが座っているソファとは反対側に位置するこの部屋の扉。その近くのコンセントから黄金に輝くスタンドが現れた。
「こいつが噂に聞く音石のスタンド、レッド・ホット・チリ・ペッパーか」
カブトは現れたスタンドに話しかけてみる。
『そうだ。これが俺のレッド・ホット・チリ・ペッパーだ』
「その口ぶり・・・本体の音石は近くにはいないようだな」
『察しがいいな。たしかに俺は今遠くからこいつを遠隔操作で動かしている。
電気さえ吸収させておけば、レッド・ホット・チリ・ペッパーの射程は無限だからな』
「なるほど・・・ということは、今回は戦いに来たわけではないようだな」
『その通り。今回はお前たちに宣戦布告に来た』
「ほぉ?」
『俺はミュージアムからお前たちの抹殺を依頼されている。
そこで俺は明日の正午、杜王港にお前たちやお前たちの仲間を集めてまとめて始末することにした。すでにお前たちの仲間の何人かには言ってある。来なければお前たちの大切な者が死ぬことになるってなぁ』
「貴様ァ!!」
レッド・ホット・チリ・ペッパーのその言葉にカイザ(草加)は激怒した。
『フン、その様子。どうやらお前には特別大切にしている者がいるらしいな。恋人か?』
「貴様にひよりは殺させない。貴様は俺の手で確実に殺す!」
『フン! そうかい。じゃあ明日の正午ぴったしに杜王港だ。必ず来いよ』
そういってレッド・ホット・チリ・ペッパーは姿を消した。
天道たち4人は変身を解除すると、少し話し合ってから天道が代表して黒子に言った。
「白井、敵がミュージアムだとわかった以上、俺たちも音石を倒すのに協力しよう」
「天道さん・・・」
「フン! 勘違いしてもらっては困るなあ」
2人の間に草加が割って入る。
「俺は君たちに協力するつもりははなからない。俺はひよりを守るためだけに奴と戦う。
そこを理解していてくれないかなぁ?」
「雅人・・・」
「何かなァ? 総司・・・」
2人の間に険悪なムードが漂う。
「・・・いや、なんでもない」
 
「御坂さん! 本当に心当たりはないの!? 音石についてさぁ!!」
康一は早歩きをする御坂に必死に質問をしていた。
「うるっさいわねえ、アンタ!! こっちはイライラしてんのよッ
音石にやられた傷は痛むわ、超能力は奪われるわで・・・」
御坂は病院を出てからずっとこんな調子だ。
「それでも思い出してみてよ! ただ事じゃあないと思うんだよ、音石の憎しみは。
勘違いの憎しみならこんなことするはずがないよ!!」
 
ピタッ
 
御坂が歩くのをやめた。
「アンタ・・・もしかして私を疑ってんの?」
「え!?」
「本当に非があるのは音石じゃなくて私。そう言いたいんでしょうが! アンタはッ!!」
御坂は烈火のごとく憤怒する。
「そ、そんな! 僕はただ・・・」
「知らないわよッ 音石も! 何も!!」
御坂は怒って走り去ってしまった。
「ま、待って! 御坂さ・・・」
 
とおるるるる とおるるるる
 
康一の携帯電話が鳴る。
「ハイ、もしもし・・・」
『康一、俺だ』
「仗助君?」
『今、音石の野郎が俺たちの仲間のところに次々と現れて“明日の正午に杜王港に来い”と言いふらしている。承太郎さんや名護さんのところにも現れたらしい。お前も風都の翔太郎さんや佐天に連絡を取ってくれ。音石が現れたかって』
「風都・・・そうだ! わかったよ仗助君。さっそく行ってくる」
 
プツッ
 
康一は電話を切ると風都に向かって走り始めた。
「そうだ! 風都に行けば・・・」
 
「まったく・・・私は何も悪くないっての!!」
御坂は長石トンネルを下ってゆく。
そして長石トンネルの直線になっている部分にさしかかった時、
「見つけたぞッ!! 御坂ァ!!」
突然、大声がトンネル内に響いた。
周りを見ると20~30人ほどの不良たちが御坂を取り囲んでいた。
「何よ・・・アンタたち」
すると、不良の中からリーダー格らしき男が前に出てきて言った。
「てめー、昨日うちのもんを5人もぶっ飛ばしてくれたそうやんけ」
「ええ、それがどうしたのよ?」
「決まっとるやんけーッ!! 報復じゃァーーーッ!!」
 
オゥオオオオオウッ!!
 
不良たちの叫びがトンネル内にこだまする。
「しかもさっきお前にボコられたもんの見舞いに行ったら、入り口でお前が超能力がのーなったってさわいどるやんけぇ。こいつはラッキーやわぁ。きっと神さんがおぬしに天罰を下しよったんやろうなあ。
やけどなあ、まだわしらの怒りはおさまっとらんぞ! 今から徹底的にぶちのめしたるから覚悟しいやッ!!」
「ちょッ・・・ちょっと! アンタたちまさか・・・丸腰の私をこの人数でリンチにしようってわけ!? 冗談じゃないわよ!!」
「じゃかましい!! 大体何が悪いねん! そもそもはお前が丸腰のうちのもんにレールガンとかいうけったいなもんぶっ放しよったんじゃろうがッ!! うちのもんは5人全員1週間の入院やから、お前には5週間入院するほどの怪我負ってもらわな落とし前がつかんがな!!」
「そ・・・そんなあ・・・」
「ほな行くでぇ・・・やってまい!!」
 
オオッ!!
 
それはまさに地獄と形容するのにふさわしい状況だった。
いつまで続くのかわからぬ攻撃と、激しい痛み。
その中で御坂は今までどれだけ自分が超能力に頼ってきたかを理解した。
自分が強かったのではない。超能力という形が強かったのだ。
自分の超能力に皆が恐れをなしてひれ伏す。
その様子を見て、いつの間にか自分は悦に浸るようになっていたのだ。
(ああ・・・取り戻したい・・・力を・・・・・・もう一度、頂点に・・・)
何度も殴られながらも、不思議と薄れない意識の中で御坂はそう思った。
「よ~し、お前らそろそろ終わりにせい。あとは犯して終わりや」
御坂を殴っていた連中が御坂から離れ、逆にリーダー格の男が御坂に近寄ってきた。
その時、
「ぐわあああッ!!」
トンネルの入り口から悲鳴が聞こえてきた。
どうやら入り口で見張りをしていた者がやられたらしい。
そしてその後、不気味な足音が階段を下り始めた。
「な、なんや!? なにごとや!?」
リーダー格の男があせりを見せる。
 
ぐわあああッ!! うわあああッ!! ぎゃあああああッ!!
 
足音が近づいてくるとともにトンネル内に悲鳴がこだまする。
そして、
「ふう・・・・・・」
足音の主がリーダー格の男の前に現れた。
すでに入り口側にいた者たちは全滅していた。
「あ・・・アンタはいったい・・・!?」
リーダー格の男は怯えていた。
足音の主は白のタンクトップに右袖をぶった切った奇抜な革コート、真っ黒な革のズボンに左足には鉄甲のようなものを巻き、西部劇に出てくるような滑車のついたウェスタンブーツ、そして首からジャラジャラとしたネックレスをつけた男だった。
その男はまさに地獄に巣くう修羅というにふさわしい威圧感を持っていた。
まるでその男のそばにいるだけで死神に首に鎌をかけられているような感覚さえあった。
「どうした? どうせお前も俺のこと馬鹿にしてんだろ・・・笑えよ」
そう言って男が向けてきた眼差しはどんなナイフよりも鋭く刺さる凶器だった。
「ひ・・・ひいいいいいいいいッ!!」
悲鳴を上げて不良たちは全員逃げていった。
「アンタは・・・」
御坂はこの男に見覚えがあった。
たしか前に自動販売機のことで口論になった・・・
「矢車・・・矢車想だ」
男は自ら名乗った。
「お前・・・たしか自動販売機の・・・」
「御坂・・・御坂美琴よ」
「そうか。ずいぶん派手にやられたな」
「アンタこそ・・・前会った時はもっとちゃんとした格好だったじゃない・・・いったい何があったのよ」
「もう・・・パーフェクトもハーモニーもないんだよ」
「 ? ・・・まあいいわ。助けてくれてありがとう」
「勘違いするな。俺はただ地獄のにおいがしたからここに来ただけだ」
「地獄・・・?」
「ああ、そうだ。御坂・・・お前も俺と一緒に地獄に落ちろ」
「何言ってるの・・・私はもう一度頂点に返り咲くのよ。もう一度力を取り戻してね・・・」
「ハッ! そうか。今は好きにしたらいい。だがな、御坂。これだけは覚えておけ。
地べたに這いつくばってこそ、見えてくる光もある。
そしてお前がもう一度暗闇に落ちたとき、俺はお前を迎えに行く」
そう言って矢車はトンネルの出口に向かって歩いていった。
「・・・・・・ハハハハハハハハッ!!」
矢車は高笑いを残して行った。
「・・・・・・フフフフフ・・・アハッハッハッハッハ!!」
御坂もつられて笑った。
 
「翔太郎さん! フィリップさん!」
康一は鳴海探偵事務所に飛び込んだ。
「どうしたんだ? 康一」
翔太郎はあっけにとられている。
「音石明のレッド・ホット・チリ・ペッパーってスタンドが現れなかった?」
「ああ、それならさっきフィリップのところに現れてだなあ、俺もドレイクに変身して話を聞いた。
明日の正午に杜王港だってな」
「そうなんだ。それでフィリップさんに調べて欲しいことがあるんだ!」
「何かな? 調べて欲しいことって」
フィリップが康一の前に出てきた。
「うん、音石と御坂さんの過去について調べて欲しいんだ」
「何だって!? 別にかまわないけど・・・それにどんな意味があるんだい?」
康一がいったことにフィリップは疑問を示した。
「意味があるかはわからないけど・・・とにかく調べて欲しいんだ!
御坂さんは音石と昔何かあったんだ。そうじゃなければ音石は復讐なんてしないよ」
「・・・わかった。フィリップ、検索だ」
翔太郎の指示でフィリップは地球(ほし)の本棚に入った。
(いったい・・・2人の過去に何が・・・?)
 
「見てなさいよ・・・音石。アンタを倒して、私は再び頂点に立つ・・・!」
傷だらけの身体を引きずりながら、御坂は闇の世界から抜け出そうとしていた。
過去の栄光を求めて。
 
TO BE CONTINUED 
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おつかれー
by Sgt.LUKE 2010/07/16(Fri)13:51:24 Edit
御坂www。そして矢車www。なンだこの取り合わせはwww
無題
by S 2010/07/14(Wed)23:56:19 Edit
今回は結構物語進んだなぁ
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